回「パーパス経営の実践

■テーマ:パーパス経営の実践 応用

■講   師: 株式会社 POPS クリエイティブディレクター 田中 淳一氏

■ファシリテーター:株式会社 野村総合研究所 坂口剛氏

■参加者:研修生 26名、欠席3名(遅刻1名含)

■日   時:令和4年11月20日(日)10:00~18:00

■場   所:インターナショナルデザインアカデミー

■メンター:鈴木、大城、仲宗根、知念、翁長、大城ㇼ/サポート:市川、久

講師紹介

 株式会社POPS クリエイティブディレクター 田中淳一(たなか じゅんいち)氏            

広告代理店在職中ほぼ全業種の大手企業のCRを担当し、 Creativity for Local、Social、Globalを掲げクリエイティブブティック“POPS”を設立。 シティープロモーション、ブランディング、グローバルPR、商品企画など、現在38都道府県以上で 地方自治体のブランディングを担当。 またグッドデザイン受賞展のクリエイティブディレクターを務めるなど 東京都や官公庁やNPO、大手企業のブランディング、グローバルPRを数多く担当。


1)パーパス・ブランディングの振返り                                       

■パーパス・ブランディングとは?

企業の社会的存在意義こそがビジネスのコアバリューになる

自分たちの存在理由を見つけ、それを生活者に伝えていく

クライアント(事業主)は・・・

意外と自社の強みに気づいていない

時代や生活者のニーズを読みきれていない

言葉として魅力的なものに仕上げられるかに不安がある


【事例紹介】

CASE‗ベストケア

課題:営業拠点が増えケアスタッフのモチベーションの低下、ベストケアの介護の想いが共有されにくくなった

解決への視点:自社パーパスのインナー(介護スタッフ)への共有が必要

取材:3Kであり、死と向き合わないといけない仕事なのに、、、なぜ、介護職を選ぶのか?

パーパスづくりの視点①:クリエイター自身の疑問点を徹底的に解き明かす

>社長だけでなく、多くの現場職員さんに取材させてもらった

誰かの人生の最後のお世話ができるかけがえのない幸せを感じる

仕事であり、家族へのやすらぎをもたらすために存在

(クリエイターが気を付けること)パーパスは言葉のままでは伝播しづらい

 介護職員さんのモチベーション向上と、競争が激化する介護業界の中でのリクルーティングも含

めて、自社ブランドの確立が目的であったので、社員総会で流す動画を作成した

>文章にしてもよいが、動画にしてみてもらうと、、、

社内(インナー)の意思統一だけでなく、採用に向けて(アウター)のプロモーション動画としての活用へ広がった

CASE_明治安田生命 課題~視点①②③~(省略)

パーパスづくりへの視点②:創業者の言葉(想い)から導く

>何故この企業を立ち上げたのか、人の言葉や文献から導く作業も大切。

パーパスづくりへの視点③:社会課題の中で担う部分を探し、企業とつなげる

    >社会課題と企業とのマッチングする場所を探していく

明治安田生命は株式会社ではなく、相互会社。一方的なやさしさや、うちわで完結するやさしさではなく、ひとつのやさしさが、また次のやさしさを誘発していく姿こそが存在価値。

人にいちばんやさし生命保険会社

(クリエイターが気を付けること)

クライアントが受ける反応(アンチに取られないように)も考慮して、保険外交員が営業先で手軽に会社の想いを伝えるための動画を作成する。

CASE_テクノクオーツ 課題~視点(省略)

永遠に風化しない石英ガラスのように

使う人の人生に美しく寄り添うために存在する

パーパスづくりへの視点④:“もの”のパーパスを生活者ニーズから設定する

     >(依頼商品の)特性をニーズと掛け合わせて、どういうストーリーに作る込むかを考える

(クリエイターが気を付けること)

・クリエイティブコンセプト[田中1] とパーパスは異なる 

・ネーミング&ロゴ開発のための「トーン&マナー」を決めると作業がやりやすくなる

CASE‗朝日山@新潟 課題~視点(省略)

朝日山は肩肘張らない日本酒の力で、

大切な人とちょっと深い話ができるコミュニケーションツールになる

(クリエイターが気を付けること)

・太いところを取って自分たちの価値としてブランディングするのはとても有効

細かい差別ポイントにこだわり過ぎると生活者には届かない

・新発売はできなくてもパーパスを設定することで、新役割を開発することはできる

-まとめ-

●パーパスは現在形

●パーパスは、つくるもではなく見つけるもの

●インターナルとエクスターナルの両方を内包する場所にパーパスはある

視点① クリエイター自身の疑問点を解き明かす

視点② 創業者の言葉(想い)から導く

視点③ 社会課題の中で担う部分を探し、企業とつなげる

視点④ “もの”のパーパスを生活者ニーズから設定する

パーパスは企業の存在だけでなく もの、や、ブランドにも設定していくべきものだと思います。パーパス・ブランディング、ぜひ沖縄でも実践してください!

3)ワークショップ(担当企業のパーパス検討)※企業に配慮し発表項目のみ抜粋      

南島酒販

1. 強み・特長 2.社会的課題 の整理 3.パーパスの仮設定 4.講師コメント

工芸の杜⑴

1. 既存のパーパスの調査 2.提案パーパス 3.強み・特長 4.社会的課題

5.講師コメント

工芸の杜⑵

1.パーパスの仮設定 2.強み・特長 3.現状の整理 4.講師のコメント

上間菓子店

1.強み 2.課題 3.パーパスの仮設定 4.コンセプト 5.講師コメント

結の街⑴

1.強み 2.想い 3.社会的課題 4.パーパスの仮設定 5.講師コメント

結の街⑵

1.強み・良さ 2.社会的課題 3.パーパスの仮設定 4.講師コメント

ブルーシール⑴

1.経営理念 2.強み・特長 3.社会的課題 4.パーパスの仮設定 

5.講師コメント

ブルーシール⑵

1.調査のための写真撮影 2.パーパスの仮設定 3.講師コメント

(まとめ)

このようなパーパスづくりを一回やっておくと、企画を作っていく段階でブレることがなくなる。今日は流れでやってみたが、実際には経営者と向かい合いながら2,3カ月は掛かる。また、複数人いて文章を作ることの難しさもわかったと思う。役割を分けるとよいが、遠慮してしまうと言葉の切れが悪くなくなったりする。クリエイターとしてだけでなく、戦略家の立ち位置としてもパーパスづくりを継続してほしい。


4)チームディスカッション                                       

1.「D+DX企業課題取組シート」の説明

■「ありたい姿(パーパスをベースに)」の時期と数字を明確にするとともに、「企業の現状」を整理  

することで、「解くべき課題」を明確にすることが可能。その上で、「取組の方向性」を検討してい 

ただきたい。

■また、「取組の方向性」を具体化するために、まずは「取組の概要と特徴的なポイント」を明示していただきたい。当然ながら、技術や設備、資金、さらには規制の制約なども検討の範囲に入れる。並行して、「競合/類似の商品・サービスの有無」を確認するとともに、あれば、その概要をおさえておく。

■さらに、具体化していくために、「活用できる自社・組織の強み・経営資源」が何かを明らかにするとともに、「事業実施体制」を描いておく必要がある。事業実施体制を検討することで、足りない機能を明確にできるとともに、誰に補完してもらうのかを検討することに繋がる。

■ターゲットが誰かを明確にするために、「ユーザー像と設定価格」を想定しておく。並行して、「想  

定販路・ユーザーへのアプローチ方法」、さらには「収益の流れ・コスト構造・売上等の主要指標

の目標」を明確にしておく。

5)クロージング                                              

次回までにワークショップ:花笠(①観光産業で更新する/②別の産業で新規作成する)

広い視野で沖縄の産業を捉えなおしてほしい。

坂口氏講話

チーム発表