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ソーシャルスキル

コグトレと道徳

コグトレとは

 コグトレは、子どもたちに生きるための底力を付ける支援プログラムとして開発されました。

 コグトレとは認知○○トレーニング(Cognitive ○○ Training)の略称であり(○○には順に、「ソーシャル」「機能強化」「作業」が入ります)、

①社会面:認知ソーシャルトレーニング(Cognitive Social Training: COGST)、

②学習面:認知機能強化トレーニング(Cognitive Enhancement Training : COGET)、

③身体面:認知作業トレーニング(Cognitive Occupational Training : COGOT)

の三方からなる包括的支援プログラムです。

 現在、学校現場において、子どもたちへの早期支援として幅広く使用されています。

 このうち社会面の支援である認知ソーシャルトレーニング(COGST)をご紹介します。COGSTは以下の四つのトレーニングから構成されます。

宮口幸治

立命館大学教授/

一般社団法人日本COG-TR学会代表理事


①社会面:認知ソーシャルトレーニング(Cognitive Social Training: COGST)の紹介

アンコンシャスバイアス

アンコンシャスバイアスとは

 アンコンシャスバイアスとは、「無意識のうちに“こうだ”と思う」ことで、日常にあふれていて、誰にでもあるものです。日本語では、「無意識の思い込み」と表現しています。

 無意識であるがゆえに、完全になくすことはできないものの、「アンコンシャスバイアスに気づこう」と意識することで、ものの見方が変わったり、捉え方が変わったり、他の可能性を信じてみようと思えたり、一歩踏み出してみようという勇気が持てたりするなど、さまざまな変化が訪れます。

 2021年3月、「子どもたちにアンコンシャスバイアスを届けていただけませんか?」と、札幌市立の小学校の先生からいただいたご依頼により、小学校5・6 年生にオンラインでの「アンコンシャスバイアスについての出前授業」を行いました。これがきっかけとなり、これまで30校を超える小・中学校にアンコンシャスバイアスの授業を届けてきました。

 周囲の人(友達、家族、保護者、先生など)に対するアンコンシャスバイアスだけでなく、自分自身に対するアンコンシャスバイアスに気づくことは、自分の可能性を広げるきっかけとなることを実感しています。

 授業の実践例をご紹介するとともに、アンコンシャスバイアスを子どもたちに届けるための授業実践のワークシート例や、ポイントをお伝えしたいと思います。

...アンコンシャスバイアスとは何か。続きはコチラから!

守屋智敬

一般社団法人

アンコンシャスバイアス研究所

代表理事

アンガーマネジメント

アンガーマネジメントとは

 「アンガーマネジメントをすれば怒らなくなりますか?」と聞かれることがあります。また、「怒らない人になりたいです。」という声もとても多いのですが、アンガーマネジメントは怒らないことではありません。怒って後悔したり、怒れなくて後悔したりすることがないように、「怒る必要のあることには上手に怒り、怒る必要のないことには怒らないようになること。」の線引きができるようになることを目指します。つまり、怒らないことではなく、「怒ると決めたことには上手に怒る。」ことができるように練習していきます。

 アンガーマネジメントは、練習すれば誰もが習得することができる心理トレーニングです。楽器やスポーツなどを繰り返し練習すればできるようになるのと同じように、アンガーマネジメントもトレーニングを重ねることで上達します。特別な才能や能力は必要ありません。楽器やスポーツの練習と同じように、うまくいくときもあれば、いかないときもありますが、継続して取り組むことが大事です。子どもや、自分は怒りっぽいと感じている人、また、怒りたいのにうまく怒れなくて我慢してしまうという人も、トレーニングをすれば誰でもできるようになります。

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小尻美奈・杉本美紀・林祐利江・本多優子

一般社団法人

日本アンガーマネジメント協会認定

アンガーマネジメントコンサルタント®

怒りの正体とは

怒りは幅のある感情

怒りには「欲求」がある

怒りの大きさは、他の気持ちが影響する

怒りを適切に表現する

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リフレーミング

リフレーミングとは

 物事を違った角度で捉え直してみることで、それが全く違ったように見えてくることを意味しています。

 例えば、目の前に「円すい」があるとしましょう。それを上から眺めると「円」に見えますね。しかし、横から眺めると「三角形」に近い形に見えると思います。このように、同じ物体でも、違った角度から見ることで、それまでとは全く異なるものの見え方をすることがあります。

 私たちの日常生活でも、こうしたことはしばしばあります。例えば、あるジュースを飲んで、半分がなくなったとしましょう。このとき、ある人は「もう半分も飲んでしまった。半分しか残っていないんだ。」と思います。一方、別の人は「まだまだ、半分ある。」と思います。この両者では、後者のほうがより幸せな気分になれるのです。

 これを自己や他者との関わりに応用するのが、心理教育的な実践活動としての「リフレーミング」です。

 自分や他者が「自分では欠点だと思っていたところ」「短所だと思っていたところ」(例:優柔不断さ)を、角度を変えて見ることで、「長所」(例:慎重な判断力)に見えてくる、という実践です。

 「見方を変えれば、短所は長所に変わる。」ということを体験的に学んでいく活動です。これまで、構成的グループエンカウンターのエクササイズ(体験学習のワーク)としてしばしば行われてきました。

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諸富祥彦

明治大学教授

※國分康孝監修『エンカウンターで学級が変わる Part3 中学校編』(図書文化社)より一部抜粋。全ての内容は同書にてご参照ください。書籍紹介はこちらをご覧ください。