女川町 START ! ONAGAWA

「あたらしいスタートが世界一生まれる町へ」

復興に向けて、宮城県女川町の挑戦が始まっています!

豊かな海、山、川に囲まれた宮城県女川町。

今、まちが生まれ変わろうとしています。

新たなにぎわいの場となる女川駅前商業エリアがオープンし、最初の一歩を踏み出しました。

ここには、あたらしいスタートに「挑戦」している人たちがいて、

そのスタートを「応援」するあたたかい人たちがいます。

みんなの力を合わせ、1 0 0 年後も元気な「港町おながわ」を目指しています。

丘陵や山地が海に沈んで、尾根だったところが半島に、谷が入り江になったリアス海岸。

リアスの入り江は、波が穏やかで水深が深い天然の良港。

背後に迫る森に染みた雨水は大地の栄養を海に運び、豊かな養殖業の場を提供してくれます。

「世界三大漁場の一つ」といわれる三陸沖は、すぐ目の前です。

そんな水産のまち・女川町。

サンマの一大水揚げ港として全国に知られた町です。

しかし、東日本大震災により高さ約15mの大津波が押し寄せ、まちは壊滅的な被害を受けました。

被災直後の女川町(みやぎ・復興の歩み4より)

建物の約8割が流され、827名の方が亡くなりました。

整備が進む女川のまち 中央やや右に女川駅 2015年1月撮影

(みやぎ・復興の歩み4より)

平成24年4月に仮設商店街「きぼうのかね商店街」がオープンしました。

旧女川駅前にあった「からくり時計」の4つの鐘のうち、奇跡的にガレキの中から発見された1つの鐘がシンボルとして打ち鳴らされました。町の誰もが知っている懐かしい鐘の響きに人々の気持ちは一つに。

同年3月から開催されている「女川町復幸祭」では、避難の基本である「津波が来たら高台へ逃げる」ということを後世に伝承するため、「逃げろ」を合図に高台へと駆け上がる「津波伝承 女川復幸男」という企画が話題になりました。

また、平成27年2月には、住民たちの素顔を秀逸なコピーとともに紹介した「女川ポスター展」も開催され、こちらも大好評。

さらに、町の若手有志が「復幸まちづくり女川合同会社」を立ち上げ、地元産のブランド商品「AGAIN(あがいん)女川」を扱う「女川水産業体験館あがいんステーション」が同年6月にできました。

全国からも注目を集めている女川の新たな「まちづくり」は、女川の人々の活躍だけではなく、女川に関わり、応援や支援を寄せてくださったたくさんの人々が、支えています。

平成27年3月、JR石巻線が4年ぶりに全線開通し、JR女川駅と女川温泉ゆぽっぽの開業を祝う式典「おながわ復興まちびらき2015春」が開催されました。

女川温泉ゆぽっぽと合築のJR女川駅舎

そして平成27年12月23日、女川駅前商業エリアが開業。女川駅から女川湾に向かう長さ約170mのプロムナードの両側には、テナント型商店街「シーパルピア女川」がオープンし、「おながわまちびらき2015冬」が開催されました。

多くの人たちが、そのお披露目を楽しみに、そして祝福するために「まち」を訪れました。

完成したシーパルピア女川。女川駅が奥に見える

女川駅側から眺めたシーパルピア女川

女川町は、今回のまちびらきに併せて、100年後も元気なまちを目指し「あたらしいスタートが生まれる町へ。START!ONAGAWA」をスローガンに掲げました。

今後は、町内外の人たちが連携しながら、起業、移住など、さまざまなプロジェクトを立ち上げていく予定です。

記念式典で須田善明町長は「悲しみと絶望の中から立ち上がり、町民がみんなで考え、みんなで色を付けて、そのあり方を考えてきた『まち』です。イベントなどで商店街に人を呼び込むきっかけづくりを行い、にぎわいを持続させていきたい」とあいさつ。

須田善明 女川町長

そのあと、2名の児童が「100年後も元気なまちであり続けられるよう、私たちが意志を継いでいきます」と誓い、「希望の鐘」を打ち鳴らして、商業エリア開業の宣言とテープカットが行われました。

「希望の鐘」の音が響き渡ります

「女川駅前商業エリア」いよいよオープンです

待ち望んでいた人々でにぎわいました

まち歩きを楽しめるエリアです

女川町のマスコット「シーパルちゃん」も駆けつけました

「もうすぐ5年。ようやく『まちびらき』ができてうれしい。みんながもっと元気になっていける、その弾みになるよね」と語るのは、「きぼうのかね商店街」の仮設店舗で営業中の『串焼きたろう』の千葉静郎さん。この日は屋台を出していました。

「串焼きたろう」の千葉静郎さん

ブランディングプロジェクト「AGAIN女川」を推進する「復幸まちづくり女川合同会社」の代表社員である阿部喜英さんは、

「多くの方の応援があり、ようやくまちが戻ってきました。プロムナードに掲げられた『スタート女川』というフラッグの言葉通り、これからが本番。今日のにぎわいが3年、5年、10年後にも続いてほしいと願いながら、私も身が引き締まる思いです」

「復幸まちづくり女川合同会社」代表社員の阿部喜英さん

この「AGAIN」を準備段階から支援しているビール会社の皆さんも来場。

「この場所がにぎわいの中心となって、漁業のまち・女川の活性化につながっていってほしい」

「今日こうしてにぎわいが期待できる街並みができあがり感慨深いものがあります。本当にお祝いしたいし、これからも応援していきます」

と祝福していました。

ビール会社の皆さん

女川町を本拠地とするサッカーチーム「コバルトーレ女川」も、事務所兼オフィシャルショップ兼スポーツ用品店としてシーパルピア女川に出店です。

阿部裕二監督にもお話を伺いました。

「行政と町の人たちが力を合わせ、たくさんのご支援をいただいてできあがった素晴らしい場所。チームの事務所もここに移って、ますます町の人たちと身近に接していきたいですし、サッカーばかりでなくさまざまなスポーツを通じて、みんなを元気にしていきたい」

「コバルトーレ女川」の皆さん

「シーパルピア女川」は、プロムナード沿いに整備された平屋6棟に、小売店、飲食店、工房など27事業者が入居しました。今後は自立再建店舗も順次開店していき、平成30年度には約70店舗になる予定です。

そして、駅と商業エリアを囲む高台には、住宅地や町役場などが建設される予定地の造成も、今、急ピッチで行われています。

これからさらに、新しい暮らし、新しい事業、挑戦・・・が、もっとたくさんスタートします。

誰かの「新しい」を、きっとみんなが応援する、ますます元気な女川町の「まちづくり」が、未来へ向かって進行中です。