祇園祭油彩34年計画
私のこの計画は、すべての山鉾をF100号のキャンバスに1年に1枚を描き上げるというもので、山鉾すべてを描き終えた年に個展を行うことを最終目標としています。
制作することによって祇園祭の魅力を考察し、私の感じてきた祇園祭が絵画世界に表現できていればこの計画は成功だと思っています。
日本のことを「和」ともいいます。「和」に含まれる意味や、言葉に使われる並びはとてもよく「なごみ、やわらぐ、協力、調和」そして「平和」。京都の町を歩けば自然に「和」があり、その中で祇園祭がおこなわれています。
和みの都として、私は京都の町が好きです。
2012年度祇園祭山鉾制作状況
祇園祭は、現代社会もつ様々な問題と重ね合わさるものがあります。医療・環境問題、地域コミュニケーション、都であった京都での政治・経済的な運用、社会秩序と文化遺産の保全など、多くの難関を乗り越え、続けられてきました。
863年に始まる御霊会、近代化した現代社会においても神事として続けられいます。神や御霊の存在を証明するのはとても難しいことなのですが、「善と悪」の対立する思考をもつものが人間です。その二項対立するせめぎあいの中で神的存在が心に宿るのではないでしょうか。
「人の心に神あり」
祇園祭を伝統的文化遺産という視点だけてはなく、現代日本の諸問題と重ね合わせ、
「神とはなにか?」
と、改めて問い直せば、現在の迷走する日本に対して良い答えがみつかるのではないかと思っています。
これまで制作した山鉾
現在10基が完成しています。当初32年計画でしたが、八坂神社の御神輿と
新たに大船鉾が復興することになり、34年計画となりました。