回 大分研修日目
観光地デザイン

回 大分研修会内容報告

回 観光地デザイン

■趣   旨:訪問する「おおいたクリエイティブ実践カレッジ」では、クリエイティブの本質を理解し、企業(商品・サービス)のブランディング、プロデュースの手法などを実践。企業が実際に抱える課題の解決方法や新たな商品の企画などの取組事例を学び、沖縄での今後の活動に活かす。

■講   師:野村総合研究所 坂口剛

■参加者:研修生 24名(1名は家族の都合により不参加)

■日   時:令和3年10月1日() 9:00~15:00

■場   所:大分県観光地(バス移動) 

■メンター:鈴木幹直、大城英樹、山城豊、大城亮子、知念仁志


1.大分デザインフィールドワーク(気づきのシェアを含む) 

フィールドワークの目的

大分及び別府市内で、①地元の特長のある素材を商品化する、②観光地である点に着目し、どのようにファンを増やすかを考える、③モノだけでなくサービスも商品化できないか?2日目のフィールドワークに引き続き、メンターの視点も含めて更に気づきを増やしていく。


気づきのシェア(研修生+メンターコメント)

■:Oita Madeで購入した、カスタムナイフ工房のカッターを早速使ってみました。日常はOLFAのカッターに慣れすぎているものの、手触りがとても良く、だんだん手に馴染んでくれると思います。


メンターコメント:大分は山が多く、木製品もたくさんありますが、

日々使う道具に利用するとより身近に大分の自然を感じられます。

風景だけを記憶で持ち帰るのではなく、モノを通して持ち帰れるのは

嬉しいものです。

■:慶應2年創業の旗屋さんの手作り小物屋さん。すごく安いのに珍しくてお土産に自分用に。商品開発の着目点がなかなかいい!古くなった旗を利用して、材料費0円なので、

トート500円、大きなものでも1100円。沖縄でも、是非やりたいです!

メンターコメント:エコでもあるし、大分の特長が良く出ていて、外から来た人もファンになってしまう商品。地元の人が地元の良さに気づいて商品化したいい事例かもしれません。

■:海地獄で急いでお土産にと買った「海地獄 地獄の青ビール」確認すると、北海道の網走ビール製造でした。「大分県産じゃないからお土産として微妙に渡しづらい」

メンターコメント:お土産にはありがちです。美味しいビールを作りたいという気持ちは分かりますが、観光地という点を考えると、何に重きを置くべきか、考えものです。

■:地獄温泉周辺の歩道、石畳が可愛く整備されていて歩きたくなる道。そして施設内の歩道も同じ石畳。施設の中と、周辺の道が同じテイストで整備されているのは、県の景観条例?とか何か県主導や公費で整備をしたのかもしれないと思う。

とにかく「歩いていて楽しい」は大事だなと思いました。

メンターコメント:施設の中と周辺の道が連動して流れを作っているのは、楽しい気持ちを途切れさせないためにもいい工夫。

■:柚子、カボスの七味。友人が作っているシークワーサーの七味も、(小瓶販売だけなので)小袋やミニ缶などバリエーションを増やし、自宅使い派にもアピールが大切だと感じました。

沖縄のお土産は瓶・缶・箱、時々お得パック〜まではよくあるのですが、自宅使用で、容器のコストを抑えた上にバリエーションも増やす提案したいと思います。

(海地獄の駐車場、レンタカー少なくて、地元大分のナンバーが八割~って感じだったので地元客にも目を向けないと!)

■:地下道のアートが、かっこよかったです。まちにカラフルな絵があることは、今までみたことがありましたが、黒は新鮮でした。

メンターコメント:「地下道アート」という看板が地上にも出ていましたね。確かにカラフルな色が地上にあふれていると、趣向の変わった地下道はドキッとさせて印象に残りやすいかもしれません。

■:観光案内をお願いすると、地元の方にいろいろ勧めていただきました!大分の方とても丁寧に教えてくださるので、また来たいと思いますね。このホスピタリティ見習いたい。

■:街全体がとても雰囲気があって、何を食べても美味しく感じます。

メンターコメント:「美味しい街」というキャッチフレーズも観光資源になるかもしれません。温泉で癒される街だけでなく、その湯気を使った料理も一役買っていました。


■:老舗の「友永パン」待ち時間のための、日傘も貸し出しがあり、店員さんの心配りも素敵でした

メンターコメント:「友永パン屋」の創業は大正5年。100年前から営業しており、今でも行列が絶えないとのこと。店構えだけでなく、価格も長年変えずに、自信のほどを伺えます。その自信に胡坐をかくことなく、気遣いもこまやかなのが、きちんとしたビジョンを感じます。

講師の黒川さんが「指名買いされる」のがブランドだと話していましたが、なぜ「指名買いされるのか?指名買いされ続けるためには?」ということを考えていきましょう。


■:流れてくるお湯を竹を使って冷やす事に感動しました。

メンターコメント:観光地として、県や市町村だけでなく、一社一社が景観を大切にしていると風景が馴染みます。


■:大分県の美術館は、立地もよく座るスペースがたくあった。高齢のご夫婦が何組もいらっしゃっており昨日の「家計支出」の数値から読み取れるように生活の余裕を感じた。

■:美術館は沖縄だと展示を目的に行くが、ここでは景色や空間を楽しむために来たいと思わせる。

■:佐藤防水店。昨日講話を聴いた後に店舗を訪れると、普段見えないモノが見えてきました。

メンターコメント:

この周辺が景観保全区域ではありますが歩道にもこのような

レンガの施しがあったのですね。地域の価値をどのように上げていくか、佐藤防水店はいい参考になりまた。

■パッケージの見せ方で、「三線の音色と私」のようにいろいろな見せ方がある(図8)

■:かぼすサイダーを頂きました。かぼすの搾り方は、皮を下にすると香りが残りやすいとのガイドあり

ました。売る人の大切さが分かります。

メンターコメント:まさしく、売り手は伝える役目があり、何を伝えるのかは売り手次第ですね。今は、いい商品を作るだけでは売れない時代です。何をどう伝えるか、作り手、売り手、そしてクリエイターがその間に入ってコーディネイトしていきたいものです。

■:湯気がすごい街の様子。配管だけでなく、地面からも湯気が立ち上っています。どこにいても別府を意識します。

メンターコメント:あえてではないと思いますが、地面から湯気が立ち上る風景は替えのきかない観光地の代表選手ですね。整備しすぎないという選択もありそうです。


■:沖縄では壁に直で描き込む看板だが、石の大分は掘るのか。さすがだと思いました。

メンターコメント:歴史ある理髪店ですね。沖縄では歴史的に価値のある建物もなかなか残りにくいですが、クリエイティブで変えられないものでしょうか?


■:地獄のトイレは、鬼専用。サインがオニでした。ユーモアも交えて、観光をアピールするのが面白いと思う。

メンターコメント:風呂に入る鬼がトイレマークになる。クスっと笑わせて街を楽しく散策させるのもホスピタリティの一つかもしれません。

研修風景