過冷却の実験

過冷却・過冷却水とは

【過冷却】

相変化が起きるはずの転移温度より低温になっても,もとの相のままの状態を保つことを過冷却という。過冷却状態は一種の準安定状態で,衝撃などによって急激にその温度における安定な相となる。


【過冷却水】

過冷却状態の水を過冷却水という。過冷却水は水(液体)を静かにゆっくりと冷却することによって実現される。通常20℃程度でも過冷却していることが多く、それ以下になると凍結する割合が多くなる。 非常に純粋な直径数μm程度の微少水滴は40℃近くまで過冷却が可能であることが実験的に確かめられている。過冷却された水は不安定で,外部からの衝撃や氷片などの投入により急に凝固して温度が0℃まで上昇する。

過冷却水の結晶化 2

自然界で見られる過冷却水の結晶化

TITLE : ”frazil ice.” Ice flows like lava at Yosemite National Park (youtube)

https://www.youtube.com/watch?v=M2CX0x_lGw4

厳冬期のヨセミテ国立公園で見られる過冷却に関わる現象のyoutube動画です.過冷却水が結晶化して,まるで溶岩流のように流れていく様子を見ることができます。

なお,frazil ice とは、過冷却水の乱流中にできた板状もしくは円盤状のたくさんの氷の結晶が互いにゆるく,しかも向きもばらばらな状態で集まったもののことです.