自然光で飛行機模型の写真撮影の場合、大抵の背景は空です。朝日夕日、雲は様々な表情を見せます。最高の環境で撮影できればモデルの不出来も全く気になりません。でもいずれ空ばかりだと表現に飽きてきて、違った写真を撮りたくなります。そこで何か背景セット製作に手を染めます。初めは模型を飾るベースも兼ねるものから、様々な写真のアングルに対応出来るよう、造りが大きくなっていきます。モノによって製作にかなりの時間をかけたり、大きさ数メートルの「地面」まで作りました。しかしこれらはあくまで背景のセットですから、機能的、臨機応変、収納性を考慮します。製作はかなり汚れ仕事なので、週末家族が不在になる時を狙って一気に完成させたります。綺麗にかたずけて何事もなかったように収めることが重要です。これが一番大変かな…。
この2つのセットはデススターの「溝」と「山」です。大きさは幅80センチくらいですね。まあ撮影の背景ですから、何か月もかけて製作するものではありません。溝のほうは電気製品を買ったとき箱に入っている断衝材の発砲スチロールです。山は発砲スチロールの5㎝ぐらいの板の積層です。こちらは盛大に削りカスが出ます。掃除機で吸い込みながら削り、整形していきます。後は木工用ボンドを塗布した後、砥の粉、鉄道模型用材料などを適当にまぶせば完成です。どちらも収納性を考え、厚みは抑え気味、デススターは分解収納も可能。
このセットの場合、背景としてやはり長さが足りません。1:72キットで奥行のあるアングルの撮影のためには1.5メートルほどの長さが最低必要かな。
このセットは裏面が90度の角度をもっているので倒すことで2種類の稜線の背景として使えます。
ヤシの木は葉っぱを針金に取り付けて、束ねて樹形を作り、幹に紐をグルグル巻いて木工用ボンド、砥の粉で仕上げます。書くと簡単ですが、一本作るのに一時間以上はかかります。何本も必要なので、これは1っか月ぐらいはやってましたね。葉っぱに使った包装用の化粧紙は一年ほどで退色してしまい、今は枯れ葉のヤシ林になってます!まあ塗ればいいんですけど、もうほったらかしです。セットでも耐久性は必要です。
これら山や島などは作ったその時だけ、あまり使ってません。シチュエーションが限定されるうえ、それなりに大きく作ったつもりでも写真のアングルはかなり限定されるので使いにくいんです。結局、地形などの背景セットの場合、1:72モデルぐらいの撮影のためには大体1.5メートルぐらいの「規模」が必要というのが私の経験的な結論です。それ以上のセットを作ったとしても、今度は撮影場所にも限界があります。これぐらいがちょうどいいですね。
この秋水の写真、いいと思いませんか?ここにセットというものはなく、土台のジオラマは10センチ角程度。片手で持って撮影してます。あとは日の入り前の空の景色があるだけ。
時間と環境の許せる範囲で何とかするのも楽しいものです。
これはもっとも活躍した背景セットの格納庫です。格納庫の前という定番な状況であれば、ほぼアングルは固定されても、安定して様々な航空機のバックを務めてくれます。特徴をもたせずありふれた格納庫を作ります。
画像からおおよその大きさを確認します。写真は戦後の流星を撮影した写真で、格納庫扉の前にドラム缶が置かれています。これからおおよその大きさを推察し、簡単な図面化だけで製作してます。
材料はスチレンボードを土台に、プラ板、紙などを組み合わせて製作しました。奥行は12センチ程度の表だけの建物模型です。
表面がケント紙のスチレンボードです。簡単にサフェーサーで目止めした後、筆で色を付けていきます。
エアブラシで仕上げます。表面のパネルボードの表現は鉛筆でケガいただけ。
扉は透明プラ板製でとで透明プラ板を組み合わせています。隅を両面テープで止めて完成とします。開いた状態にするときはこのテープを止め直してます。
扉だけは二種類製作し、バリエーション展開してます。
これは背景セットとして製作した日本空母です。モデルは翔鶴型空母です。モデルは艦首部、艦中央部、艦尾部の3分割でそれぞれの部分が背景セットとして機能するようにしています。合体しても実物の3分の2ほどの長さしかありません。実は艦橋を含む艦中央部は未完成で、撮影には艦首部のみ使用しています。
表面はバルサ材の張り込みに塗装です。ケガキ針で木製甲板の板張りを表現してます。
無数にある穴は航空機を索止するためのもの。アルミパイプを埋め込んでいます
未完のエレベーター部分と艦橋部。艦橋は悪乗りして内部も作ってますね。これ、完成できるかなあ…
この時、空母の艦橋内部がかなり狭いという事を実感しました。八畳間もないと思いますよ。
今度は1/72飛行機運搬船 富士川丸。きっかけは米軍上陸用舟艇LCMにあわせて日本の舟艇「大発」をフルスクラッチしたこと。最初は背景セットとして舷側のみ、壁状のものを作ろうと始めたのですが、なんとなくこの規模に…船の中央部のみ、全長の1/3ほどを作ります。
製作には、まず立体として成立する図面を作ります。これにそって水平/垂直がきっちり出るようにひたすらプラ板を切り出します。ほぼ完成が見えてくるまで2か月、しかし最後に艤装という途方もない作業が待ってました。それは、手摺や階段/デッキクレーン / 各種ウインチ/フェアリーダー / 通風筒 、はては滑車やロープの張り方まで…いくら作業しても密度が高まらず、さらに一か月かかってしまいました。大体滑車の原理なんて生まれてこの方考えたこともなかったし、船に乗り降りする大きなタラップ(舷梯)は航行中はどうなってるのか?とかボートはどうやって下す?など、とにかく作ろうとして初めて気が付く疑問だらけ。あー船って大変。そこで一番勉強になったのが地元横浜の日本郵船歴史博物館。ここで貴重な多数の船舶模型を観察。(撮影禁止なのでじーっと観察)ここで初めて船の甲板がものすごくかまぼこ状に丸くなっていることに気がついたり…民間商船の戦前/戦中の情報を知ることが出来る貴重な場所です。
大体1/72の米空母の飛行甲板です。スチロールパネルにサンドペーパー(#500ぐらい)を張り込んでプラカラーで白線を描いています。片手で持てます。(手持ちで撮影する場合もあり、軽量化は必要なんです。
表面に無数にある穴(航空機を索止するためのもの)は、一つ一つアルミパイプを埋め込んでいきました。もう写経してるみたいに無心になって作業です。
まず、参考にアリイの1/800ミッドウェーを作りました。キット自体はそのままでデティールアップはしてません。価格も安くいいキットです。甲板の汚れ表現ががいい感じに出来ました。
XB-70の様な大型キットの撮影のため、背景用のセットも大型化の必要性が生じてしまい、とうとう下の画像のような背景ジオラマの製作を行いました。ユザワヤで砂漠っぽい布のロールから長さ指定で布を購入、全面に木工用ボンドを薄く塗りたくり、その上からとの粉を基本に所々に鉄道模型用のターフ(草)や土の大小を混ぜ込みました。サイズは1m×3m位ですね。
もともと土色の布なので多少の定着ムラは問題ありません。乾くとゴワゴワのキャンパス布みたいです。これ最大の難点は永遠に土埃が出続けるところでしょう…。でも丸めてビニール袋に入れて収納すればばかさばりませんし、土もほとんどまき散らしません。
この地面マット、乾くと端っこがビロビロにめくれてくるのですが、これが思わぬ効果を生みました。このX-29の写真の地平線上の山並みは、このビロビロの表情そのままで、一切写真加工は行ってません。写真に奥行が出ますね。
May 2017 - aviation art azzito
F-100 ZEL画像を使ったこれまでの画像と新しい背景セットの比較です。新作地面の最大の利点は地面がゴワゴワの布で出来ている事で、詰め物を入れれば意図的に凹凸をつけたり、さらに地平線の高さや山並みも調節出来ます。どなたか作ってみようとお思いでしたら、この半分のサイズ(1×1.5m)ぐらいで十分!
私の受験時代の木製の絵画サイズパネルが沢山あったので、それを活用してます。サイズはB1(長手で1mほど)
コンクリートの地面。表面はサンドペーパーの両面テープ張り。テープでも耐久性は十分。
海面、セロファン製、セロファンは耐久性がほとんど無いので常にストックしてます。
土の地面。石膏にとの粉その他をまぶしてます。森の画像を端っこに張り付けてます。
薄手の塩ビ版に両面テープやボンドで地面を作ったもの。ほかの地面と重ねて使います。
キットにはアクセサリーパーツが入っていりことがあります。下の写真はハセガワの零式水偵と九四式水偵に付属していた呉式2号射出機です。非常に精巧なモデルです。このカタパルトは巡洋艦に搭載されているものですが、茨城県の鹿島航空基地に訓練用機材として陸上設置されている例もあります。こちらは建築物として高さもあり模型映えがするので、その土台部分を製作しました。
ハセガワの1:72水上機キットに付属するカタパルト。これに機体を載せる台(滑走車)は各機体に合わせたた固有のデザイン。
この陸上設置の台座は資料はほとんどなく、写真も2枚しか見たことありません。
左の箱が人が乗り込む操作盤のようです。
鹿島基地の霞ヶ浦に面した場所にこんな感じで設置されていたようです。
エアフィックス1:72
フジミ1:72
ハセガワ1:72
ハセガワ二式大艇付属品の改造