中ノ岳

(ニシュオマナイ左股往復)

○1994年6月12日

○L宇野 大山 國枝 穂積(男3名女1名)

○コースタイム

04:35 神威山荘

05:55 Co594m

06:30 Co800m

08:30 Co1280m主稜線

10:00 中ノ岳頂上(P1519m)

11:00 〃 発

11:40 Co1372m

12:00 Co1280m主稜線

16:00 神威山荘

事務所では「ヤブ漕ぎがひどい」と脅かされたが、「まだ時期が早いからヤブ漕ぎは少ない」と見た。

ただ、雪渓と雪解けの増水がどの程度かよくわからず、そのために装備には万全を期した。

Co720mで左股に滝が見え、0氏が興味を持つ。

Co800mで雪渓を登ることになるが、皆、何故か二の足を踏んでいる。

雪渓が落ちるのではないかと心配しているようだ。

私は「大丈夫だあ。体は雪渓上の石より軽いから」と、さっさと先に登る。

Co850mを970mの二股と間違えているのに気付かず右股のガレ沢にコースをとる。

かなり不安定な石があり落とさないよう注意する。

沢が終わると笹にでた。ひたすら熊笹をかき分けると、尾根らしきものが見えたが、時間的にも見た目にも主稜線でないと判断。頭の中の地図には、主稜線以外の尾根はな稜線に出てルートを間違えていたことに付く。

Co1280mの主稜線からケモノ道になっていて歩きやすかった。

上からみた正式なルートは、ヤブできっそうに見えた。結果的に間違えてよかった。

稜線で登山靴・ピッケルをデポし、最後まで地下足袋で通す。

P1372mの稜線は靴幅リッヂで日高側が20~30m位垂直に落ちている。

頂上には1時間、雲もなく思う存分に景色を眺める。

ペテガリのA・B・C沢と雪の1839峰、ルベツネ、ヤオロ、早大尾根とその奥のポンヤオロ。

日高側はダケカンバの景色。十勝側は雲海。

「恐怖のオホーツク海高気圧が張り出したかな?」と頭によぎる。

南には男性的な神威岳、何となく情けなく見えるソエマツ。

中ノ岳から神威岳までは、4~6時間ぐらいかかりそうだ。

11時に下山開始。もう来ることもないだろう中ノ岳に別れを告げ尾根のケモノ道でK氏が鼻血を出す。

すかさず 0氏、「登山道、血に染まる」。前のブッシュ漕ぎで鼻血を出した人がいたとは聞いてはいたが実際に見るとは思わなかった。

また彼は「わらじがない!」と叫んでいる。いつの間にか彼のわらじは両足ともどもどこかに消えてしまっていた。

ガレ沢の出入口をザイルに伝って4ピッチ降りる。不安な浮き石ばかりでかなりな時間がかかる。

途中 Hさんの行動中に大きな落石があり、上ばかりを見て降りてきた。

(茶房多種No.192記録・宇野)