TOP中学校ソーシャルスキルB 対人マナートレーニング

対人マナートレーニング

 子どもの支援者にとって、子どものコミュニケーション力を向上させることは大きな目標の一つです。コミュニケーション力はいくつかの基本的なスキルから構成されています。その一つが、対人マナー力です。例えば、さまざまな挨拶(朝の挨拶や別れの挨拶など)、お礼などの感謝、謝罪、人にものを頼む・断る際のスキルなどが考えられます。これらは掛ける言葉の内容以外にも、適切な“声の大きさ”、“視線の向き”、“距離感”、“タイミング”などのスキルが必要になります。これらのトレーニングを通してコミュニケーション力の向上につなげます。

 トレーニングは大きく二つからなります。

①自分の特性を知る

過去・未来の自分と手紙交換

 未来(数か月後)の自分に向けて手紙を書き、数か月たってからその手紙を読んで、過去の自分をどう感じたか、過去の自分にアドバイスすることはないか、考えてもらいます。そしてその時点でさらに未来の自分に対して手紙を書きます。これを学期ごとに繰り返していきます。

 ポイント 

 学期ごとに繰り返していきます。過去の自分に対して恥ずかしさを感じ、次の将来の自分に対しては等身大の手紙を書くことができれば、ここの目的は達成です。

学期の初め

学期終わりの自分宛てに、目標を書いて送る。

学期の終わり

学期初めに立てた目標の評価と理由、感想、学期初めの自分宛てに、手紙を書いて送る

人生山あり谷ありマップ

 自分にとって何がつらい体験だったか、現在はそれに対してどう感じているかなどを考えることで、自分を見つめ直していきます。各学期の終わりに、4月からの生活を振り返って、人生山あり谷ありマップを書いていきます。

 ポイント 

 マップは学期ごとに回収しましょう。時間軸の最初は常に1 学期の初めと固定することで、学期を経るごとに時間軸は伸びていきます。しかし自分にとってつらかった体験が、必ずしもいつも同じとは限りません。もっとつらい体験があると、以前のつらかった体験が相対的に軽くなるはずです。つらかった体験も、時間がたてば意味が変わってくることを体験できれば成功です。また、このマップを通して、子どもが何につらさを感じているかを知ることができます。

縦軸   横軸(時間)

上方:よかったこと 左:学期の初め

下方:悪かったこと 右:学期の終わり

②人との接し方を学ぶ

人にものを頼もう

 日常生活を送るうえで、困ったときに人にものを頼むことは欠かせません。人に何かしてほしいとき、頼み方次第でうまくいくこともあれば、うまくいかないときもあります。ではどうすればよいのかを、対人マナーの観点から考えていきます。

 ポイント 

 自分が人から頼まれたと想定して、どのような場合なら応じてもよいか、応じたくないかを考えることで、逆に自分が頼む場合の参考にしてもらいます。

うまく謝ろう、うまく断ろう

 人と接する際に最低限身に付けておきたいことに、謝罪するスキル、断るスキルがあります。謝罪したり断ったりする際に正直に言うと(例:急に遊びたくなくなった)、逆にうまくいかないこともあり、言い方次第ではトラブルになることもあります。謝罪や断った後にも良好な関係を続けるためには、相手をいかに思いやり、傷つけずに伝えるかが大切です。

 ポイント 

 自分ならどのような謝罪や断り方をされると嫌な気持ちになるかを考えてもらい、さらに、そうならない謝罪・断り方を考えてもらうことで、うまい謝り方、断り方を学んでいきます。時間があればこれらのやりとりをロールプレイしてみましょう。

うまく謝ろう

うまく断ろう