コンテストについて


ブックトレーラーコンテストは、それまで交流の機会が少なかった日本のインターナショナルスクールで日本語を学ぶ中高生をテクノロジーを駆使して繋げること、スキルが年齢相応でないために自分たちの日本語力に自信が持てなかった生徒たちに向け、数年前からアメリカンスクール・イン・ジャパンの高校で実践されていた課題を共有し、その趣旨に賛同した聖心インターナショナルスクール、東京インターナショナルスクールの教師が立ち上がり、2010年-11年度にスタートしました。

生徒はテクノロジーを駆使し、読んだ本の世界を表現するブックトレーラー、つまり「本の予告編」を作ります。動画の視聴者がその本を手に取るのが目的ですから、ある程度本の内容を伝えなければなりませんが、すべてを見せず「わざと隠す」部分も考えなければなりません。

テーマを理解し、視聴者がその本を読みたいと思わせるために、脚本を作って演じたり、絵を描いたり。そのほか写真を何枚も使ったストップモーション、アニメ、人形劇、BGM、音やテキスト、ナレーション……と本の世界の表現方法は自在に広がります。

生徒が一般公開されるコンテストに作品を応募すること。それは著作権や知的財産の面でも意識するようになります。自分で作成しないのであれば、本の表紙以外は、著作権フリーの画像や動画、音楽を用い、必要であれば出典を明記することなどを学びます。

生徒たちは正解のないクリエイティブなプロジェクトを楽しみ、互いの作品を見ることで刺激し合い切磋琢磨しています。

2011-12年度からは受賞作品が一般公開されています。また数年前からは、海外の学校からの応募もあります。(各校からの応募数には制限がありますが)現在、応募総数は延べ700作品にも及びます。ブックトレーラーの受賞作品の中には、受賞後に本が映画化され、プロによる映画の予告編と、中高生が作成した本の予告編を比較する喜びもあります。

10年の節目を経て、2020-21年度からはコンテスト2.0が始まり、新たな段階を迎えました。

このウェブサイトを訪れた方が、読書を楽しみ、繋がることを祈っています。

最後になりますが、作品で私たちを繋げてくれたたくさんの生徒たち、忙しい中、コンテストを支えてくださった先生方、ボランティアの皆さまに心から感謝申し上げます。


2020年秋

ブックトレーラーコンテスト運営委員一同