私が撮影に使用するカメラはパナソニックのLumixです。これ一台しかありません。 このカメラは夕焼けや薄暗い状況での接近撮影が得意のようで(開放F値F2.0と、光学7.1倍ズーム )実際、以前のカメラより表現が豊かでその性能には満足しています。私は片手で模型を光に当て、そのきれいな光の反射した瞬間を撮影するので、とにかく片手で撮影できないと困ります。その中でも少しでも模型との距離を取りたいので、液晶パネルではなく、ファインダーがあることも重要。また風を受けプロペラが回り出した瞬間に素早くオートフォーカスしてくれることですね。カメラは詳しくはないんですが、これらの使用状況からもこのLUMIXはいいカメラです。なお撮影調整は、IAインテリジェントオート(フルオート)でカメラに任せっぱなしです。
たまたま自宅のベランダは広く作ってあり、撮影はしやすいほうだと思いますが、撮影自体はこんな感じなので、ご近所の目が気になります。(もうこのUFOなんてご近所に見られたら最悪!)まあ、 そのあたりは奥さんがうまくご近所付き合いしてもらってまして助かります。(何て説明してるのか知りませんが...)住宅街の真ん中なので、周囲のお宅のアンテナや、少し離れたところに鉄塔、送電線があり、さほど空が開けた場所ではありません。夕焼けの光線は30分もすると隣の住宅の影に入ってしまうので撮影時間は限られますねえ。
模型の撮影には手持ち、竿持ちの他に物干し竿を使った吊るしなど色々工夫してます。この写真は吊るしで、実際は機首は下向きで撮影してます。合成に頼らないない複数機の写真撮影のトライアルですね。背景や光の状況によってはいい感じになるかも知れません。
竿を片手で持って、吊るしで撮影してます。吊るしているテグスがみえますね。これ自体をCGで消すのはわりと簡単ですが、テグスの影が機体に落ちるとCG修正がかなり面倒になります。また被写体が絶えずブラブラしているのでアングルや光線の当たり具合がコントロール出来ないのであまりいい方法ではありません。
手持ちです。指が映ってます。1:72スケールキットの小ささがわかりますね。この撮影法が一番微妙な光の当たり具合がコントロール出来ます。いい写真が撮れるのもこの撮影法が多いのですが、翼の先端は切れてしまう作品になります。
最近は多少太くとも金属の棒を使って手持ちの撮影をするのが主流になってきました。これなら翼の端を掴む必要がなく、全体を撮影できるのと、手の延長なので、光に対して微妙な角度調整が出来ます。問題は棒の接合場所で、ジェットエンジン機の場合は噴射口やインテーク、プロペラ機など無理な場合は仕方なく胴体に穴を開けて丈夫な金属棒を差し込んだりもします。強力な磁石を組み込んだりもしましたが、タフな撮影では落下させてしまったことも…。
これは空母を撮影した生画像です。奥に隣の住宅の屋根、手前は海面パネルの端が見切れてますね。これらは画像として切り取ってしまうこともありますが、次図に示したようなセットを使えば多くの場合ほとんど加工なしにアングルを使いきれます。地面のセットの場合も基本的には同じです。
パネルを二枚組み合わせるのは水平線、または地平線の高さと角度を、模型が乗っている面と切り離し、個々に調節するためです。(図の赤い印)この空との境目はとても重要で、ここが作品の奥行感を決めます。まだ自由にコントロール出来ていると言うにはほど遠いのですが、最近気が付いたことで、海面は意外と高め、地表の地平線は低めがいいようです。これは模型のスケールや、それに合わせたアングルの傾向が関係しています。
私の撮影法は女子高生の自撮りのテクニックと全く同じだと思っています。彼女たちの化粧法、顔の角度、アングル。街中での自販機を使った照明効果、アプリの活用など。私の模型撮影と通じるものが多々あります。彼女たちの工夫と努力は素晴らしい。勝手に親近感をもってます。
その1:支柱の消し込み
撮影した生画像。
まず、大きく支えを消します。ここは簡単。
アップで見た残りの支柱。この部分の背景との境を自然になじませるのがポイント。
背景と模型の境目は同じ画像内の自然なぼかしの部分を利用します。小さくコピーした断片を慎重に組み合わせます。
仕上げにスタンプツールで修正箇所をなじませます。この後、場合によりコントラスト、彩度、色調の調整を行い完成です。
この別々に撮影した二枚の画像を使って接近して飛行する2機の画像を作ります。手前の主役にたいして奥を背景の一部と考えます。フォトショップでかなりの作業は出来ますが、撮影時にあらかじめピンともボケ意味に背景用に別途撮影した方が自然な仕上がりになります。同じ時間、同じアングルで撮影したものを組み合わせるのが基本です。
これに必要なテクニックは絵画技法である空気遠近法です。背景の機体はぼかすと同時にコントラストを下げて手前との距離感、2機の間の空気感を表現します。こう書くと単純ですが、違和感なく合成するには少しセンスは必要かも。
同時に撮影したバーナーの画像と組み合わせます。ただコピーして張り付けるわけではなく、複数のレイヤーにコピーし、それぞれ変形させたり、透明度を調整し画像を重ねあわせたりして違和感が無いように描き込みます。非常に絵画的です。ただ一方でフォトショップのペンツールは一切使いません。ペンツールは画像内で違和感が激しく、どうしても下手な写真修正になりがちです。作業すべてを同じ画像内の素材を使い、少しずつ自分のイメージ通りに仕上げます。炎や煙は難易度高いですね。
私の作品の中でもかなりコンピューターを使った画像加工の例です。元の画像は模型から棒が伸びてミサイルを支えています。これは可能な限り別画像からの合成を避けるためです。噴射煙は綿です。この画像、実は太陽(光源)は下から来ています。(撮影時の模型は上を向いている) ミサイルの煙はコピーや変形、レイヤーの透明度を上げての重ね作業を行い描きます。ここで元画像を見て頂ければ分かると思いますが、ロケット噴射の光が機体に明るく映り込んでいる様子は初めから機体にあたっている太陽の夕日です。これを後からCGで描き込むのはかなり困難なので、初めから完成イメージ想定した上で撮影を行っています。
海面の画像加工は元画像がうまく撮影できていれば簡単にそれっぽくなります。ただし、セロファンが海面のように見えるためには光の反射やセロファンのしわの状態などのコントロールが難しく、10セットのセット組み撮影を行ったとしても、使えるのは1セットあるかないかぐらいかも知れません。撮影したほとんどは、やはり「セロファン」にしか見えません。ここをクリアしないと画像加工に移れませんね。また、うまく行ったとしても、被写体との合成がタイヘンで、水上の船などは艦橋など複雑な構造のシルエットの背景に、加工した海面を合成していくので気の遠くなる細かい作業を行わなければなりません。複葉水上機の張線なども厄介です。あまりに大変なのでブルーバックで撮影した戦艦と海との合成を試みましたが、これもうまく行きません。どうしても海面からの反射光、環境光の表現が上手くいかず違和感が消えないんです…いずれうまい方法を見つけられるかも知れませんが、今は地道に時間をかけるしかないようです…。入手できるセロファンの大きさも問題で、寸法がやや小さいです。水面表現の何かいい素材ないですかねー。
海面の修正加工テクニックです。これは画像加工まえの生画像です。セロファンの上に重曹が撒いてあります。重曹は色が白くその粒の光反射も良い感じです。粒が大きくざらざらした感じは他の粉っぽいものよりも写真映りがいいですね。
(全く同じ画像ではありませんが、同時に撮った画像です)
この画像の海面を背景、手前の部分、被写体と接している部分に分けて、フォトショップの「ぼかし→移動」コマンドでそれぞれ加工していきます。ぼかしの方向や量はケースバイケースですが、手前は移動が少なめ、奥がぼかし多めですね。
撮影する上で最も重要な要素はやはり光と雲、天候です。光は早朝か夕方、太陽が低い位置の方がいい写真が撮れます。朝は空気が澄んでいるんでしょうね、日の出から30分ぐらいが絶好の撮影タイムです。一方で夕方はドラマチックな写真が撮れることが多いですね。今ではその画像が朝焼けで撮影したのか、夕焼けなのか自分の写真ならを見ただけで判別出来ます。曇天や快晴の日は背景としてべたっとした単調な背景になってしまいます。風が強く吹いていて、低気圧が過ぎ去ったばかりの雨上がり、立体感のある雲、そこに横から夕陽が差し込んだりしたら、もう最高の環境になりますよ。そこまででないにしても、光と雲が美しい環境で撮影が行えるのは月に一度あるかないかですかね。
私はカメラは素人ですし、操作は機械まかせ。被写体を綺麗に写すセオリーなんてもともと知りません。ただ見たままのドラマ性をそのままどんどん撮影していきます。
以上、一口に画像合成、修正と言っても、それは撮影された画像の邪魔な部分の消込み、馴染ませ作業であることを理解して頂けたでしょうか。やはり作品の出来、不出来は元の模型と撮影された時の背景や光の環境で決まってしまいます。コンピューターでそれ以上のレベルの作品に引き上げるのは非常に困難です。結局、自然光での撮影は、模型の出来と自然環境の要素が偶然的に相乗効果を生む以外、いい作品を作ることは出来ないと思っています。まあ、それが楽しいんですけどね。