応募総数55,344首の中から選ばれた入選作品をここに発表します。たくさんのご応募ありがとうございました。
学校全体で「現代学生百人一首」に取り組まれ、多数の優れた作品を応募いただいた学校に贈呈する「学校特別賞」は以下の5校に決定いたしました。
・埼玉県立越谷南高等学校(埼玉県)
・開智日本橋学園中学・高等学校(東京都)
・国士舘中学校・高等学校(東京都)
・早稲田大学高等学院(東京都)
・愛知県立瑞陵高等学校(愛知県)
▼第39回 応募作品全体を振り返って
万博や物価高、備蓄米、熊の被害、戦後80年といった時事や身近な社会課題、政治まで幅広く関心がある様子が窺えました。選挙権を持つことの緊張感や日本社会への疑問・不信感なども率直に詠まれていますが、いずれも重苦しくなりすぎず、多くは日常の延長線上にある問題として表現されています。
また、学校生活や部活動に関する歌が多く、部活動を通じて感じた喜びや達成感、努力の様子などが丁寧に描写されています。家族や身近な人々との日常を細やかに綴った作品も多く、祖父母や兄弟とのやりとりや日々のちょっとした出来事から、学生たちのリアルな生活が伝わってきます。「推し」「アイス」「炭酸飲料」などのキーワードもしばしば登場し、等身大の学生らしい視点が印象的です。
AIやスマートフォン依存に対する不安や皮肉も多く見受けられ、デジタル社会と共に生きる現代の学生像が浮かび上がりました。全体として、ネガティブな内容を前向きに受け止めたり、ささいな幸せを歌ったりするなど、のびやかな発想と素直な感情表現が多く見られました。
▼入選作品(作品は都道府県別に北から並んでいます。学校名・学年・作者は発表時の情報です。)
解けそうな問題からと教えられたどり着いたは最終問題
市立札幌新川高等学校 3年
川村 奎太
「若者は温室育ち」と言うけれど教室酷暑でマジの「温室」
市立札幌新川高等学校 3年
堀井 友翼
整理券欲しがり群がるチェーン店どこまで続く古古古(こここ)の一連
市立札幌藻岩高等学校 3年
小川 奏多
ラムネびん煌めく花火をビー玉にとじこめたくてびんかたむける
北星学園女子中学校 1年
十和田 美波
りんご菓子ほろりと崩れ祖父の笑み声なきぬくもり舌に残れり
八戸工業大学第二高等学校 1年
豊川 愛璃
電気科で僕らが学ぶこの技術灯す電気がみんなのもとへ
岩手県立水沢工業高等学校 3年
高橋 怜
しりとりでまだ笑えると知った日に少し未来が明るくなった
仙台市立仙台高等学校 3年
千葉 麻緒
カマキリさん自販機前で立ち止まるあなたも飲みたい冷えたのみもの
常盤木学園高等学校 2年
高橋 雅
珠のれんのように滑った雨粒がやはり母にはやさしく落ちる
常盤木学園高等学校 3年
佐藤 日和
最近はスマホ一つでお支払い寂しい顔したお札の偉人
宮城県名取高等学校定時制課程 1年
齋 祐真
上着どこいつも尋ねる朝の僕すぐに見つける母はエスパー
山形県立酒田光陵高等学校 3年
小山 天音
そこフォルテ!何度も合わせる大会曲すでに体力デクレッシェンド
山形県立高畠高等学校 3年
松田 詩音
暑さゆえ先生ぼそりといったギャグひと呼吸おき笑いが開く
郡山市立安積中学校 2年
横田 瑠羚
何気なく好きなタイプを語るきみその中にない私の姿
福島県立平工業高等学校 1年
鈴木 桜都
オイル染み作業服にも誇りあり夢のための手のひらの傷
福島県立平工業高等学校 2年
白井 彪琉
米騒動母のため息聞いたならやめるおかわり腹七分目
霞ヶ浦高等学校 1年
小貫 煌矢
うすくなるじいじの髪と思い出と私の名前忘れないでね
東洋大学附属牛久高等学校 3年
入佐 美羽
アイドルの真似して踊るリビングで母が放った「ちょっとそこ邪魔」
東洋大学附属牛久高等学校 3年
髙橋 海音
四時間目静まり返った教室にグウッと鳴る音一体誰だ
栃木県立小山西高等学校 3年
落合 彩里
体育祭何度ぬってもすぐ焼けるトイレに集まる白塗りの人
鴻巣市立赤見台中学校 3年
岡安 結月
帰り道雨に打たれた参考書そのパリパリは私の勲章
埼玉県立川越女子高等学校 1年
飯塚 菜々子
自由とは扱いきれぬものなりと大学の夏を持て余す姉
埼玉県立川越女子高等学校 1年
猪瀬 七夢
部活後にコンビニ寄ってアイス買うなにもないけど今日もいい日だ
埼玉県立越谷南高等学校 2年
朝倉 夢結
デジタル化書かなくなった黒板は今や映像映す下敷き
埼玉県立坂戸西高等学校 1年
井越 賀蓮
つぶやきを何度も消して投稿す本当の声はどこへ行くだろ
狭山市立入間野中学校 1年
田中 龍之介
声からし泥にまみれたユニフォームその一勝にすべてをかけた
富士見市立勝瀬中学校 2年
前田 晃誠
合奏の終わりの沈黙頬を打つ拍手の波が青春だった
武蔵野音楽大学附属高等学校 1年
菱川 優月
母さんも看護めざして教科書を娘の横で負けず音読
佐原准看護学校 1年
桑田 梨絵
敵陣の一字決まりを抜いたとき改めて思うかるたが好きと
芝浦工業大学柏中学校 2年
石田 まなみ
進路表迷って書いた未来地図消しゴムの跡だけが残った
千葉県立柏南高等学校 2年
三日月 仔瑛
女子高生朝の準備に命がけメイクという名の心の装備
千葉県立千葉商業高等学校 1年
小澤 るりか
ファミレスで音楽とともに届くごはん人が恋しい人工音声
千葉県立千葉商業高等学校 1年
田中 麗
スクリーン映る一人の人生は百十八分幕が閉じてく
千葉県立若松高等学校 1年
田中 日彩
宇宙人いるってうわさ本当かもしかして俺宇宙人かな
千葉商科大学付属高等学校 1年
田邉 琥宇
おさがりをとなりの家の子ペダル踏むあの自転車はまた喜びつくる
千葉大学教育学部附属中学校 2年
佐藤 華梛
コンビニでみんなと食べたメロンパン小さくなって再登場か
千葉大学教育学部附属中学校 2年
吉武 智花
原爆を語る声には力あり冷房の音が途切れて消える
東葛看護専門学校 1年
長瀬 青衣莉
患者からこぼれる言葉ひとつずつ心に響き生きるを思う
東葛看護専門学校 1年
中村 さくら
悲しみを忘れずつなぐ八十年味わってみるサクマドロップス
稲城市立稲城第三中学校 1年
佐藤 夢果
アスファルト熱を宿したローファーに届きはしない日傘の影よ
江戸川女子高等学校 1年
山本 果歩
「それいいね」男友達との会話盛り上がるのはコスメトレンド
開智日本橋学園高等学校 1年
杉山 穂栞
二倍速時は金なり唱えつつ気づけば動画に時を奪われ
開智日本橋学園高等学校 2年
菅 遼太郎
AIで作った文章暴き出すAIチェッカーいたちごっこ化
開智日本橋学園高等学校 2年
森 陽太郎
外し時わからぬままにマスクしてまだ半分を隠して歩く
開智日本橋学園中学校 3年
衣笠 殊寧
右の手でフローターサーブを打つときに少し痺れて冬が始まる
北区立都の北学園 8年
山崎 ゆず
戦いを終えたコートに残されたシャトルにはまだ熱残ってる
北区立都の北学園 8年
若林 昊輝
溶けかけのナメクジかよと独りごつ終わらぬ課題迫る締め切り
桜丘高等学校 1年
小雲 柚香
ふつうってなんか楽だと思い出しすこし息吐く自販機の前
十文字中学校 2年
西山 結惟
ネットから情報仕入れる私達習字のために使う新聞
女子学院中学校 1年
室田 陽奈子
さりげなくラッキーカラー身に纏い少しの魔法そっと信じて
東京都立小川高等学校 2年
井草 璃音
最終日山積みの課題現れる背すじの凍る夏の怪談
東京都立新宿高等学校 2年
金子 芽生
バレまいとゴーグル越しに君を追う心ばかりが先を泳いだ
東京都立新宿高等学校 2年
関口 遥
乾かない洗濯物に憂鬱を重ねて今日も雨音を聞く
東京都立中野工科高等学校 2年
齋藤 輝
誰もいぬ午後のラボには顕微鏡細胞ばかりが生きてひかって
東京理科大学 4年
加藤 大将
教科書の孤高の詩人ダメ男少し嬉しい十四の心
中野区立北中野中学校 2年
大石 理子
固唾飲み体験先に電話するAI対応緊張返せ
中野区立北中野中学校 2年
田口 佳怜
プリクラを机に忘れ父が見た眉間にしわ寄せお前はどれだ
練馬区立石神井東中学校 2年
青木 璃音
ニュースより母のうなずき気になって言葉の意味をあとで調べる
文教大学付属中学校 2年
足立 慧
自転車のヘルメットだけ新品で安全意識中古のままだ
早稲田大学高等学院 3年
北 悠希
単語帳朝のホームで取るふせん少しずつへる色の鍵盤
鎌倉女学院高等学校 3年
谷口 詩苑
旅初日スマホ落として気が付いた車窓から見る海の青さに
慶應義塾普通部 2年
櫻井 翼
ただ長い説教聞きつつふと思うハシビロコウになれたらいいと
慶應義塾普通部 3年
鈴木 陽大
目を細め弓引き絞り的を射た矢の音一つ鳴り響く夏
相模原市立旭中学校 2年
塚本 雪花
盆休み仏間に並ぶ顔写真自分のルーツまじまじと見る
中央大学附属横浜高等学校 1年
安井 琴和
見つめ合い息することを忘れても静かに落ちる線香花火
中央大学附属横浜高等学校 2年
増井 寧
父さんが作る最後の弁当のブロッコリーもいとしくなる春
東京学館新潟高等学校 1年
谷口 奏音
「綺麗だよ」遠い電話の君の声黎明の空共に見ている
東京学館新潟高等学校 3年
今井 美空
親心わかってほしいと言われても逆にわかるの?私の心
新潟県立高田北城高等学校 3年
髙橋 杏
高々と空に独立宣言す育果紙(いくかし)のない葡萄ひと房
伊那西高等学校 2年
城倉 栞奈
推しグッズ買うのためらう母の背をポンと押すのは先駆者私
川辺町立川辺中学校 3年
神農 はな
面打てど揚がらぬ旗に苦戦する竹刀持つ手のしびれ忘れて
浜松日体中学校 2年
木瀬 綾乃
花火より君に爆発してほしいドーンて派手に好きとか言って
光ヶ丘女子高等学校 2年
太田 優衣
「ソンミ村」「コソボ紛争」「支那事変」机上で今も散りゆく火花
三重県立川越高等学校 3年
有村 彪夏
驚いた友達のスマホ見てみたらAIにしてた恋愛相談
京都市立紫野高等学校 1年
井場 琴音
不思議だね君と食べてたハンバーガーどんな料理も敵いっこない
ノートルダム女学院中学校 2年
河崎 花
夏祭り金魚すくいで目が合ったおいそこの金魚(やつ)今日から家族だ
大阪市立天下茶屋中学校 2年
髙田 優斗
また聞こえる近所のおじさん叫ぶ声試合見ず知る阪神の勝ち
大阪女学院高等学校 3年
岡村 未来
消しゴムの角をなくして気づくのは青春だって使い切るもの
大阪府立登美丘高等学校 2年
宮路 早弥
嫌われて今愛されるミャクミャクの隠れた努力沁みる十月
関西大学第一中学校 1年
葉山 結衣香
待ち時間君はスマホと話してる私は君と話したいのに
四天王寺東中学校 1年
伊東 朱莉
お店にて最近増えたセルフレジシャイな僕にはとても助かる
明浄学院高等学校 1年
桺川 生音律
朝が来て静けさ戻る地下街に早くも見える働く者たち
甲陽学院高等学校 1年
髙野 光一郎
十段の跳び箱ぎゅんと跳ぶようにきみに好きだと伝えたくなる
同志社大学 2年
青木 日向子
ため息を机に置いて立ち上がる次こそきっと笑顔になるぞ
姫路市立東光中学校 3年
鬼塚 洸太朗
夏休み海だ川だと浮かれてたあいつは補習の海に溺れた
田辺市立東陽中学校 2年
嶋中 来夢
増加する年内入試の発表はサクラサクよりコスモスガサク
鳥取県立米子東高等学校 3年
松永 幸大
「わたあめよ」「からあげみたい」にしき雲歩いて帰る「おなかすいたね」
広島県立安芸府中高等学校 2年
郷原 月華
日焼けした背中の皮はめくれるがめくれないのは課題のページ
広島県立安芸府中高等学校 3年
山内 颯心
ホームラン部活の疲れもかっとばす空いっぱいのマジックアワー
福山市立城北中学校 2年
唐木 音葉
ネッ友に初めて会ってあらまさか貴女はもしやお姉ちゃんでは
阿南工業高等専門学校 1年
太田 泰誠
春の駅誰も待たない改札で母に似ている声を探した
阿南工業高等専門学校 5年
久田 宙来
ひらひらと破れたポイをすりぬけて躍る尾びれに泡のためいき
筑紫台高等学校 2年
周 綺妤
イヤフォンの片耳ずつで聴くメロディ世界の真ん中僕らがいた
福岡大学附属大濠高等学校 2年
中村 泰雅
「いいね」より本音で笑う君が好き画面の中じゃわからないから
長崎女子高等学校 3年
栗野 虹色
教室に国も言葉もさまざまでそれでも同じ未来を語る
長崎女子高等学校 3年
福島 さくら
既読にはハートの絵文字押す君と友達のままこの恋つづけ
宮崎第一高等学校 2年
大重 雛沙
ヘリの音手を振ってみる見えたのは迷彩柄の父な気がした
琉球大学教育学部附属中学校 2年
前田 美香
アメリカですするカップ麺ほっとして日本の味に胸あたたまる
慶應義塾ニューヨーク学院(高等部) 10年
牧山 暖
出かけるぞ小川をこえてぼうけんに多様な僕を見つけに行くよ
ワシントン日本語学校中学部 1年
ロビンソン 慧
座布団と枕クッション同じこと違わないのさイタリア語では
トスカーナ日本人会フィレンツェ日本語補習授業校 3年
清水 レオ武
【小学生の部】
おなかすき集中できない4時間目3時間目もたまにそうなる
市川市立大洲小学校 3年
竹中 讓
夏終わり油断をしたが暑いまままだまだ続く宿題みたい
渋谷区立幡代小学校 5年
外所 周
通学路毎日通る道なのにどこか変わるよまちがいさがし
東京学芸大学附属世田谷小学校 4年
𠮷田 向春
きゅうしょくでさくっとかじればふわりまう空も食べたいきなこトースト
厚木市立清水小学校 2年
田村 美織
亡くなった市民の想いこめられた夜空に輝く復興の花
長岡市立越路小学校 6年
大橋 愛花
顔変える田んぼを通る帰り道風がふいてはいねの合唱
京都市立西野小学校 6年
景井 唯衣
同点でつなげたボール受けとめてダッシュでトライキャプテンの意地
堺市立東百舌鳥小学校 6年
田代 慶太
万博の大屋根リングのぼったらきれいにみえた夕焼けの海
堺市立東百舌鳥小学校 6年
冨川 拓馬
もうすぐだ運動会が待ちきれないはだしでおどる南中ソーラン
豊中市立南丘小学校 5年
巣之内 蓮人
東屋で夕の校舎と夕の日をながめて聞いたどんぐり落ちた
ワシントン日本語学校小学部 6年
北田 恭子
【日本語学校・海外協定校で学ぶ学生の優秀作品】
朝起きて太陽を見たまぶしさに今日も始まる夢追うバイト
双葉外語学校 2年
グエン ティ ゴック アィン
朝焼けの電車に揺られ目を閉じるセミの声まだ耳に残って
シーナカリンウィロート大学 3年
タッサオーン ラオハメイティー