柳 美里(ゆう・みり、유미리・류미리、Yu Miri、1968年6月22日 - )は、
茨城県土浦市生まれ、神奈川県横浜市育ちの劇作家、小説家。
現在、福島県南相馬市小高区在住。
■ ■ 短い略歴 ■■
柳美里(劇作家・小説家)
1968年、茨城県土浦市生まれ。高校中退後、東由多加率いるミュージカル劇団「東京キッドブラザース」に入団。俳優を経て、87年に演劇ユニット「青春五月党」を結成。93年『魚の祭』で岸田國士戯曲賞を最年少受賞。97年『家族シネマ』で芥川賞を受賞。2018年、福島県南相馬市小高区の自宅を改装し、ブックカフェ「フルハウス」をオープン。同年「青春五月党」を復活させる。2020年『Tokyo Ueno Station(JR上野駅公園口)』で全米図書賞(翻訳文学部門)を受賞。2022年、第5回バークレー日本賞を受賞。
■■ 略年譜 ■■
1968年 6月22日「夏至の早朝」に、茨城県土浦市で生まれる。生後まもなく、神奈川県横浜市へ転居。
1986年 1月、東京キッドブラザース第9期研究生の卒業公演「ウィンターナイトドリーム」に出演。8月、「BILLY ビリィ BOY!」に出演。
1987年 18歳で演劇ユニット「青春五月党」を結成。
1988年 4月、「水の中の友へ」を旗揚げ公演。
1989年 7月、第3戯曲「石に泳ぐ魚」を上演。
1993年 「魚の祭」で、第37回岸田國士戯曲賞を最年少で受賞(24歳)。
1994年 初の小説「石に泳ぐ魚」を、『新潮』に発表。戯曲「Green Bench」で第7回三島由紀夫賞候補。
1996年 『フルハウス』で、第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。
1997年 「家族シネマ」で、第116回芥川龍之介賞を受賞。「サイン会中止事件」が発生。
1998年 映画『家族シネマ』が公開。
1999年 『ゴールドラッシュ』で、第3回木山捷平文学賞を受賞。
2001年 『命』で、第7回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞作品賞を受賞。テレビドラマ『ルージュ』が放送。映画『女学生の友』が公開。小学館「スピリッツ・ミレニアム大賞」選考委員を務める。東京から鎌倉へ転居。
2002年 映画『命』が公開。朝日新聞と東亜日報の日韓同時連載「8月の果て」を開始。「新潮ドキュメント賞」選考委員を務める。
2003年 奥田美和子の作詞を担当。季刊誌『en-taxi』を編集同人として創刊。
2005年 テレビドラマ『雨と夢のあとに』が放送。
2008年 朝鮮民主主義人民共和国を初訪問(その後2回の訪問を経て、ノンフィクション『ピョンヤンの夏休み』を上梓)。
2010年 『ファミリー・シークレット』で第32回講談社ノンフィクション賞候補。
2012年 3月16日より臨時災害放送局「南相馬ひばりエフエム」にて『柳美里のふたりとひとり』開始。
2015年 4月6日、鎌倉から南相馬市原町区へ転居。『福島民報』にエッセイ「南相馬にて」を連載。
2016年 福島県立小高工業高校と福島県立小高商業高校において特別授業の講義をもつ(全21回)。
2017年 福島県立小高産業技術高等学校の校歌を作詞。7月2日、南相馬市原町区から小高区へ転居。
2018年 4月9日、本屋「フルハウス」開店。9月、青春五月党復活公演「静物画」。10月、「町の形見」を上演。
2019年 10月、青春五月党「ある晴れた日に」上演。
2019年 『JR上野駅公園口』の英訳版『Tokyo Ueno Station』が英Guardian紙「Best books of 2019 so far」に選出。
2020年 3月20日、ブックカフェ「フルハウス」としてリニューアルオープン。
2020年 『JR上野駅公園口』の米訳版『Tokyo Uesno Station』が全米図書賞(翻訳文学部門)を受賞。
2020年 『Tokyo Uesno Station』がニューヨーク・タイムズ紙「The Best Book Covers of 2020」、ウォール・ストリート・ジャーナル紙「Favorite Books of 2020」、ニューヨーク・タイムズが選ぶ今年の100冊(2020)、TIME誌が選ぶ今年の100冊(2020)に選出。
2022年 第5回バークレー日本賞を受賞。
2023年 8月、青春五月党「JR常磐線上り列車 -マスク-」をRainTheatreにて上演。
2023年 『8月の果て』の米訳版『The End of August』が全米批評家協会賞「Barrios Book in Translation Prize(翻訳部門)」ロングリストに選出。
2024年 『8月の果て』の英訳版『The End of August』が Republic of Consciousness Prize 最終候補に選出。
2024年 『8月の果て』の米訳版『The End of August』が全米翻訳賞散文部門の最終候補に選出。
■■ 人物 ■■
・セゾン文化財団の助成申請をした時は、「青春五月党」を旗揚げしたばかりで実績がなかった。そこで、「活動の要旨」の欄にはひとこと、「言葉による芝居の復権を目指して、あくまで言葉の力を追求しようとしています」とだけ書いた。(片山正夫『セゾン文化財団の挑戦 誕生から堤清二の死まで』書籍工房早山、2016年2月)
・インタビューは、録音した声を文字に起こしても、読みものにはならない。読者は、それを聞くのではなく、読むのだから、やはり、ライターか編集者か話した本人が、書かなければ成立しない。その際、重要なのは、読者の目ではなく、耳を意識することだ。読者に、その場で聞いているように思わせることができないのなら、インタビューや対談なんて文字にする必要がないと思う。何度も言ってますけど、わたしは、インタビューはモノローグ、対談はダイアローグだと思って(戯曲ですね)手を入れています。 とにかく、読みものとして、面白くしたいんですよ。(ブログ「柳美里の今日のできごと」2009年10月20日)
・わたしが、会派や党派に属することはあり得ません。集ったり群れたりするのは、ものごころついた頃から大嫌いです。仲間意識や、グループやチームやクラブも好きではない。推進派だ反対派だ、右翼だ左翼だ、などとカテゴライズされたくない。孤立の心細さや不安定さや淋しさを引き受けて、書いています。でも、友だちはいます。わたしの作品を心待ちにしてくれている編集者と読者もいます。その信頼に応えるべく、毎日仕事をしています。(Twitter, 2016年12月13日)
■■ その他 ■■
Q1.なぜ南相馬に転居したのか?
2015年7月26日(転居4ヶ月後)に『カタログハウス』のインタビューで「なぜ南相馬への移住を決めたのか」に答えました。
(初出/「通販生活」ウェブサイト)
https://sites.google.com/site/yumiribibliographicdata/about/1
Q2.なぜ小高区で本屋を開くの?
2017年7月27日にテレビ番組のインタビューに答えました。
http://www.news24.jp/articles/2017/07/27/07368076.html
註1:エッセイ集『南相馬メドレー』をお読みいただくと、上記2問についてお分かりいただけると思います。
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