プログラム

最終更新日時: Last modified: 2018-08-28

8月27日(月)

13:50 ~ 14:00

オープニング+連絡など

14:00 ~ 14:30

講演者:西村 進(京都大学 理学研究科)

題目:単体数え上げによる分散計算の組合せトポロジー

梗概:

分散計算の組合せトポロジー論においては、分散システムの状態を単体的複体として表し、これがどのように変形するかを記述することでその計算能力を特徴づけることができる。一般に、連結性をより低化させる(より大きな「穴」を開ける)変形は、より高い計算能力を持つことを意味する。本発表では、組合わせ論的方法を用いて、分散計算の組合せトポロジー論において重要な標準色付き細分およびその一般化に対して、次元毎の単体の数え上げを母関数として表示することにより、Euler標数の計算式を与える。これによって分散プロトコルの計算能力について議論する。

14:30 ~ 15:00

講演者:伴 睦久(東京大学)

題目:応用圏論を用いたゲーム理論への構成的アプローチ

梗概:

近年 Coecke et al. (2010)をはじめとする圏論的モデルを用いて,ゲーム理論を構成的に捉え直す試みが進められている.Ghani et al. (2018)等の先行研究を中心に,その動向と課題を紹介する.

15:00 ~ 15:15 休憩

15:15 ~ 15:45

講演者:間庭 彬仁(東京工業大学)

題目:Scott / Parigot encoding の fold / build pattern について

梗概:

Church encoding の fold / build pattern は, inductive type を頂点とする極限錐の性質を表現していることが知られている (N. Ghani et al., 2004). Scott encoding と Parigot encoding に対する同様の表現について考える.

15:45 ~ 16:15

講演者:星野 直彦(京都大学 数理解析研究所)

題目:Partial Traces on Additive Categories and Cartesian Categories

16:15 ~ 16:30 休憩

16:30 ~ 17:00

講演者:西澤 弘毅(神奈川大学 工学部)

題目:Composition of different-type relations via the Kleisli category for the continuation monad

梗概:

本講演では、さまざまな関係的な概念を例に持つ一般的な概念を定義する。例としては、二項関係、多重関係、上に閉じた二項関係、クオンテール値関係、エフェクト関係などが含まれる。この一般化においては継続モナドのクライスリ圏を用いる。この一般化によって、様々な関係的な概念の合成方法を統一的に定義でき、さらに、異なる種類の関係の合成(たとえば多重関係とクオンテール値関係の合成など)も適切な条件の下で可能となる。

17:00 ~ 17:30

講演者:溝口 佳寛 (九州大学 マス・フォア・インダストリ研究所)

題目:位相空間の圏の関係T代数の圏での実現について

梗概:

Saunders Mac Laneが示したのかどうかは定かでないが, 彼の著書には, 超フィルターモナドによるT代数の圏がコンパクト・ハウスドロフ空間の圏と同値であるという結果が書いてある. 一般にT代数は代数系の圏の一般化であるので, 位相空間の圏の部分圏であるコンパクト・ハウスドロフ空間の圏は代数系の圏と考えることができる. そのときの代数演算関数は超フィルターに対して, その位相的な収束点を与える関数である. 代数演算関数の引数が有限個ではなく, 無限の対象であるところが, 我々が通常考える代数演算関数とはイメージが異なる.

M.Barrは関係T代数というT代数の拡張を考え, 関係T代数の圏を定式化した. そして, 超フィルターモナドにより作られる関係T代数の圏が位相空間の圏と同値であることを示した(1970). このことは考え直すと, 代数の圏の代数演算を関数から関係へ拡張することにより, (無限)代数系よりもさらに広い対象(圏)を関係計算を用いて圏論的に定式化出来ることを示している.

本講演では, これらの既存の結果を整理し, 代数計算式変形による位相空間理論の証明の形式化の実現について考えてみたい.

参考資料: LAC2018スライド http://www2.math.kyushu-u.ac.jp/~lac2018/presentations/MizoguchiLAC2018.pdf

19:00 ~

懇親会@燈えん房(とうえんぼう) はなれ (熊本市中心部・下通)。 参加を希望される方は、8/24(金)までに西澤 (nishizawa AT kanagawa-u.ac.jp) にメールでお知らせください 参加申し込みは締め切りました。

8月28日(火)

10:00 ~ 10:30

講演者:長谷川 真人(京都大学 数理解析研究所)

題目:From Linear Logic to Cyclic Sharing

梗概:

トレース付きモノイダル圏とInt構成に関する新しい(しかし大変易しい)結果をもとに、古典線形論理(MELL)から巡回共有構造を持つ単純型付きラムダ計算への翻訳を与える。この変換はおおむね相互作用の幾何に基づくものであるが、名前呼びCPS変換と自然に関係づけられることが、圏論的な考察から示される。

10:30 ~ 11:00

講演者:安部 達也(千葉工業大学 人工知能・ソフトウェア技術研究センター)

題目:局所的データ非競合なプログラムの観測的同値

梗概:

データ非競合性は、任意のメモリ一貫性モデル下におけるプログラム間の観測的同値を与える。しかし、データ非競合性の条件は強すぎるため、あらゆるプログラムに対して仮定できるといったものではない。Owens はデータ非競合性の条件を緩めた三角非競合性と呼ばれる性質を提案したが、これは x86-TSO 下においてのみ観測的同値を与えるものであった。本講演では、データ非競合性と三角非競合性のいずれも複数のスレッドに対して大域的に定義されるものであることに着目し、複数のスレッドに対して局所的に定義される局所的データ非競合性を提案する。局所的データ非競合性が多重コピー非原子的なメモリ一貫性モデル下における観測的同値を与えることを紹介する。また、その観測的同値を利用して効率的なモデル検査を行うことができることを示す。

11:00 ~ 11:15

クロージング+連絡など