文献リスト(Entrepreneurial Finance)
【Entrepreneurial Finance, Small Business Finance, Venture Finance】
(日本語)
リチャード・スミス、ジャネット・キホルム・スミス 山本一彦総監訳、岸本光永、忽那憲治監訳 『アントレプレナー・ファイナンス』 中央経済社, 2004.
●現状のアントレプレナー・ファイナンスのテキストの決定版でしょう。是非、ご一読ください。原書はこちら。
忽那憲治・長谷川博和・山本一彦編著『ベンチャーキャピタルハンドブック』中央経済社, 2006.
●管理人も著者のひとりであるベンチャーキャピタルに関する本です。是非ご一読されたい。
忽那憲治 『中小企業金融とベンチャー・ファイナンス-日・米・英の国際比較-』 東洋経済新報社, 1997.
●指導教官の著書。是非一読ください。
藪下史郎・武士俣友生 『中小企業金融入門』 東洋経済新報社, 2002.
●情報の経済学をベースに中小企業金融について網羅されています。新版はこちら。
渡辺努・植杉威一郎編著『検証 中小企業金融-「根拠なき通説」の実証分析-』 日本経済新聞出版社, 2008.
●十分に検討されていないのに、通説というのは結構影響するもので。。。中小企業金融の通説はほんまかを丁寧に検証。いい本です。
ウィリアム・D. バイグレーヴ、ジェフリー・A. ティモンズ 日本合同ファイナンス株式会社訳『ベンチャーキャピタルの実態と戦略』 東洋経済新報社, 1995.
●内容は少し古くなってきているが、VCについて本格的に扱った数少ない本のひとつ。原書はこちら 。
オリバー・フィルマン、ジョシュア・ラーナー、ウード・ヴッパーフェルト 伊東維年・荒井勝彦・鈴木茂・勝部伸夫・田中利彦訳『ベンチャーキャピタルとベンチャービジネス-アメリカとドイツの比較』 日本評論社, 2000.
●訳が・・・。ドイツのVCの現状を知るという意味で読む程度でいいと思います。
R.T. ハリソン、C.M. メイソン 西沢昭夫監訳 通産省ビジネス・エンジェル研究会訳『ビジネス・エンジェルの時代』 東洋経済新報社, 1997.
●ビジネスエンジェルについては、これ。
小門裕幸 『エンジェル・ネットワーク-ベンチャーを育むアメリカ文化』 中央公論社, 1996.
●日本のエンジェル研究の第一人者による本。
マイケル・J. コーバー 『プライベート・エクイティ 価値創造の投資手法』 東洋経済新報社, 1999.
越純一郎 『プライベート・エクイティ-急拡大する未公開株式投資の世界』 日本経済新聞社, 2000.
越純一郎・重田正教・千葉浩一郎 『日本のプライベート・エクイティ』 日本経済新聞社, 2001.
●上記3冊は、広くプライベート・エクイティを知るにはいいでしょう。
ウダヤン・グプタ 濱田康行解説 楡井浩一訳『アメリカを創ったベンチャー・キャピタリスト 夢を支えた35人の軌跡』 翔泳社, 2002.
●著名なベンチャー・キャピタリストのインタビューによって、ベンチャーキャピタルの世界を垣間見せてくれます。研究のアイディアとなりそうな事柄が多く描かれています。原書はこちら 。
ランダル・E.ストロス 春日井晶子訳『eボ-イズ ベンチャ-キャピタル成功物語』 日本経済新聞社, 2001.
●VCの立ち上げから成功までが詳細に記述されています。キャピタリストの意思決定やVBへのコミットなどに関心のあるひとは読んでみてほしい。原書はこちら 。
アンソニ-・B.パ-キンス、マイケル・C.パ-キンス 『インタ-ネット・バブル:来るべき反動にどう備えるか』 日本経済新聞社, 2000.
●バブル崩壊以前に書かれたインターネット・バブルへの警告書。鋭い洞察力に触れてみてください。
ルーサン・クィンドレン『リアル・ストーリー・オブ・ベンチャー・キャピタリスト』 ネットイヤー・パブリッシング, 2000.
●米国ネットバブルの最盛期における女性VCの体験談とそれに基づく指南書。当時と現在を比較しながら読むとなかなか面白い。
市川一郎 『ゴー・パブリック 起業公開物語』 東洋経済新報社, 2003.
●起業から株式公開までを小説仕立てで、わかりやすく書いています。株式公開が明確にイメージできないというひとには役立つと思います。現実的でいい本だと思います。
齋藤篤『産業としてのベンチャーキャピタル』 白桃書房, 2002.
●実務家としての視点が、管理人が期待していた以上には見られなかったのが残念。
酒井雅子 『「お気楽生活」のお約束-ホンネで考えた女の人生設計』 集英社インターナショナル, 2004.
●著者特有の語り口で書かれています。VCについては前半部に。
門脇徹雄 『投資ファンドとベンチャーキャピタルに騙されるな-ベンチャーキャピタリストが書いた真実-』半蔵門出版, 2003.
●なかなか書けないようなことまでズバズバ書いています。ただ、真実でもない部分もあるようです。。。同著 『会社を成長させるベンチャーキャピタル・投資ファンド活用法』は、その暴露を受けて活用法をまとめている。
今泉大輔 『IPOという選択-なぜ株式公開するのか?なぜしないのか?』 翔泳社, 2000.
●当時の状況(とくにビットバレー)を知るという意味で面白かった。副題の中身にはあまり踏み込まない。
神座保彦 『[概論]日本のベンチャー・キャピタル』 ファーストプレス, 2005.
●日本のベンチャーキャピタルについて、大きく知るにはいいと思います。著者自身書いていますが、教科書です。
チャールズ・ガスパリーノ 田村勝省訳『投資家よ、騙されるな!ウォール街 欺瞞の血筋』東洋経済新報社, 2005.
●株式公開における引受と調査(証券アナリスト)の利益相反問題に切り込む。日本でも考えないといけないテーマだと思います。よく書けています。
ドロシー・レナード、ウォルター・スワップ 池村千秋訳『「経験知」を伝える技術』ランダムハウス講談社, 2005.
●VCなどの経験や知識を新興企業にどのように移転しているのかということを調査。教育論としても読めます。
嶋内秀之・伊藤一彦『ベンチャーキャピタルからの資金調達』中央経済社, 2006.
●そういえば、ここで紹介していないなあと突然思い出す。お知り合いの嶋内さんの本。実務のひとが、研究と実務の橋渡しとして手に取ると役に立つと思います。橋渡しの意識した本はもっとどんどん出版されるといいですね。
船岡健太『新規公開時のベンチャーキャピタルの役割』中央経済社, 2007.
●先輩の船岡氏の本。本としての位置づけを行う序章がいまいちしっくりこない。全体を見渡したうえでの研究活動を意識しないといけないな。。。
中桐則昭『ベンチャー・キャピタリストがすすめる成長するための株式公開入門』日本能率協会マネジメントセンター, 2004.
●中小企業投資育成のベンチャーキャピタリスト、中桐氏の本。わかりやすく書かれていると思います。
長谷川博和『ベンチャーキャピタリストの実務』東洋経済新報社, 2007.
●グローバルベンチャーキャピタルの長谷川さんの本。最後のキャピタリストのケーススタディは、なかなか貴重な資料だと思います。
忽那憲治『IPO市場の価格形成』中央経済社, 2008.
●管理人もお手伝いした、指導教官の新刊。IPO市場について網羅的に知ることができます。
磯崎哲也『起業のファイナンス-ベンチャーにとって一番大切なこと-』日本実業出版社, 2010.
●広く起業のファイナンスが認知されることは有益でしょう。初学者に最適かな?個人的には若干物足りない。。
増田一之『ハイテクベンチャーと創業支援型キャピタル』学文社, 2007.
●うまくまとまっていると思うのですが、そのうまさが何となくしっくりこない。なんでやろ?
チームIPO(杉山央、茂田井淳一、澤井泰良、青嶋康雄)『株式後悔-後悔せずに株式公開する方法-』エイチエス, 2010.
●部分的に「ん?」と思うところがありますが、IPOに関わる一般的な人たちのよもやま話に触れる機会のないひとには有益だと思います。
忽那憲治編著・日本証券経済研究所編『ベンチャーキャピタルによる新産業創造』中央経済社, 2011.
●管理人も一部書かせてもらいました。多様な視点から、新産業を創造するうえでVCが果たす役割と問題点を検討しております。是非、ご一読ください。
(英語)
Richard L. Smith and Janet Kiholm Smith, Entrepreneurial Finance (2nd, インターナショナルエディション), John Wiley & Sons (WIE), 2003.
●Entrepreneurial Financeを本格的に勉強するには、これを。実践的な著書とは異なり学術的な含意を意識して、書かれています。訳本はこちら。出版元を変え、執筆者を1名加えて"Entrepreneurial Finance: Strategy, Valuation, and Deal Structure"として新たに出版されました。
Mark Van Osnabrugge and Robert J. Robinson, Angel Investing: Matching Start-up Fund with Start-up Companies, Jossey-Bass Inc Publication, 2000.
●創業時に最も重要な資金源であるビジネスエンジェルについての著名な本です。
Paul A. Gompers and Josh Lerner, The Venture Capital Cycle, MIT Press, 2002.
●VC研究の第一人者の二人が書いた論文集。訳本 も出版されました。第2版発売。
Paul A. Gompers and Josh Lerner, The Money of Invention: How Venture Capital Creates New Wealth, Harvard Business School Press, 2001.
●上記のGompers&Lerner(2002)が少し難しいという人はこちらから読んでみて下さい。わかりやすく書かれていると思います。
Paul A. Gompers and William Sahlman, Entrepreneurial Finance: A Case Book , John Wiley & Sons Inc, 2001.
Josh Lerner, Venture Capital and Private Equity: A Casebook, John Wiley & Sons Inc, 2000.
Josh Lerner and G. Felda Hardymon, Venture Capital and Private Equity: A Casebook (vol.2), John Wiley & Sons Inc, 2002.(3版はこれ。) (翻訳はこちら)
●ケースブックを3冊紹介しておきます。
David Gladstone and Laura Gladstone, Venture Capital Handbook: An Entrepreneur's Guide to Raising Venture Capital, Prentice Hall, 2001.
●VCから資金調達することについて、1から10まで書かれています。実務家による著書。
Tim Jenkinson and Alexander Ljungqvist, Going Public: The Theory and Evidence on How Companies Raise Equity Finance (Second Edition), Oxford University Press, 2001.
●膨大な新規株式公開に関する研究を丁寧にまとめている本格的なサーベイ本。丁寧な仕事ぶりに頭が下がります。管理人の憧れの研究者です。新規株式公開研究の大御所Jay RitterによるForeword付。
Greg N. Gregoriou, Initial Public Offerings: An International Perspective, Butterworth-Heinemann, 2006.
●世界のIPO論文を集めた論文集。世界の状況をざっくり知るにはいいと思います。深さはあまり求めてはいけません。
Jason Draho, The IPO Decision: Why and How Companies Go Public, Edward Elgar Publication, 2006.
●IPOを網羅的に扱っております。Jenkinson and Ljungqvistがより学術的であるのに対して、実務に関しても記述されているので網羅的に知りたいひとにとってはいい本だと思います。
Andrew Metrick, Venture Capital and the Finance of Innovation, John Wiley & Sons Inc, 2006.
●ベンチャーキャピタルとバリュエーションの接点について書かれたテキスト。よく出来ていると思います。