2.2.19 花見川河川争奪のまとめ
シリーズ 花見川地峡成立の自然史 -仮説的検討-
第2部 花見川河川争奪に遡る その19
花見川河川争奪について、これまで検討してきたことがらの要点を次にまとめました。
1 花見川筋の自然地形復原
花見川筋は江戸期印旛沼堀割普請及び戦後印旛沼開発で自然地形と水系が大幅に改変されました。
従って、開発前自然地形と水系を復元認識することが花見川河川争奪を考察するための必須前提条件です。
開発前自然地形と水系は古地図(小金牧野絵図、17世紀中葉作)及び現地調査から次のように復元できます。
図-1 東京湾水系と印旛沼水系の分水界
図-2 東京湾水系花見川と印旛沼水系河川の流域界
2 花見川河川争奪のまとめ
花見川河川争奪の検討結果を次の表と図にまとめました。
表-1 花見川河川争奪のまとめ
図-3 一般的河川争奪原理と花見川河川争奪原理の差異
表-2 新たな河川争奪タイプ(様式)の分類
静的河川争奪は鈴木隆介著「建設技術者のための地形図読図入門 第3巻段丘・丘陵・山地」(古今書院、2008)による。
図-4 花見川河川争奪の成因 2つの水系のV字谷の地理的位置関係
図-5 2つの水系のV字谷(頭方侵蝕)前線
図-6 花見川河川争奪の地形面モデル
図-7 花見川河川争奪が生起した年代
花見川河川争奪に関する検討はさらに詳しく検証したく、幾つかの具体的課題に取り組みたいと考えています。
しかし、その取り組みは後日とし、このシリーズの「第2部 花見川河川争奪に遡る」はこれでひとまず終了します。
次は「第3部 印旛沼筋河川争奪に遡る」に入りたいと思います。
2014.05.08 ブログ「花見川流域を歩く」記事