最終更新日時: Last modified: 2025-09-01
2025年開催予定の第三十六回ALGIのプログラムです。
※プログラムは暫定のものです。講演希望は開催直前まで受け付ける予定です。
※講演数や講演時間,講演される方のご希望などにより変更される可能性があります。
※今回の発表および聴講は現地にて対面のみです。
13:30 ~ 13:35
オープニング+連絡など
13:35 ~ 14:05
田中康平(信州大学)
演題:Directed homotopy theory for poset-stratified spaces
梗概:古典的な代数的トポロジーは,空間上の可逆なパスに基づいて発展し,基本群や∞-亜群など,可逆性を前提とした代数的対象を解析してきた.これに対し,近年では非可逆な現象や構造を記述するための枠組みとして,「有向代数的トポロジー」と呼ばれる分野が発展しつつある.本講演では,半順序集合によって分割された空間に対し,その基本圏を考察する.また小圏の分類空間は自然な分割を持つが,その有向ホモトピー論的な性質についても紹介したい.
14:05 ~ 14:35
池淵未来(京都大学)
演題:Homological Methods to Equational Theories
梗概:群の公理系は2つの等式からなる同値な公理系を持つが,乗算,単位元,逆元の記号と変数からなるどんな1つの等式も群の公理系とは同値にならないことが知られている.群などの代数系が生成元と関係式で表示されるのと同様に,任意の有限直積を持つ小圏は演算記号と等式公理系で表示され,同値な二つの公理系は同値な圏を表示することが圏論的論理学でよく知られている.この関係を利用し,講演者は有限直積を持つ小圏のホモロジーを用いることで,一般の等式公理系に対して必要な公理の数の下界を求めるような不等式を2019年に導いた.講演では数理論理学の基礎や小圏のホモロジー論を含めたこの理論の解説を行う.
(休憩)
14:50 ~ 15:20
谷口雅弥(理化学研究所)
演題:Substructural Logics weaker than Commutative Lambek Calculus
梗概:標準の Lambek 計算 L(非可換・residuated monoid)に交換は入れず、左導入 ∕Lᵏ・∖Lᵏ を"ᵏ 個またぎ"に拡張して階層 L¹ₑ, L²ₑ, …, Lⁿₑ と極限 L∗ₑ を定義する。これらは L より強く、可換系 Lₑ と比べて同等または弱く、証明能力の分析によって Lⁿ₋¹ₑ < Lⁿₑ ≤ L∗ₑ を厳密に分離できる。L と Lₑ は(可換)residuated monoid に対応する一方、Lⁿₑ と L∗ₑ に相当する代数構造を検討中である。本研究はTACL2024にて発表した内容の解説を含んでいる。
15:20 ~ 15:50
小島良太(京都大学数理解析研究所)
演題:Continuation Semantics and Non-commutative Model Checking
梗概:発表者らが最近導入した様相・時相論理の継続意味論は,古典的なKripke意味論や近傍意味論とメタ理論的な余代数意味論との中間として位置付けられる.継続意味論において,論理式を解釈するモデルは継続モナドの余代数として定義される.この継続モナドは,論理の真理値を表す完備束を応答型に持ち,対象とする論理(二値,実数値など)の意味論的性質を反映する.本発表では,この継続モナドによって導かれる継続意味論が,あらゆる自己関手による意味論を包括しているという「継続意味論と余代数意味論の等価性」を紹介する.また,古典的モデル検査や余代数的モデル検査を捉え直す試みとして,継続意味論に基づく「非可換なモデル検査」の展望を述べたい.
(休憩)
16:05 ~ 16:35
都留海人(神奈川大学大学院)
演題:部分性または非決定性を許すモノイドの別表現の発見
梗概:プログラミング言語の関数は、ただの写像と異なり、部分性や非決定性などの計算効果を許す概念である。部分性と非決定性を許す二項関係を射とする圏をRelという。既存研究では、Rel内のモノイドの圏がべき集合クオンテールの圏と同型であることが証明されている。本研究では、部分性を許さない二項関係の圏Total内のモノイドの圏が、劣乗法的べき集合クオンテールの圏と同型であり、非決定性を許さない二項関係の圏Univ内のモノイドの圏が、整域的べき集合クオンテールの圏と同型であることを明らかにする。
16:35 ~ 17:05
山田瑛嗣(筑波大学大学院)
演題:The Brandenburger-Keisler Paradox and Unknowable Propositions
梗概:In this talk, I will introduce and generalize a paradox called the Brandenburger-Keisler paradox, which is a self-referential paradox that arises from considering higher-order beliefs between two agents. After that, I will analyze propositions that are true but not known or cannot be known, with the Brandenburger-Keisler paradox as one example.
17:05 ~ 17:35
山下拓真(京都大学)
演題:等式理論に対するホモトピー関係
梗概:等式理論が与えられた時、同値な等式理論を表すのに少なくともいくつ式が必要か、という値には、ホモロジーの階数を使って表されるものもある。このホモロジーは等式理論が完備な項書き換え系で書ける場合は計算ができるが、そうでない場合、一般に計算する方法が知られていない。一方で文字列書き換え系においては、完備より弱いFDTという性質を持っている場合にホモロジーを計算する手法が知られている。本発表では、文字列書き換え系でのFDTという性質を等式理論にも導入し、ホモロジーが計算できる範囲を増やすことを目的とする。
19:00〜
懇親会@創作居酒屋 MA hiro(石橋阪大前駅より徒歩3分,予算:1人6000円程度)
10:00 ~ 10:30
福田陽介(京都橘大学)
演題:A modal linear logic: its proof theory and denotational semantics
梗概:様相論理を線形論理体系上で分解した「様相線形論理(Modal Linear Logic)」について紹介する.発表では,既存の線形論理体系の証明論および意味論について概説した後,線形論理体系にS4様相を追加した体系について述べる.様相線形論理の証明論はSubexponentional Linear Logicの部分体系として定式化できることを述べ,その意味論は,いわゆるLNLモデルと呼ばれる線形論理のモデルを拡張した形で与えられることを説明する.
10:30 ~ 11:20
浦本武雄(鹿児島大学)
演題:On a deformation of the absolute Galois group of a number field
梗概:Recently I gave two methods to reconstruct the field structure of a number field K from its Deligne-Ribet monoid. The first method is applicable to the rational and imaginary quadratic fields and intrinsic to the Deligne-Ribet monoid, while the second method is applicable to arbitrary number fields but more abstract, referring to the outer set of certain profinite groups of AGSC-type in the sense of Hoshi. This latter method, nevertheless, has an advantage that it naturally extends to the non-abelian case, yielding a non-abelian variant of the Deligne-Ribet monoid in a group-theoretic way (rather than geometric way). In this talk, I will outline these recent developments.
11:20 ~ 11:35
クロージング+連絡など