職業訓練学校 タンロンスクールの日本語コース
設立: 1994年(SCCの設立は1992年)
人数: 219名(2013年11月現在)
年齢: 13〜23歳程度の若者(主にホーチミン4区から)
校内規模: 大教室1つ・小教室2つ・ITルーム・ビューティールーム・図書館・ソーシャルワーカーの部屋1つ
背景: (当時のサイゴン4区で)学校に通えない子ども達のため、はじめは「絵画」「写真」という集まって何か楽しいことをする学校のかわりとなるような場所になればということで始まりました。そこから、職業訓練学校として、まずは英語そしてITやホスピタリティ等幅を広げていきました。英語と同じく、就職に役立てる言語スキルの1つとして日本語コースの開講を2012年からスタートしています。
活動概要
【現地パートナーとの連携】
継続的な活動基盤確保のため各現地パートナーとの連携で成り立っています。メインパートナーであるSaigon Children’s Charity(以下SCC)が運営する職業訓練学校Thang Long School(以下TLS)で日本語コースを開設しています。また、コースのカリキュラムはクオリティを確保するために、
現地日本語/ベトナム語学校Saigon Language School(以下SLS)と連携し
ています。
【コース内容】
授業は初級1〜8まであり、約2年間の履修プログラム。毎週2〜3回のクラスがあり、折り返し地点1年で日本語能力検定試験のN5をうけます。
TLS校内でまずは初級1〜2を受講し、初級3〜8をSLSで引き続き受講します。奨学金という資金的サポートだけではありません。“学習に難しさを感じるはじめの約4ヶ月”を、TLS校内で受講してもらうことでより生徒の顔がみえ
るサポート環境をつくっています。
またSLSで受講中も、各パートナー同士が連携し生徒の状況を共有することで
よりよい環境づくりに取り組んでいます。
※2012年は奨学金制度の設置からスタートしました。
【日本人との毎月セッション】
「日本人ともっと話してみたい」という生徒のリクエストから始まったセッションは、毎月1度開催しています。ベトナム在住日本人の方々による応援で成り立っています。直接学生に関わる事で、より「個人」のことを知る機会に繋がっています。ベトナム在住の方で、「ぜひ参加したい!」という方はこちらからどうぞご連絡ください。
【交流会やイベント】現地日本食レストランと共同企画した「日本文化を知る、日本料理教室」や、日本国内活動(寄付活動)に関わったみなさんがさらに現地ベトナムに渡航し実際にベトナムの若者と交流する現地交流会などを実施しています。「言語」だけでなく、言語そのものでもある「日本」にも興味関心をもてる機会を提供することで「学び」を楽しんでもらえたらという想いです。
SCCや生徒の声
【SCC代表 Mr.Paulより】
「日本語コースは、若者の雇用への新しい選択肢になる」
“SSJさんが特におもしろいと思ったのは、どうやったらいい支援ができるのかという素晴らしいアイデアをSSJさん自身が持っていたことです。例えば私たちSCCは「日本語のクラスをつくる」なんて思ってもいなかったのですが、日本語クラスはとても人気のクラスになっていますし、きっこれから若者たちの「働き方」に選択肢を与えることができると思っています。現状私が知る限りでベトナムには、このように日本語訓練を貧困によって恵まれない環境にある若者たちに提供するようなコースはありません。きっとそれは若者たちが日本企業で働くという夢を描き輝かせるチャンスを与えてくれるでしょう。”
【TLS日本語コース生徒 Ms. Dung(ユン】
2012年奨学生3名:左からDungさん、Yrungさん、Nhiさん
“(日本語を学ぶきっかけは、)日本語を学習することは、もっと安定的でいい仕事を見つけるために力になると考えたからです。私の外国語の能力は低いので、もっとこの日本語クラスで勉強して上達させて仕事にも活かしたいです。基本的なコミュニケーションは日本語でできます。日本語はとても素敵だしおもしろいです。勉強すればするほど、もっとおもしろくなっていくしもっと上達したいなと思います。
また、日本(人)のコミュニケーションのとりかたや習慣が私はとても好きです。日本人はみんな人を助け合おうとします。日本人ボランティアさんのおかげで、私の日本語でのコミュニケーションは向上しましたし、日本人のライフスタイルや習慣についても知ることができています。”