Solution 1.3: 東京大学 2001

黒石が左端にある場合には,左端の黒石が条件を満たす黒石になる.何故なら,左端の黒石とそれより右にある碁石

を除けば,碁石は1つも残らず.仮定より,この場合は白石と黒石が同数とみなされるからである.

つぎに,白石が左端にある場合にも,条件を満たす黒石があることを示す.

左端からn番目の碁石までに含まれる白石の数をW(n)とし,同様に,左端からn番目の碁石までに含まれる黒石の数

をB(n)とし,縦軸をW(n),B(n)の値,横軸をnとして,W(n),B(n)のそれぞれのグラフの形状と相互の関係を考える.

① どちらのグラフも傾き1の線分と傾き0の線分からできている折れ線のグラフである.

② 一方のグラフが傾き1であるとき,他方は傾き0である.すなわち,同じ区間では同じ傾きをとることはない.

③ W(n)のグラフは点(1,1)から始まり点(361,180)で終わる.一方,B(n)のグラフは点(1,0)から始まり,点(361,181)

で終わる.

以上①~③より,2つのグラフは少なくとも,次の性質を満たす交点を1つ持つことがわかる,

(性質)交点の前後でW(n)の傾きは0,B(n)の傾き1.(この性質を満たす交点では,交点の直後は黒石である)

交点の位置ではW(n)=B(n).したがって,上の性質を満たす交点の直後の黒石が条件を満たす黒石となる.交点の直

後の黒石とそれより右の碁石を除くと残りは白石と黒石が同数となる.