文献リスト(Entrepreneurship)

【Entrepreneurship】

(日本語)

松田修一監修 早稲田大学アントレプレヌール研究会編 『ベンチャー企業の経営と支援』 日本経済新聞社, 2000.

●ベンチャーをやるうえでは、ひとまず欠かせない本。松田修一『ベンチャー企業』 日経文庫, 2001.も併せて参照してみてください(これが新版)。

ジェフリー・ティモンズ 千本倖生、金井信次訳 『ベンチャー創造の理論と戦略 起業機会探索から資金調達までの実践的方法論』 ダイヤモンド社, 1997.

●こちらも必読文献ですが、版が古し、価格も高いので、原書を購入することをお勧めします。原書は下記に。

忽那憲治・山田幸三・明石芳彦編著 『日本のベンチャー企業-アーリーステージの課題と支援-』 日本評論社, 1999.

●経営・技術革新・雇用・金融・地域経済という側面から、日本のベンチャー企業を実証的に分析している。ベンチャーを体系的に扱った数少ない本のひとつ。

ロバート・ガブロン、マーク・コーリング、ジェラルド・ホルサム、アンドレア・ウェストール 忽那憲治・高田亮爾・前田啓一・篠原健一訳 『起業家社会-イギリスの新規開業支援施策に学ぶ-』 同友館, 2000.

●政策担当者は、是非読んで欲しい。

D・J・ストーリー 忽那憲治・安田武彦・高橋徳行訳 『アントレプレナーシップ入門』有斐閣, 2004.

●この種の日本語訳が出版される意義は大きい。「本物の」アントレプレナーシップを知るには必読。原書は、Understanding the Small Business Sectorです。訳本には、原書にはないストーリー自身による補足説明があります。

忽那憲治・安田武彦編著 『日本の新規開業企業』白桃書房, 2005.

●日本の新規開業企業についてのまとまった実証研究書としては日本初。

金井壽宏 『企業者ネットワーキングの世界 MITとボストン近辺の企業者コミュニティの探求』 白桃書房, 1994.

●厚い記述による詳細な分析。値段は高いですが、一読の価値は十分あります。研究方法について考えたい人にもお勧めです。すばらしい本です。

山田幸三 『新事業開発の戦略と組織-プロトタイプの構築とドメインの変革』 白桃書房, 2000.

●社内ベンチャーについて本格的に扱った数少ない本のひとつ。

金井一頼・角田隆一郎編著 『ベンチャー企業経営論』有斐閣, 2002.

●ベンチャー企業を体系的に扱った良質のテキスト。

高橋徳行 『起業学入門-新しく事業を始める人のために』 通商産業調査会, 2000.

●起業に必要な論点をケースを交えて記述している。新版がでました。

高橋徳行 『起業学の基礎-アントレプレナーシップとは何か』 勁草書房, 2005.

●起業学を勉強するうえで必要なことを的確に記述している。非常によく出来ていると思います。こういう教育が日本の大学で当たり前に行われるようになることを希望します。

三谷直紀・脇坂明編著 『マイクロビジネスの経済分析-中小企業経営者の実態と雇用創出』 東京大学出版会, 2002.

●本書のいう「マイクロビジネス」にフォーカスした本としては、貴重ですが、若干物足りない。いい本ではあります(誤解のないように)。

佐藤博樹・玄田有史編著 『成長と人材-伸びる企業の人材戦略』 勁草書房, 2003.

●非常に重要なテーマについて扱った数少ない本。これもいい本ですが、少し物足りない。

玄田有史 『ジョブ・クリエイション』 日本経済新聞社, 2004.

●日本のバーチ本(The Job Creation Process)がついに登場。雇用創出の分野で、今後必ず参考文献にあがるであろう良書です。専門領域ではありませんが、こういう本を書けるようになりたいですね・・・。学者としての真摯な姿勢に頭が下がります。『仕事のなかの曖昧な不安-揺れる若年の現在』は文庫になりました。

後藤晃 『イノベーションと日本経済』 岩波書店, 2000.

●タイトル通りイノベーションと日本経済の関係について、歴史的な概観をつかむことができます。手頃でいいと思います。

後藤晃、小田切宏之 『日本の産業システム(3)サイエンス型産業』 NTT出版, 2003.

●「サイエンス型産業」について、大きくかつある程度厳密に理解するのに最適だと思います。

後藤晃、長岡貞男 『知的財産制度とイノベーション』東京大学出版会, 2003.

●うえの後藤・小田切(2003)に比べて、より学術的かつ厳密な議論がなされている。

クレイトン・クリステンセン 玉田俊平太 監修、伊豆原 弓 訳 『増刷改訂版 イノベーションのジレンマ』 翔泳社, 2001.

●過去によってつぶされることをイノベーションで記述。アントレプレナーシップにとっても重要な視点です。第2弾は、『イノベーションへの解-利益ある成長に向けて』。こちらの方が踏み込んだ解釈がなされているので、お勧めです。さらに、第3弾は『明日は誰のものか』。しかし、このシリーズは完成度高いですね。。

J.A. シュムペーター 塩野谷祐一、東畑精一、中山伊知郎訳 『経済発展の理論-企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究(上)』『経済発展の理論-企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究(下)』 岩波書店, 1977.

●「企業家」を考える際には、シュムペーターはとりあえず読んでおきましょうということで、遅ればせながら載せておきます。

根井雅弘『シュンペーター』講談社, 2006.

●シュンペーターの伝記です。

P.F. ドラッカー 上田惇生訳『イノベーションと起業家精神(上)』『イノベーションと起業家精神(下)』ダイヤモンド社, 1997.

●いわずと知れた経営学の神様ドラッカーの著書。彼特有の視点が豊富に提供されています。訳に多少の難あり。原書はこちら

I.M. カーズナー 西岡幹雄・谷村智輝訳『企業家と市場とはなにか』 日本経済評論社, 2001.

●経済学の中で企業家をどのように考えるかということに取り組んだ本。オーストリア学派の経済学。オーストリア学派については、尾近・橋本『オーストリア学派の経済学 体系的序説』 日本経済評論社, 2003.が丁寧にまとめられている。

ジョセフ・ボイエット、ジミー・ボイエット 加登豊・金井壽宏監訳 大川修二訳 『経営パワー大全 最強起業家に学ぶ、戦略と実行のマネジメント』日本経済新聞社, 2003.

●読み物としても非常に面白いですが、理論と現実の接点を考える際にも非常に有益な本だと思います。

マイケル・ルイス 東江一紀訳『ニュー・ニュー・シング』 日本経済新聞社, 2000.

●ネットスケープのジム・クラークについて。初期のシリコンバレーの世界を垣間見せてくれます。VCや投資銀行とのやり取りが面白い。もう少しこなれた訳であれば、なおよかった。原書はこちら。マイケル・クスマノ、デイビット・ヨッフィー、松浦秀明訳『食うか食われるかネットスケープvs.マイクロソフト』 毎日新聞社, 1999.は、もう少し大局的な話をマクロソフトとの攻防のなかで描いている。

マイケル・E.ガーバー 原田喜浩訳『はじめの一歩を踏み出そう-成功する人たちの起業術』 世界文化社, 2003.

●安易な起業を戒める。原書はこちら

板倉雄一郎 『社長失格-ぼくの会社がつぶれた理由』 日経BP社, 1998.

●著名な板倉氏の本。賛否両論あるようですが、ハイパーネットの立ち上げから倒産までを詳細に記述しており、読む価値は十分ある。資金調達や事業再生など、考えるべき視点は多い。

梅田望夫『シリコンバレーは私をどう変えたか-起業の聖地での知的格闘記-』 新潮社, 2001.

●当時の「生身の(筆者を通じた)」シリコンバレーを知るには最適。著者の真摯で的確な指摘がいくつもなされていると思います。

藤田晋『渋谷ではたらく社長の告白』 アメーバブックス, 2005.

●今話題のサーバーエージェント藤田氏の本。飾らず極めて率直に書かれている。

町田洋次 『社会起業家-「よい社会」をつくる人たち』PHP研究所, 2000.

●「で?」って感じですが、日本の「社会起業家」についてとりあえずの知識は得られます。

斎藤槙 『社会起業家-社会責任ビジネスの新しい潮流』 岩波書店, 2004.

●町田(2000)より、構成の工夫がなされており、よくまとまっている。社会起業家について知りたい場合は、こちらをお勧めします。

渡邊奈々 『チェンジメーカー 社会起業家が世の中を変える』 日経BP社, 2005.

●18名の社会起業家を紹介しています。具体的なイメージがつかめるのではないでしょうか。

土井教之・西田稔編著 『ベンチャービジネスと起業家教育』 御茶の水書房, 2002.

●起業家教育に焦点を当てた本としては、貴重ですが、調べものに終始しているのが残念。

橘木俊詔 『家計からみる日本経済』 岩波書店, 2004.

●中小企業(特に自営業)について考える時には、「家計」という視点が重要でしょう。

マイケル.J.ピオリ、チャールズ.F.セーブル 山之内靖・永易浩一・石田あつみ訳 『第二の産業分水嶺』 筑摩書房, 1993.

●イタリアにおける中小企業像を解明し、産業集積やクラスターの議論の先駆けとなった良書です。

植田浩史編著 『産業集積と中小企業-東大阪地域の構造と課題』 創風社, 2000.

●中小企業の集積地である東大阪地域について本格的に研究された数少ない本のひとつ。

大滝義博・西沢昭夫『バイオベンチャーの事業戦略-大学発ベンチャーを超えて』 オーム社, 2003.

●バイオベンチャーを初めて本格的に扱った本。

黒崎誠 『世界を制した中小企業』 講談社, 2003.

●いわゆる「元気な」中小企業を紹介している。豊富な事例だが、その先は期待できない。議論のネタに。

太田肇『ベンチャー企業の「仕事」-脱日本的雇用の理想と現実』 中央公論新社, 2001.

●サブタイトルが本書の内容をよく表している。著者が意味するベンチャーとは、大企業の対称軸としてのベンチャーかな。

柳孝一『ベンチャー経営論-創造的破壊と矛盾のマネジメント』 日本経済新聞社, 2004.

●著者の「考え方」を記述しているという本でしょう。

マイケル・デル 国領二郎監訳・吉川明希訳 『デルの革命-「ダイレクト」戦略で産業を変える』 日本経済新聞社, 2000.

●この手の本としては、非常に良く出来ています。一読の価値あり。

デービット・パッカード 伊豆原弓訳 『HPウェイ』 日本経済新聞社, 2000.

●もはや有名なお話です。どこかで見聞きしたことがあると思います。

ケビン・フライバーグ、ジャッキー・フライバーグ 小幡照雄訳『破天荒!-サウスウエスト航空・驚愕の経営-』 日経BP社, 1997.

●アントレプレナーシップ関連のテキストでは必ずといっていいほど登場するサウスウエスト航空のベストセラーケース本。原書はこちら

マーティン・ケニー 加藤敏春監訳 小林一紀訳『シリコンバレーは死んだか』 日本経済評論社, 2002.

●他の書籍ではあまり扱われないようなシリコンバレーの側面が描かれており、面白いが、訳がよろしくないので、意味が通じない。もったいない。

サム・ウォルトン 渥美俊一・桜井多恵子訳『私のウォルマート商法-すべてを小さく考えよ』 講談社, 2002.

●当たり前のことを当たり前にできることの素晴らしさ。

伊藤雅俊『商いの道-経営の原点を考える』 PHP研究所, 2001.

●ウォルマートと同じですが、当たり前のことを当たり前にすることの大切さを教えてくれます。安いしすぐ読めますが中身は濃い。

佐野眞一『カリスマ-中内功とダイエーの「戦後」(上)』『カリスマ-中内功とダイエーの「戦後」(下)』 新潮文庫, 2001.

●素晴らしいの一言に尽きる。下手なケースを読むよりいい。ただ少し長いかな。なぜか今のIT長者とだぶるのは不思議。広い意味でアントレのところに分類しておきます。

風樹茂『リストラ起業家物語-クビ、失業から這い上がった8人』 角川書店, 2005.

●新聞取材。それ以上は期待できないが、それなりには面白い。

チョン・ムーン・リー、ウィリアム・F・ミラー、マルガリート・ゴン・ハンコック、ヘンリー・S・ローエン編 中川勝弘監訳『シリコンバレー-なぜ変わり続けるのか-(上)』 『シリコンバレー-なぜ変わり続けるのか-(下)』日本経済新聞社, 2001.

●シリコンバレーについてはかなり詳しく書いてあります。

スコット・A・シェーン スカイライト・コンサルティング訳『プロフェッショナル・アントレプレナー-成長するビジネスチャンスの探求と事業の創造-』 英治出版, 2005.

●当たり前といえば当たり前ですが、それがなかなか出来ないわけです。低価格で短く最低限のことが書かれており、使いやすい本だと思います。

ハイジ・メイソン、ティム・ローナー 山田幸三・伊藤博之・松永幸廣・若山聡満・鍵圭一郎・長本英杜訳『ベンチャービジネスオフィス-コーポレートベンチャリングの新しいモデル-』 生産性出版, 2004.

●コーポレートベンチャーについて網羅的に知るにはいいと思います。この分野の本はほとんどないので貴重。

スコット・A・シェーン 金井一頼・渡辺孝監訳『大学発ベンチャー-新事業創出と発展のプロセス』 中央経済社, 2005.

●大学発ベンチャー(university spinoff)についてまとまった書物としては貴重ですが、面白みにかけるかな。翻訳はもう少しこなれたものになってほしい。

日本経済新聞社編『ビジネスチャンスは「女と時間」』 日本経済新聞社, 2005.

●足で稼ぐ取材力。家の近所の銭湯が紹介されているのに驚きです。

澤田秀雄『HIS机二つ、電話一本からの冒険』 日本経済新聞社, 2005.

●行動力。企業家には必要不可欠な要素だが、企業家自身はそうせざるを得ないんでしょう。そういうエネルギーが感じられる。

ジョン・バッテル 中谷和男訳『ザ・サーチ グーグルが世界を変えた』 日経BP社, 2005.

●これまでの検索(サーチ)の歴史がまとまって書かれています。IT=虚業なんて図式で話すひとがいますが、とんでもない。

経沢香保子『自分の会社をつくるということ』 ダイヤモンド社, 2005.

●アマゾンの評価も見ると、経営者が女性であることのメリット、デメリットはまだまだ根強く残っているんだなぁって感じました。一般化するのは難しいかなというところもありますが、内容はまともだと思います。

ダニー・ミラー、イザベル・ル・ブレトン=ミラー 斉藤裕一訳『同族経営はなぜ強いのか?』 ランダムハウス講談社, 2005.

●時間はかかるでしょうが、とってつけの経営手法を使う企業とは違う、愚直な経営のよさがよくわかると思います。

梅田望夫『ウェブ進化論-本当の大変化はこれから始まる-』 ちくま新書, 2006.

●新書でこれだけのことが書かれてあれば、かなりお得ですね。「あちら側」と「こちら側」を行ったり来たりしたいですね。

ウィルソン・ハーレル 板庇明訳『起業家の本質』 英治出版, 2006.

●安い。文章は非常に明快。内容はまともですしいいことが書いてあります。お勧めします。彼の日本観を裏切りましょう。

ビジャイ・ゴビンダラジャン、クリス・トリンブル 酒井泰介訳『戦略的イノベーション-新事業成功への条件-』 ランダムハウス講談社, 2006.

●大企業が新事業を育むには?との問いに答える。基本的な考え方は、クリステンセンの『増刷改訂版 イノベーションのジレンマ』他と被る。中身はまとまっていると思うが、目新しさにはかけるかな。。

野尻佳孝『史上最短で、東証二部に上場する方法。』 アメーバブックス, 2005.

●生きざまがよくわかって、起業家の生態を知る上で非常に面白い。藤田氏の本もそうですが、アメーバブックスはなかなか丁寧に本を作っているようです。タイトルは?ですが。

橘木俊詔・安田武彦編『企業の一生の経済学』 ナカニシヤ出版, 2006.

●企業の一生についてまとまった研究書。おそらく日本初。多数の著者でやらないと大変なのはよくわかりますが、こういう本はひとりもしくはふたりくらいで体系的な研究書になればなおいいとは思うのですが。。知り合いのひと多数執筆。

野村進『千年、働いてきました』 角川書店, 2006.

●いかにsurviveするのかという視点、アントレプレナーシップを考えるうえでも非常に重要です。近年関心が高まってきている老舗企業について、ジャーナリスティックに書かれている。

玉置浩伸『志は起業を呼ぶ-シリアルアントレプレナーの終わりなき挑戦-』 ファーストプレス, 2006.

●ゴルフダイジェストオンライン創業チームのひとり、玉置氏による自伝。これから起業しようというひとに対する示唆も多いのではないでしょうか。臨場感もありかなり楽しめる。

神田昌典『成功者の告白』 講談社, 2006.

●起業について小説仕立てで学べる。なかなか楽しい。

藤沢武夫『経営に終わりはない』文藝春秋, 1998.

●ホンダ創業からの経緯が、本田氏の右腕と称される藤沢氏の視点から書かれている。ケースとしておもしろい。

江副浩正『リクルートのDNA-起業家精神とは何か-』角川書店,2007.

●リクルート創業者の江副氏による著書。いくつかの解釈は独特かなと思うところがある。読み物としては大変おもしろい。

伊藤良二『成功するビジネスプラン』日本経済新聞社,2005.

●コンパクトに必要最低限のことは書かれていると思います。使い勝手はよいのでは?

神座保彦『概論 ソーシャル・ベンチャー』ファーストプレス,2007.

●内容は良いとは思いますが、内容に対する価格が少し割高かな…。文庫レベルでこういう本が出版されることを希望いたします。

トニー・ダビラ、マーク・J・エプスタイン、ロバート・シェルトン スカイライト・コンサルティング訳『イノベーションマネジメント』英治出版,2007.

●イノベーションはマネジメントできる。突然イノベーションなんて起きない。と当たり前といえば当たり前のことが書いてありますが、結構幻想いだいているひとは多いかも(新しいことしたいとばかり言って何も勉強しないひととか…)。頭が整理されていいと思います。

黒崎誠『起業家の条件』平凡社,2006.

●起業家の紹介。所々根拠が乏しく曖昧な記述があり、ちょっと残念。

松本大 『私の仕事術』講談社, 2006.

●それほど期待していなかったのですが、非常にいい本です。日々研鑽を重ねる経営者の姿勢に頭の下がる想いでした。

藤原和博 『リクルートという奇跡』文春文庫, 2005.

●日本の一大、起業家育成企業のリクルートの秘密が凝縮されている。非常にいい本。

関満博『二代目経営塾』日経BP社, 2006.

●新規創業はもちろん大切ですが、第二創業をきちんと促すことも大切でしょう。多様かつ元気な二代目社長を紹介しております。

レイ・クロック、ロバート・アンダーソン 野路秩嘉監修・構成、野崎稚恵訳『成功はゴミ箱の中に』プレジデント社, 2007.

●マクドナルドの祖、クロック氏の自伝。お話としてはよくわかりますが、孫さんや柳井さんが激賞するほどではないのではという印象。もちろんフランチャイズを行ううえでの試行錯誤に参考となるところはあるとは思います。

杉本宏之『1R(ワンルーム)男-28歳の社長、上場物語-』アメーバブックス, 2006.

●何度も苦境に遭遇しながら立ち直る。諦めずやる若手起業家の日記のような本。若手といっても同世代ですがね。頑張らないと。

BS朝日・矢動丸プロジェクト編『賢者の選択-起業家たち勇気と決断』日本経済新聞社, 2007.

●「賢者の選択」というテレビ番組の本。内容自体は起業家のひとがよく言っていることをまとめただけですが、これだけ一度に集めて読めば何か知見は得られるかも。。

高城幸司『リクルートで学んだ「この指とまれ」の起業塾』日本経済新聞社, 2006.

●高城さんがリクルートで勉強した起業に関する考え方をまとまたもの。リクルートを内外から見ると書いてありましたが、その点はそれほど意識してかかれているようには思いませんでした。

柳井正『一勝九敗』新潮社, 2006.

●いわずと知れたユニクロの柳井さんの本の文庫。思っていたよりいい本でした。もっと小売は変わることができると思います。

畑村洋太郎『起業と倒産の失敗学』文藝春秋, 2006.

●失敗学の畑村さんが起業・倒産についてちょこっと解説した本。深さは限定的。

大下英治『孫正義 起業のカリスマ』講談社, 2005.

●日本のベンチャーの雄といえば、孫正義。孫さんの人間力がよく出ている本だと思います。テンションあがります。

シルヴァン・ダニエル、マチュー・ルルー 永田千奈訳『未来を変える80人』日経BP社, 2006.

●世界の80名の社会起業家、各人について少しずつ記述しております。儲かることなく、社会貢献なんて出来ない。

山口絵理子『裸でも生きる-25歳女性起業家の号泣戦記』講談社, 2007.

●ホンキの社会起業家。日本にもこういうひとがいたんですね。激しく推奨します。で、『裸でも生きる2』『自分思考』も出版されております。

駒崎弘樹『「社会を変える」を仕事にする』英治出版, 2007.

●社会起業家を地でいくひと、そこそこ出てきたんですね。同い年で、人生を考えるときの社会事情も同じで共感できることも多い。

ジョン・W・ムリンズ 秦孝昭、出口彰浩、兎耳山晋訳『ビジネスロードテスト-新規事業を成功に導く7つの条件-』英治出版, 2007.

●新規事業立ち上げ時に参考となることが整理されており、テクニックに終始している本とは一線を画し、いい本だと思います。

安田武彦・高橋徳行・忽那憲治・本庄裕司『テキスト ライフサイクルから見た中小企業論』同友館, 2007.

●学部生向け、ライフサイクルの視点から中小企業論を捉えたテキスト。

樋口美雄・村上義昭・鈴木正明・国民生活金融公庫総合研究所『新規開業企業の成長と撤退』勁草書房, 2007.

●パネルデータによって新規開業企業の成長と撤退について分析。この分野でのパネルデータによる分析は大変貴重。

西澤昭夫・福嶋路編著『大学発ベンチャー企業とクラスター戦略』学文社, 2005.

●いかに有機的につなげるか。なかなかむずかしい課題であります。地域経済を考えるうえでは必ず考える必要のあるテーマだと思います。

近藤淳也『「へんな会社」のつくり方』翔泳社, 2006.

●面白い取り組みをたくさんしている非常にチャレンジングな会社で読んでいてわくわくします。

坪井ひろみ『グラミン銀行を知っていますか』東洋経済新報社, 2006.

●劣悪な環境下にあるバングラデシュの女性に向けて、少額な融資を行い、起業を促すグラミン銀行について書いています。日本の応用可能性も考えていいでしょうねえ。。

大島七々三『社会起業家になる方法』アスペクト, 2009.

●岐阜のG-netも紹介されています。すっきり読みやすい。

山本繁『やりたいことがないヤツは社会起業家になれ』 メディアファクトリー, 2009.

●あっさり、すっきりです。少しもの足らないなあ。

ウィリアム・バイグレイブ、アンドリュー・ザカラキス、高橋徳行、田代泰久、鈴木正明訳『アントレプレナーシップ』 日経BP社, 2009.

●いわずとしれたアントレプレナーシップ研究の第一人者、バイグレイブ先生の本の翻訳です。アントレプレナーシップに関わるひとはマストな本でしょう。やはり非常にいい本です。

真田哲弥+TNK『なぜ、ベンチャーは失敗しやすいのか』 インデックス・コミュニケーションズ, 2007.

●ビジネスプランをKLabの真田さんがざくざく添削しております。ビジネスプランを書く際に参考になると思います。

堀江貴文『判決前夜』 バジリコ, 2009.

●ほぼブログに書かれている内容です。いろいろ思うことはありますが、的を射ているものも多い。

キャスリーン・アレン、北川和子訳『科学者が「起業」で成功する方法』 日経BP社, 2009.

●科学者にとっての「起業」。こういう教育が日本で当たり前に行われることを望みます。

ティナ・シーリング 高遠裕子訳『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義』阪急コミュニケーションズ, 2010.

●意外と(って失礼)ちゃんとしてます。入門アントレプレナーシップみたいな科目があれば、最適じゃないかな?

デビッド・ヴァイス、マーク・マルシード、田村理香訳『Google誕生-ガレージで生まれたサーチ・モンスター』イースト・プレス, 2006.

●遅ればせながらようやく読む。いやー、オモロイ。今までなぜ読んでなかったんでしょ。

ケン・オーレッタ 土方奈美訳『グーグル秘録-完全なる破壊-』文藝春秋, 2010.

●丹念な取材で非常に良くできている。感心。

リチャード・L・ブラント 土方奈美訳『グーグルが描く未来-二人の天才経営者は何を目指しているのか?-』武田ランダムハウスジャパン, 2010.

●さくっと読みやすい。リッターさんとの出会いもちょこっと書いてある。

ゲイリー・P・ピサノ 池村千秋訳『サイエンス・ビジネスの挑戦-バイオ産業の失敗の本質を検証する-』日経BP社, 2008.

●サイエンスとビジネスの相容れなさを指摘。周辺の分析経験があるので、書き手としての難しさはよくわかっているつもりですが、これではちょっと物足りないな。。いや、難しいのはわかるんですけど。

金井一頼編著『大学発ベンチャーの日韓比較』中央経済社, 2010.

●事例は活用できたのですが、日韓で比較する意味付けが薄いかな?

アダム・ペネンバーグ 中山宥訳『バイラル・ループ-あっという間の急成長にはワケがある-』講談社, 2010.

●面白い。最近のネットビジネスを概観するうえでも有益だと思います。

本庄裕司『アントレプレナーシップの経済学』同友館, 2010.

●長いお付き合いの本庄さん。本庄さんらしいなあ。

アナリー・サクセニアン 山形浩生・柏木亮二訳『現代の二都物語-なぜシリコンバレーは復活し、ボストン・ルート128は沈んだか-』日経BP社, 2009.

●現代の二都物語の新訳。紹介し忘れてたようなので。

ベン・メズリック 夏目大訳『フェイスブック-世界最大のSNSでビル・ゲイツに迫る男-』青志社, 2010.

●言わずと知れたフェイスブック物語。今後どう展開していくのでしょうか。誤字がいくつかありましたが、面白い。

デビッド・カークパトリック 滑川海彦、高橋信夫訳『フェイスブック若き天才の野望-5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた-』日経BP社, 2011.

●上記の本より、情報量が豊富で面白い。

上山隆大『アカデミック・キャピタリズムを超えて-アメリカの大学と科学研究の現在-』NTT出版, 2010.

●いい本ですね。ここのところの関心と重なるので、興味津々。

ジェイソン・フリード&デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン『小さなチーム、大きな仕事』早川書房, 2010.

●こういうテイストの本は爽快でいいですね。研究に応用できないかと妄想。

大和田聡子『ないないづくしの起業術』中央公論新社, 2010.

●父の残した「コユキコムギ」を使ったパン屋の起業物語であります。書かれている内容は、どのようなビジネスにも通じるまともなものだと思います。

スコット・A・シェーン 谷口功一・中野剛志・柴山桂太訳『<起業>という幻想-アメリカン・ドリームの現実-』白水社, 2011.

●起業の幻想をデータで否定する。こういう幻想ってどこまであるのでしょうか、否定するには少々データの厳密性が。。というのが感想ですかね?まあ、読み物としてはこれで十分なんでしょう。

藤田晋『藤田晋の成長論-ブレずに、逃げずに、成長し続けるための50のメッセージ-』日経BP社, 2011.

●いいですね。好きです。藤田さんは、いわゆる「起業家」とは違う視点を与えてくれて嬉しい。

リチャード・ドーフ、トーマス・バイアース 設楽常巳訳『最強の起業戦略-スタートアップで知っておくべき20の原則-』日経BP社, 2011.

●2012年度のアントレプレナーシップのテキストは、これにしよう。

城戸淳二・坂本桂一『学者になるか、起業家になるか-理系の未来は明るい-』PHP研究所, 2011.

●本としての完成度は・・・かな。もちろん、面白いところはいくつもあるのですが。もう少しやりようがあったのかな。。

真田学『「会社を辞める!」と決めてからの、起業ロードマップ』ぱる出版, 2011.

●漠然と「起業」を考えているひとへの導入書かな。。

ビル・マーフィー・ジュニア 藤原朝子訳『ハーバードビジネススクールが教えてくれたこと、教えてくれなかったこと−起業した卒業生3人の10年間−』阪急コミュニケーションズ, 2011.

●HBSの起業家の歴史。それ以上でもそれ以下でもないかな。なぜHBS?というところは大いに疑問です。

安田佳生『私、社長ではなくなりました-ワイキューブとの7435日-』プレジデント社, 2012.

●社長の失敗本。こういう本を出してくれるのは大変ありがたい。

アレックス・オスターワルダー、イヴ・ピニュール 小山龍介訳『ビジネスモデル・ジェネレーション-ビジネスモデル設計書-』翔泳社, 2012.

●ゼミの指定本として改めて読みましたがよく作り込まれた本です。お薦めします。

ティナ・シーリング 高遠裕子訳『未来を発見するためにいまできること』阪急コミュニケーションズ, 2012.

●シーリング本、第2弾です。クリエイティビティは、産まれながらものではない!アントレプレナーシップも同じ(かな?)。

リード・ホフマン、ベン・カスノーカ 有賀裕子訳、伊藤穣一序文『スタートアップ!−シリコンバレー流成功する自己実現の秘訣−』日経BP社, 2012.

●リンクトインのホフマンによるアントレを学ぶ意味を教えてくれる本です。極めて常識的だと思います。

上阪徹『リブセンス<生きる意味>-25歳の最年少上場社長村上太一の人を幸せにする仕事-』日経BP社, 2012.

●最年少上場を果たしたリブセンスの村上さんについて書かれております。ちょっと著者のフィルターがかかっているのは気になりますが、いいんじゃないでしょうか。楽しいです。

澤田秀雄『運をつかむ技術』小学館, 2012.

●いわずとしれたエイチアイエスの澤田さんの本。ハウステンボスに関しては澤田さんの周辺が書いた本も是非読んでみたい。

塩野誠『リアルスタートアップ-若者のための戦略的キャリアと起業の技術-』集英社, 2012.

●若者向けのアントレプレナーシップ論です。ラフな文体で、気楽に読みたいひとにはいいのでは?

(英語)

Robert D. Hisrich, Michael P. Peters and Dean A. Shepherd, Entrepreneurship (Seventh Edition), Mcgraw-Hill Education Singapore, 2007.

William D. Bygrave and Andrew Zacharakis, The Portable MBA in Entrepreneurship (Third Edition), John Wiley & Sons Inc, 2003.

Jeffry A. Timmons and Stephen Spinelli, New Venture Creation: Entrepreneurship for the 21st Century (Sixth Edition), McGraw-Hill College, 2003.

●アントレプレナーシップに関するテキストとしては、上記の3冊が代表的でしょう。

William A. Sahlman, Howard H. Stevenson, Michael J. Roberts and Amar Bhide, The Entrepreneurial Venture (Practice of Management Series), Harvard Business School Press, 1999.

●ハーバードビジネスレビューやハーバードでの講義などをもとに網羅的に構成されている。

Zoltan J. Acs and David B. Audretsch, Handbook of Entrepreneurship Research: An Interdisciplinary Survey and Introduction, Kluwer Academic Publication, 2005.

●近年のアントレプレナーシップ研究の動向をまとめた決定版。研究の手引きとしてはいいと思います。

David J. Storey, Understanding the Small Business Sector, Thomson Learning, 1994.

●イギリス中小企業研究の大御所による著書。忽那先生らによる訳本は、『アントレプレナーシップ入門』

Vijay Sathe, Corporate Entrepreneurship: Top Managers and New Business Creation

, Cambridge University Press, 2003.

●社内ベンチャーについて、かなり詳しく書かれております。