Fiedler et al. (担当:清水)

Post date: Feb 25, 2013 7:19:45 AM

The Long Way From α-Error Control to Validity Proper: Problems With a Short-Sighted False-Positive Debate

当日の議論と感想

清水の担当した論文は、「false-positiveだけじゃなく、false-negativeにも目を向けよう!」という感じの話でした。ざっくりまとめると、再現性だけに目を向けた議論は、結局代替仮説の可能性に目を向けなくなってしまう危険性があるのではないか。統計的なαエラーを厳密に統制することだけを考えると、革新的なアイディアや、より上位の説明を目指す営みが損なわれてしまう、というものです。

当日出てきた議論について、以下にまとめておきます。

  • 存在脅威管理理論は、論文中で指摘されているほど代替仮説との比較をしてこなかったわけではない。むしろ、類似仮説が多い分、かなり積極的に仮説を精査するための論争が行われてきた理論である。
  • Strong Inferenceは、社会的認知研究(あるいは認知心理)でも1970年ごろにブームになった。流行ってはすたり、の繰り返し。
  • 現状として、代替仮説をつぶすための実験は行われてるのではないのか。
  • 代替仮説と比較してつぶしていく、という作業は時として別のチームを敵とする可能性があり、避けられることもあるのではないか。あるいは、考えるだけ無駄なような他愛もない仮説を形式上つぶしているだけの論文も多くある。

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