第7回 企業課題ヒアリング研修
※ヒアリング詳細については協力企業の希望もあり、詳細は公開しておりません
■趣 旨:沖縄のものづくり企業から5社に協力いただき、商品力、販売力、告知方法などについての課題をご提供いただく。その課題を基に、チームに分かれて付加価値の高いビジネスモデルを構築する。今回はヒアリングを実践しつつ企画作りのキックオフとなる。
■講 師: 野村総合研究所 坂口剛氏
■参加者:研修生 24名
■日 時:令和3年10月30日(土) 13:00~18:00
■場 所:専修学校インターナショナルデザインアカデミー
■メンター:鈴木幹直、仲宗根真、山城豊、宮木健一、大城亮子、知念仁志
講師紹介
株式会社野村総合研究所 プリンシパル 坂口剛
繊維産業や生活文化産業を中心に、省庁の政策立案支援や民間企業の事業開発、地域における創業支援などに従事。付加価値向上に繋がる事業やサービスの開発を専門とする。
1.ヒアリングを行う前に
本日の進め方
① 企業からの情報共有・ヒアリング
② 関心企業の共有(各自プレゼン)
③ フリートークを通じて、緩やかにチーム作り
④ チームができ次第、事務局にお知らせ
⑤ 適時、作戦会議
企業提案に至るまでの3つのポイント
1. 筋の良い課題の設定、仮設設定を行う(企業が提案する課題は本質なのか?を疑う)
2. 多面的に検証を行う(リサーチ:競合は?新規性は?)
3. 具体的・現実的なソリューションを提示する
最終提案まで問いかけ続ける3点
※この3つに応えられないソリューションは実現化しないか、継続しない
1.その商品・サービスは面白い/新しいのか
―ユーザーの潜在欲求を狙い撃つ―
2.なぜ、あなた(想定企業)がやるのか?
―企業の立ち位置、強み、制約―
3.つまりはもうかるのか?
―持続可能性―
公益性の高いものであれば、別の目標指数(例えば、沖縄県のファンづくり)を設定してそれを目指す
2.ヒアリング実施 ※ヒアリングの詳細は別途内部のみに公開
1)南風堂㈱ textile+Factory、and㈱ 久場睦幸氏
〈ポイント〉
・南風堂の「ぐすく花織」の特長
・目的は、世代・未来の若者に「沖縄の伝統柄織」を残すこと
●課題は、①ブランド築構築、②既存織を活用して未来に繋ぐデザインにしたい
③沖縄織柄を魅力的に発信する
2)南都物産㈱ 久高友勝氏(城戸さん)
〈ポイント〉
・手作りの要素が強いため生産量に限界がある
・特長:国産の小麦粉利用、パイン、マンゴー、黒糖、紅芋、石垣の塩など県産バリエーションなど
・沖縄テイスト以外の初ちんすこう・健康志向の焼き菓子(オーガニック オーツ麦)
・カタログ、コーポレートサイトを制作中、情報発信や、ロゴ、グッズを制作中
・保育園、小学校、中学校で給食用に採用あり
●課題は、自社ブランド「ちんすこう」の県内販売拡大(ブランド力の向上含む)
3)㈱沖縄県物産公社 赤嶺貴子氏
「銀座わしたショップ 地下売り場活性化にむけて」
〈ポイント〉
・お客様は、商品を買うために来たというより「沖縄好き」「沖縄ファン」が多く、滞在時間が長い
・銀座わしたショップ周辺は、現地に行かなくても行った気になるアンテナショップ巡りの地域
・「沖縄LIFE」などの紹介などの試みをしている、「沖縄より沖縄らしい」と表現される
●課題は、座わしたショップ地下への集客をアップさせ、売り上げ拡大を目指したい
4)㈱ファッションキャンディ 仲宗根亜登夢氏
〈ポイント〉
【観光商品を定番商品へ】
●課題は、コロナ渦で観光への依存が露呈 今後県内の消費者へ食べて頂くための変化に臨む
【オールドアップルパイ認知獲得】
●課題は、昔ながら自社で手作り自慢のアップルパイ、県内の方に知ってもらい食べて頂くに、認
知だけではなく売り上げにも繋げて行きたい
【EC売り上げ向上】
●現在のECサイトはあるが注文が少ないので、継続的に購入して頂く為には?
5)沖縄県ものづくり振興課 山下ひかり氏
〈ポイント〉
・沖縄工芸の課題は①高齢化、後継者の減少 ②市場ニーズへの対応 ③脆弱な経営基盤
・拠点施設として、①全産地の工芸品が見ることができること ②工房の貸し出しによる人材育成 ③Webを含め情報発信の強化
・運営は指定管理者が担うので、そこが有料・無料でイベントや貸し出し、販売を行う。
・立地は、豊見城址公園の跡地にあるので、緑豊かな文化的な場所。
●課題は、「アクセスの課題」 何かのついでに寄ることが難しい
・工芸品購入は20~40代の女性が多い。施設を活用する方々そのものが施設のコンテンツとなるような仕掛けが欲しい
① 沖縄県民の方が参加したくなる「工芸の杜」を活用したイベント提案
② 空手会館や豊見城城址公園など周囲との関りで相乗効果を上げるイベント提案
③ ①、②のイベントを効果的に周知する広報の方法
3.チーム作り
●南風堂「チーム名: 未定 」7名(兼任
リーダー我那覇、宮城、平井、渡嘉敷、市川、 (サポーター:玉城、徳平、竹内)
●南都物産「チーム名:なんと!(仮)」4名
リーダー新垣、小泉、駒井、西平
●物産公社「チーム名:わしたのした」6名
リーダー翁長、竹内、杉本、赤松(サポート平井、青木)
●ファッションキャンディ「チーム名:チームアップルパイ」7名
リーダー林、玉城、神戸、知念、
●沖縄県ものづくり振興課「チーム名: 未定 」7名
リーダー稲嶺、青木、仲間、城戸、徳平、加島(兼:西平〉
●まとめ(坂口):こういう機会は大人になってからはなかなかできないので、ぜひ楽しみつつ真剣に取り組んでほしい。
次回までの取組としては
・人数の多いチームは、タスクを分担しておく
・メッセンジャーのグループを作って連絡を取りやすくしておく
4.補助金概要案内(竹内)
自分たちが持っている商品やあらたなパッケージを作る、設備投資までできる補助金メニューもあるので、こういったものもあることを頭に入れておく。
研修風景
コロナ感染防止徹底のため、3グループは間隔をあけて設置、2グループはそれぞれ別部屋を設定することでパネル越しでも会話がしやすくなった