応募総数49,475首の中から選ばれた入選作品をここに発表します。たくさんのご応募ありがとうございました。
学校全体で「現代学生百人一首」に取り組まれ、多数の優れた応募作品がある学校に贈呈します「学校特別賞」は下記の4校に決定いたしました。
・青森県 光星学院高校
・千葉県 県立佐原高校
・東京都 明星高校
・山口県 県立岩国高校
▼入選作品(作品は都道府県別に北から並んでいます。学校名・学年・作者は発表時の情報です。)
四十頭の牛に声かけひと握りのカルシウムの粒を飼料に混ぜる
北海道 稚内市立豊別中学校 1年
勝部 巧
牛舎行き凍った干草切る僕を若牛達が待って振り向く
北海道 抜海中学校 1年
尾森 真貴
次の次打つ順番が近付いて”打てますように”とバットをにぎる
北海道 西当別中学校 2年
俵谷 摩耶
あなたのとおそろいの本読んでいる気づいてほしい薄めのカバー
北海道 東部中学校 2年
板室 怜美
少年を「キレる」「キレぬ」と分類し分かったつもりの教育論争
北海道 函館ラ・サール高等学校 1年
竹林 直人
天秤に不幸と幸せ掛けてみる支点をどこに定めるべきか
北海道 苫小牧工業高等専門学校 2年
石井 絵里子
背番号もらえず野球やめようと迷う気持ちに自分は勝った
青森県 光星学院高等学校 3年
泉 孝雄
「馬鹿野郎!」父に初めて殴られた初めて殴った父は泣いてた
青森県 県立むつ工業高等学校 3年
白濱 大地
どうしようそう思うとき読み返す父が遺した短い手紙
岩手県 江釣子中学校 2年
伊藤 佳
お手玉で祖母と遊んだ思い出が福祉に向けた夢の原点
岩手県 盛岡女子高等学校 1年
武田 佐和子
数学の台風十号通過中ノートは記号と数字の嵐
福島県 県立安達高等学校 1年
安斎 礼子
たまに出る受話器の向こう父親の少ない言葉が心にしみる
福島県 聖光学院高等学校 3年
茶屋 直幸
旅に出た母の代わりの水やりで今日も咲いたよ風船かずら
茨城県 東洋大学附属牛久高等学校 3年
秋山 祐賀子
なすの牛きゅうりの馬にまたがってやって来るぞ御先祖さまが
茨城県 東洋大学附属牛久高等学校 3年
大内 紘子
手に付いた松やに残して学校へノートに広がる仕事の匂い
茨城県 県立水海道第一高校 定時制 4年
雨谷 弘昭
留守電に故郷の母のメッセージ短いけれど心やすまる
茨城県 県立水海道第一高校 定時制 4年
吉田 夏彦
何回もせきこむほどに吸いこんだふるさとのにおいさあ旅立とう
群馬県 宮郷中学校 3年
児島 豊
緊張し試合に負けて泣いた夜翌朝一人テニスコートへ
埼玉県 県立小川高等学校 2年
岩田 永遠
父はもうこの世にいないと知っててもつながる気がする携帯電話
埼玉県 県立川越南高等学校 1年
青田 美保
滑らかにけんばんの上を走る指夢が少し近づいてきた
埼玉県 県立坂戸高等学校 1年
安藤 絵美
溶接で火花ちらして熱すぎて流れるあせが手元くるわす
埼玉県 県立玉川工業高等学校 1年
江越 正和
電卓をひたすらたたき目指すのは計算技術検定一級
埼玉県 県立玉川工業高校 1年
落合 大輔
携帯はなくてもいいよ貴方待つこんな時間も大好きだから
埼玉県 県立深谷第一高等学校 3年
髙田 絵美
サヨナラはさみしくなるから言えなくてあなたと交わす「じゃぁネ」と「じゃぁナ」
埼玉県 県立深谷第一高等学校 3年
田村 美幸
一瞬ですべてが消える原爆の怖さを語る溶けたロザリオ
埼玉県 県立寄居高等学校 2年
矢島 美代子
会えなくて募る思いは増していく君の笑顔は僕のスタミナ
埼玉県 県立寄居高等学校 3年
寺尾 裕之
内定式飲めや歌えと言われても頭の隅で気になる株価
埼玉県 東京工業大学大学院 2年
金子 宇内
スーパーの缶のジュースが逆立ちし健康ですと叫び続ける
千葉県 県立佐原高等学校 3年
岡澤 律和
直接はみつめられない歯がゆさにガラスに映るあなたを独占
千葉県 県立佐原高等学校 3年
佐藤 由季
高一で父の背たけは越えたけどまだかなわない背中の広さ
千葉県 県立佐原高等学校 3年
菅谷 和弘
優しさも色んなかたちがあるんだと気づきはじめた十八の秋
千葉県 県立佐原高等学校 3年
野口 奈緒美
電線が楽譜の様に並んでる雀の音譜空に響けよ
千葉県 県立佐原高等学校 1年
山崎 怜
テスト終え返されてきた答案と一緒に見直す今の自分を
千葉県 和洋国府台女子中学校 3年
引間 友美
「先輩」と初めて呼ばれた聖歌隊しゃんと背中をのばして歌う
東京都 恵泉女学園中学校 2年
熊谷 典子
父のくつみがいていると気が付いたかかとと底の皮のすりきれ
東京都 恵泉女学園中学校 2年
西谷 愛弓
いい人と軽く言われる人よりも芯の通った人になりたい
東京都 京北中学校 2年
飯島 惣
hideの死で死というものを漠然と歌を聞きつつ考えてみる
東京都 京北中学校 3年
加納 聡
生きてるの?電源入れるとそう思うコンピュータだけど私の友達
東京都 頌栄女子学院中学校 3年
高多 佐知
モルジブの緑の海と青い空自然の意味を考えた夏
東京都 暁星中学校 1年
生島 翔
太陽だって一日一回沈むんだあなたの言葉私をはげます
東京都 上野学園高等学校 1年
青柳 香代子
新時代友達さがしは部屋の中顔も知らずにメール交換
東京都 京華商業高等学校 3年
山口 竜大
学校へ行くのがこわいと泣く友にかける言葉がみつからなくて
東京都 都立小平南高等学校 3年
横山 えり子
名前・年・住所・学年・誕生日まだ知らないのはあなたの気持ち
東京都 桜丘女子高等学校 2年
菅原 祥子
「缶コーヒー飲んだら帰ろう」そう言って私に渡す制限時間
東京都 東京農業大学第一高等学校 3年
岩崎 志穂
トマトとかスイカのようなあまみありセロリのにがみあわせもつ人
東京都 東京農業大学第一高等学校 3年
北嶋 慎輔
母の日に初めて買ったカーネーション母のいぬまにそっとおいとく
東京都 東京農業大学第一高等学校 1年
遠山 孝幸
自由すら与えてくれぬと嘆くより今を生き抜く強さが欲しい
東京都 都立八丈高等学校 2年
浅沼 正人
赤が好きあなたが言った一言でタンスの中が真っ赤に染まる
東京都 文化女子大学附属杉並高等学校 2年
前野 惟
父親と初めて行った甲子園素直になれて話がはずむ
東京都 明星高等学校 1年
大高 陽介
バイトしてやめたすぐあと倒産す身近で感じた経済不況
東京都 明星高等学校 3年
白井 大輔
色々と地球狂わすエルニーニョ梅雨もあけずにひぐらしが鳴く
東京都 明星高等学校 1年
西川 将広
実習の朝のはじまりおはようを笑顔でかえす失語の患者
東京都 新宿区医師会立看護高等専修学校 2年
佐藤 くみ子
少しでも私の命わけたくてドナーカードに思いをたくす
神奈川県 神奈川大学附属中学校 1年
青山 奈生子
「大きらい」口にするたび思い知る私の中のあなたの存在
神奈川県 神奈川大学附属高等学校 2年
下湯 美和
あせってもどうせゴールが違うならいろんな歩幅あってもいいね
神奈川県 横浜山手女子高等学校 3年
沼口 紘子
「おやすみ」と勇気を出して彼女見て手話で伝えた忘れない夏
富山県 富山ろう学校中等部 3年
大井川 広志
霜月の風が味方をしてくれて手と手をつなげた学校帰り
長野県 上田西高等学校 2年
中沢 由佳理
もらえたの?月9を見ながら声かける明日また行くわと集金の母
静岡県 韮山中学校 3年
太田 敬子
黄金色の稲がみんなでファッションショーグランプリは夕日がえらぶ
愛知県 安城西中学校 1年
瀬戸 郁江
ウォークマン電池がきれた帰り道けっこういかす虫の鳴き声
愛知県 県立新城東高等学校 1年
滝川 育男
祖母の墓毎朝たずねる祖父一人夫婦の会話は永遠に続く
愛知県 光ヶ丘女子高等学校 2年
加藤 志野
伝えたい素直な気持ち今すぐにポケベルでなく手紙を書こう
愛知県 光ヶ丘女子高等学校 2年
本多 杏子
名物がどこでも買えるこの頃は旅の情緒もキオスクで買う
滋賀県 司学館松下高等学校 2年
本郷 裕一朗
卒業のカウントダウン始まって見慣れた廊下も踏みしめ歩く
奈良県 県立添上高等学校 3年
仁木 友子
冷めたやつもここではみんな熱くなるロックバンドのはじけたライブ
京都府 下鴨中学校 3年
熊谷 大輔
この空を一体誰が見上げてる?みんなはきっと忙しすぎる
京都府 暁星女子高等学校 2年
松田 美佳
マンションの建築現場を過ぎる時汗のにおいに父を思う
京都府 南京都高等学校 2年
田中 豪
たのしみは古典の授業恋の歌時代を越えてわかり合うとき
大阪府 岸和田市立産業高等学校 2年
茨木 真沙美
メモ帳に願いをたくさん書いておく獅子座流星群に備えて
大阪府 大阪ビジネスカレッジ専門学校 2年
隅野 竜児
Eメール早くて便利なんだけどたまに恋しいあなたの筆跡
大阪府 関西大学 4年
新井 美華
ガラガラの電車の中にキミがいる僕のハートはキミで満員
兵庫県 赤塚山高等学校 2年
北河 潤一
友達はガラスのように割れやすいそんなガラスを大事にしたい
兵庫県 県立香寺高等学校 1年
中川 美紀
今は亡き父に似てると親戚に言われて鏡を見ている自分
兵庫県 県立神戸工業高等学校 1年
竹村 直也
勝手やわあんたはいつも勝手やわせやけど嫌になれんのなんで
兵庫県 姫路市立琴丘高等学校 2年
橋本 安菜
傘立てにブルーの傘の残りいてあなたがさがしに来るのを待つの
兵庫県 県立佐用高等学校 2年
井上 亮子
大不況働く父を見ていると行くと言えない海外研修
兵庫県 県立姫路飾西高等学校 1年
野田 晶子
クッキーの型抜きみたい学校はみんな同じの「イロ」と「カタチ」で
兵庫県 葺合高等学校 3年
上田 希
ポケベルが知らせるジャンプの金メダル休み時間の教室が沸く
兵庫県 県立社高等学校 2年
田村 寛光
スペースで宙返りする向井さんこれぞ平成の天女の舞いか
兵庫県 大道学園予備校
蔭山 泰史
大好きな言葉は何と聞かれたら迷わず返す「定時制高校」
岡山県 県立岡山工業高等学校 定時制 4年
磯 政江
髪を切り幼すぎると嘆く君「似合っているよ」と言ってあげたい
島根県 県立益田工業高等学校 1年
三浦 隆浩
冬の夜祖母に内緒で屋根の上そこにいるのは宇宙のひとりご
広島県 県立黒瀬高等学校 2年
荒谷 友絵
友達に背中押されて息を飲み想いを告げる冬の放課後
広島県 県立向原高等学校 3年
藤田 里恵
閉じた目にまぶしい朝がはいりこむきょうは母から命うけた日
広島県 安田女子高等学校 1年
大田 桃子
秋空に響くみんなの歌声は窓から流れる五線譜の帯
山口県 川中中学校 2年
藤井 景子
秋晴れの冷たい空に弧を描く飛行機雲の消えるまで見る
山口県 県立岩国高等学校 1年
岡崎 健一郎
人生はかけ算みたいなものだからあたしがゼロじゃはじまらない
山口県 県立岩国高等学校 1年
恩村 未央
気がつけば近所の山が一つ消え地球の傷がまた増えてゆく
山口県 県立岩国高等学校 1年
宮畠 亜由美
指揮棒が振り降ろされた一瞬にマウスピースに命吹き込む
山口県 下関第一高等学校 2年
岡野 和幸
なにげない友のことばにはげまされ今の僕がここにいるんだ
山口県 県立徳山高等学校 2年
渡辺 正行
新聞の暗いニュースが僕たちの進路選択迷わせてゆく
愛媛県 県立今治西高等学校 1年
大谷 祐輔
夕暮れのベンチにもたれ二人きり携帯電話の電源を切る
高知県 県立中村高等学校 2年
浦田 涼子
クラス写真君との距離が遠いので写真を折って近づけてみる
福岡県 九州女子高等学校 1年
三宮 ゆり
いちめんに広がる稲の黄金色宇宙からでも見えるのかしら
福岡県 福岡雙葉高等学校 2年
河野 祥子
真夜中にぶきみに笑う僕がいる年号のゴロおもしろすぎて
福岡県 県立嘉穂高等学校 3年
平田 英彦
ユニフォーム真っ黒なのに洗うとき何故か母さん微笑がこぼれる
大分県 県立臼杵商業高等学校 2年
相澤 宏充
商品券政府は配るというけれど何がつまっているのその一枚に
宮崎県 県立宮崎大宮高等学校 2年
石三 奈津子
あの日からひとりになった祖母の手に今も輝く銀のリング
宮崎県 県立宮崎大宮高等学校 2年
日髙 奈美
一生を決めるみたいな事言うが就職だけで決まってたまるか
熊本県 八代工業高等専門学校 4年
高島 綾乃
情報の入り乱れているこの時代自分なしでは人の意のまま
鹿児島県 県立鶴丸高等学校 2年
畠 加代子