第14回講演会

平成24年1月21日(土)に、第14回講演会が開催されました。

今年のテーマは「お話と相談会」~藪原先生をお迎えして~です。

「普段は、病院の診察の時にしかお話のできない医師とゆっくりとお話をしたい」という思いから、

伊那中央病院小児科部長の藪原明彦先生をお迎えし、「“外来診療”の中で感じていること」という

講演と藪原先生を囲んでの相談会を行いました。

まず講演会では、藪原先生は、現在関わられている「エコチル調査」についてお話をされました。

講師の伊那中央病院小児科部長 藪原明彦先生

※エコチル調査とは・・・

「エコチル」とは「エコロジー(環境)」と「チルドレン(子ども)」を合わせた用語。

「エコチル調査」とは、「胎児期から小児期にかけての化学物質曝露をはじめとする環境因子が、妊娠・生殖、先天奇形、精神神経発達、免疫・アレルギー、

代謝・内分泌系等に影響を与えているのではないか」という大きな仮説を解明するために、化学物質の曝露などの環境影響以外にも、遺伝要因、社会要因、

生活習慣要因など、さまざまな要因について明らかにするために環境省が行なっている疫学調査のこと。

(参考:子どもの健康と環境に関する全国調査「エコチル調査」HP、エコチル調査とは?より抜粋)

調査は平成22年から21年間の長い期間にわたるということ、お母さんのお腹の中にいる時からの調査が始まっているということで、

すごい調査だなぁと思うとともに、アレルギーの子どもたちが増えているなんてお話も先生はされており、アレルギーなどへの環境の

影響はどのような結果が出てくるのかしらと今後の結果に興味を持ちました。

また、「小児喘息への昔のような偏見がなくなったけれど、やっぱり喘息とは診断されたくない。気管支炎とか喘息様気管支炎、喘息っぽいって

言われて、ちょっとホッとしてしまう。けれど、喘息だとしっかり認識して治療をしたほうが良い」という言葉に、親として“そうそう、言われたくないんだよね”と思っていたところをしっかりと言われて、ドキッとしてしまいました。

休憩も挟む間もなく、みなさん机をずらして、輪になり座談会が始まりました。

参加者のお母さん方からは、ステロイド外用薬の強さや塗り方、市販の保湿剤の選び方、

疑問に思っている子どもの症状など質問が出ました。

そのひとつひとつに丁寧に藪原先生は答えて下さいました。

また、その中で藪原先生は、「お母さんがこれが怪しいと思うものは、大抵当たっている

ことが多い」「まわりの人が『この商品がよかった』『このやり方が良かった』と言っても、

それがすべて自分の子どもにとって良いものではない。試してみて、自分の子にとって

良かったと思う物を使ったり行ったりした方が良い。」と話され、参加者も納得していました。

そんな話題の後は、藪原先生が日頃の診療の中で、お母さんたちに聞かれることや思うこと等お話しして頂きました。アレルギーに関連して、よくお母さんたちから聞かれることとして思いつくものを挙げたスライドを見せてくれたのですが、“うん、うん、なんかこれ、私も診察時に聞いたかも・・・”なんていうものが挙がっていたりいなかったり・・・。

お話の中では、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎、小児気管支喘息などの特徴や現在の主な治療法などを聞くことが出来ました。

藪原先生は、「かゆみは赤ちゃんにとってもつらいもの」「アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったりするのが特徴で、あせらずに付き合っていくこと」「アトピー性皮膚炎はなるべくいい状態で維持することが大切」ということを話してくださり、症状のコントロールの大切さを感じました。

今年は、講演会前日の大雪、そして当日も雪が舞っており、足元が悪い中での開催となりました。

しかし、講師である藪原先生および参加者の皆様のご協力のもと講演会を開催することができました。

講演会に参加していただいた皆様、本当にありがとうございました。

今回も永谷園様にご協力いただき、アレルギー対応食品の展示とサンプルを参加者の皆様にお配りすることが出来ました。

永谷園様、ご協力いただき、真にありがとうございました。