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段階式問題解決トレーニング

 何かの問題が生じたとき、通常、対処すべきいくつかの解決策を考え、次にその中からどの解決策が最もうまくいくかを考え、選択し、実行します。そしてその結果をみて成功したならそのまま続けますし、失敗すれば違う解決策を選び直します。フィードバックを含めたこの一連の流れが問題解決トレーニングの手順です。ここで、もし思考が固く柔軟でない場合は解決策が少ししか出てきません。少ししか出てこないと最適な選択肢かどうか分かりませんし、過去に失敗していても何度も同じ間違いを繰り返してしまうのです。ここでは段階的に、より柔軟な解決策を出しながら、うまく問題解決ができる力を養っていきます。以下の三つの段階からなります。

①何があったか考えよう

 この段階では問題の結末を最初から定めてあります。ワークシートに困った場面を含んだ短い物語があります。話は途中で途切れ、時間が経過すると問題が解決しています。いったい何が起きてどう解決されたのかを考えることで、負担なく問題解決の力を付けていきます。

 ポイント 

 より現実的な問題解決法の目安として、解決策、時間(時間の経過が考慮されている)、障害(すぐにはうまくいかないことも考慮されている)の三つがまんべんなく含まれることとされます。したがって、どんな方法を使うか以外に、どのくらい時間がかかるか、解決までにどんな障害があるかなども考える必要があります。

②次からどうする?

 この段階では問題解決への目標を決める練習をします。解決する目標が不適切であれば、解決策を考えてもあまり意味がないからです(例:「友達とは仲良くしない」という目標を決めてしまうなど)。そこでその目標のメリット、デメリットの観点で考えていくことで、より適切な目標を選べる力を養います。

 ポイント 

 目標の選定にあたっては、あえて大人の価値観を押し付けないようにしましょう。思考の柔軟さがなくなるからです。あくまで決めるのは子ども自身です。その目標を選んだときにどんな結果になるかを予想させることで、子どもに気づきを与えます。

③あなたならどうする?

 最終段階です。「何があったか考えよう」のワークシートで、問題が解決していない場面を設定したシートを用います。まず目標を決め、それからどう解決していけばいいかを考えてもらいます。「友達がいじめに遭っているのを見た場面」などをイラストで提示し、みんなで考えていきます。