FXCMの行政処分から実態を把握する

Post date: Jul 4, 2012 7:56:43 AM

FXCMが以下の様な行政処分を受けた。これによって浮彫になった事を簡単にすると。

  1. システムがどのように運営されているかは、知りません。また障害の時に何をしていいか分かりません。
  2. 本来約定すべきレートとは異なるレートで約定させていたが、何でか良く分かりません。また、改善しようとはしてませんし、今後、同じ事が起こってもどうしていいか分かりません。
  3. 客が上記の約定問題に気がついた時だけ対応してます。気が付かない客は放置です。
  4. 以前に、アメリカでもこの辺の約定問題に関して行政処分を受けてますが、継続して問題はそのままです。

という事です。なんとも大々的に宣伝している内容には程遠いクオリティというように思えます。FXビジネスでシステムを把握してないというのは最もありえない事なんですけどね。。。

平成24年7月3日関東財務局FXCMジャパン証券株式会社に対する行政処分について
1.FXCMジャパン証券株式会社(以下「当社」という。)に対する検査の結果、以下の法令違反行為が認められたことから、証券取引等監視委員会より行政処分を求める勧告が行われた。(平成24年6月19日付)
(1) 業務運営に関し重大な問題が認められる状況
当社は、インターネットを経由した通貨関連店頭デリバティブ取引(以下「FX取引」という。)を主たる業務としており、外部委託先であるForex Capital Markets,LLC(当社の米国籍のグループ会社。以下「キャピタル社」という。)が提供するシステム(以下「FXシステム」という。)を使用して業務を行っている。
① システムの管理及び運用状況に重大な問題が認められる状況
当社は、システム障害発生時に必要な対応手順及び手段を具体的に定めておらず、また、FXシステムの管理及び運用についても、金融商品取引業者として、その業務の根幹をなすFXシステムの基本的な内容すら把握していない状況にある。
更に、当社では、本来約定すべきレートと異なるレートで約定が成立するなどのシステム障害を含む様々なシステム上の問題(以下「システム上の諸問題」という。)が繰り返し発生しており、このなかには発生原因が把握されていないものも認められている。当社は、こうしたシステム障害への対応について、キャピタル社の調査結果をそのまま受け入れるのみであり、システム障害が顧客に与える影響やその発生原因について主体的に調査・検証を行っていないなどの状況にある。したがって、当社では、今後も同様のシステム上の諸問題が発生する可能性が十分にあり、顧客取引に影響を与えかねない状況となっているものと認められる。更に、当社において重大なシステム上の諸問題が発生した場合、当社で適切に対応することは困難な状況となっているものと認められる。
② 顧客対応が杜撰な状況
上記①のとおり、当社においては、システム上の諸問題が繰り返し発生しているが、当社は、システム上の諸問題に係る顧客対応について、顧客からの照会・苦情があったものについてのみ対応し、他の関係する顧客に対し必要な対応を取っていない事例が認められた。また、当社のFX取引のカバー先でもあるキャピタル社が、FX取引において発生したスリッページに関し不当な取扱いを行ったとして米国内で処分を受けたが、当社は、その影響が当社顧客へも及んでいるにも関わらず、当社の責任につき問題意識を持つことなく、特段の顧客対応を取っていない。
このように、当社は、システム上の諸問題等に伴う顧客対応について主体的に取り組んでおらず、関係する顧客に対し必要な対応を取っていないものが多数認められ、本来であれば訂正処理等を行うべき顧客取引を放置しているなどの状況が認められた。
当社における上記①の状況は、当社の業務の根幹をなすFXシステムについて基本的な内容すら把握しておらず、システム上の諸問題についても、当社には主体的に原因究明等を行う姿勢が認められず、今後、当社において重大なシステム上の諸問題が発生した場合、当社で適切に対応することは困難な状況にあるなど、当社のシステム管理及び運用の状況には重大な問題が認められることから、金融商品取引法(以下「金商法」という。)第40条第2号に基づく金融商品取引業等に関する内閣府令(以下「業府令」という。)第123条第1項第14号に規定する「金融商品取引業等に係る電子情報処理組織の管理が十分でないと認められる状況」に該当するものと認められる。
また、当社における上記②の状況は、システム上の諸問題等に伴う顧客対応について主体的に取り組んでおらず、当社の顧客対応は極めて杜撰であり、投資者保護上、重大な問題が認められることから、金商法第51条に規定する「金融商品取引業者の業務の運営に関し、公益又は投資者保護のため必要かつ適当であると認めるとき」に該当するものと認められる。
(2) 顧客に必要証拠金の不足額を預託させることなく、FX取引に係る契約を継続する行為
当社は、平成23年8月1日から検査基準日(同年11月16日)までの間に、営業日ごとの一定の時刻におけるFX取引に係る預託証拠金額が取引に必要な預託額を下回っている顧客について、合理的な期間を超えても追加証拠金の入金等がないまま取引を継続させている事例が55顧客57件認められた。
当社による上記の行為は、金商法第38条第7号に基づく業府令第117条第1項第28号に規定する「その営業日ごとの一定の時刻における通貨関連デリバティブ取引に係る証拠金等の実預託額が維持必要預託額に不足する場合に速やかに当該通貨関連デリバティブ取引に係る顧客にその不足額を証拠金等預託先に預託させることなく、当該通貨関連デリバティブ取引に係る契約を継続する行為」に該当するものと認められる。
2.以上のことから、本日、当社に対し、金商法第51条の規定に基づき、以下の行政処分を行った。