第2回「ビジネスモデル研修」

■テーマ: デザインを活用することの意義

■講   師:㈱honsyoku大森 愛氏、NAHODESIGN 松野奈帆氏

■ファシリテーター:野村総合研究所 坂口剛    

■参加者:研修生 27名 ※オンライン1名(体調不良1名)・欠席1名(体調不良)

■日   時:令和4年9月17日(土) 13:00~18:00

■場   所:専修学校インターナショナルデザインアカデミー 

講師紹介

株式会社honshoku プランニングディレクター 大森 愛 

伝統工芸や地場産業のPRに特化した企業にて日本全国の職人や工房を訪ね歩き、それぞれの歴史や文化、想いに耳を傾けながら、あらゆる事業に参画し企画・伴走。2020年からは食の学び舎フードスコーレの副校長としても活動中。

NAHODESIGN代表 松野 奈帆   

商品開発などのプロダクトデザインから、商品群のブランディングまで幅広いデザイン業務を行う。ヒトを中心に捉えた本質的なデザインを目指し活動中。グッドデザイン賞など受賞歴多数。

1)事例紹介(1) 講師:㈱honsyoku 大森 愛氏

①自己紹介

②これまで取り組んできた事業

  (個人事業として4年目、クリエティブ系人材育成、民間企業プランニングディレクター、ファシリテーター)

  役割や肩書き、プロジェクトの大きさではなく理念に対する共感軸でジョインしている。

a.大分クリエイティブカレッジ、SOKA CREATIVE LABの企画運営

b.熊本県、川尻地域の滞在型観光開発プロジェクトのディレクション、広報戦略

c.岐阜県石轍白洋品店 プロモーション、プログラムの企画立案・運営

  d.食の学び舎フードスコーレ 副校長 プログラムの立案・運営

  e.品川エトワール女子高等学校「食と環境」をテーマに非常勤講師として授業

  f.ノアソビSDGSライター、JapanMade編集部、70seedsメディア編集部など

③活動において大切にしていること

・自分にとって、社会にとって必要なアクションは何か?

・「常識」それは誰のあたりまえなのか?>社会?行政?業界?企業?>固定概念?

・「パーパス」>何を作り、または成し遂げるための行動=社会貢献への一助になっているか?

 ・「役割」>その企業や企画、プロジェクトの中で私は何を求められているか?何が最適化を都

度見極める。「自分ができること」ではなく、「プロジェクトで必要なこと」が重要

 ・「反復」>小さな学習&実践(PDCA)を反復することで、セレンディピティに出会う確率を増やす=企業の空論で終わらせない

・「ツール」「手段」と「目的」を履き違えない

2)事例紹介(2) 講師:NAHODESIGN 松野 奈帆氏

①プロフィール

②プロダクトデザインとは

③仕事の領域

モノ・情報・空間の関係は明確な線引きが無く,

グラデーションで繋がっている.

④仕事の考え方

a.コーヒードリッパー「FLOWER DRIPPER」 最高の味を引き出すカタチ“フラワー形状”

クライアントのこだわり、開発の目的などを慎重に聞き取り、コンセプトを立てた上で販売を見越したデザイン提案を行い、「CAFEC」海外展開まで寄り添う

b.子供向けの福祉機器

車椅子に移動をけん引する機器を取り付け、子供が自分の意志で移動できる機器。子供が怖がらないようにキャラクターを配したかわいいデザインを産学官で取り組む

c.高齢者用椅子の開発

看護大学、産業科学技術センター、芸大+中津家具株式会社の産学官連携により, 3年掛かりで実現化。

⑤デザイン思考のプロセス

共感⇒問題定義⇒創造⇒試作⇒テスト⇒円形で続く

企業さんからの依頼の多くは, 仕様が確定した後で, 見た目の美しさだけを要求されることが多い. しかし, それでは最適なデザインができない。もっとモノづくりの上流から相談してもらえるともっといいデザイン=人が中心のデザインが実現できると思う.

想いを対話を通して共感し, それを人間中心設計や客観的な評価により実現化を目指すプロセスがデザインだと考えている.

対話型質疑応答

3.WS 「現状分析-沖縄版-」                                                   

1. 前回の振り返り

2. 課題を特定するための現状分析①

本日の課題「シークワーサーの生産者の現状分析をする」

(ありたい姿)安定的な収益性を高める

① ありたい姿を理解しつつ関連するファクトをしっかり整理する

誰かにとってのありたい姿=ビジョン/パーパス

現状(見えている事象)=内部環境分析/外部環境分析

               SWOT 分析 PEST・5Force分析

     SWOT分析

自社及び製品・サービスのS=強みとW=弱み(内部)とO=機会とT=脅威(外部)

内部:コントロールできるもの

外部:コントロールできないもの

・外部は関係者ヒアリング+追加リサーチ


     PEST・5Force分析

外部環境の変化をとらえる9つの視点(これで機会と脅威を探る)

〈緑チーム回答〉

強み×機会を考えた際、県産ブランドとして県外に売り出す⇒ブランディングを行い、希少性を高めて単価を上げる

〈桃チーム回答〉

安定させるなら加工品にする⇒加工品が作れるパートナーを探る⇒どういう加工品を作るかが課題

〈黄チーム回答〉

利益が出ていない(たくさん売るか高く売るか)⇒高く売れている商品がない⇒県内消費をされてない(価値が浸透されていない)

〈赤チーム回答〉

研究機関と組んでの新品種の改良、加工の技術革新

〈青チーム回答〉

価格を上げる⇒インパクトのある新商品開発(価格に左右されない商品開発)⇒海外・県外への販路拡大

5.クロージング                                              

現状理解の重要性

SWOTのOTをしっかり分析する

ありたい姿を企業の方とパーパス設定し、粒感や必要性を確認しながらスタートする

ワークショップ風景

大森氏セミナーの様子

松野氏セミナーの様子

坂口氏によるWS課題の説明