島根県 吉賀町
認定番号 10
2010年(平成22年)認定
吉賀町は平成17年10月に旧六日市町と旧柿木村が合併してできた町です。島根県の南西部に位置し、総面積336.50k㎡、林野率は91.6%です。周辺部には安蔵寺山をはじめとする1,000m級の山々が嶺を連ね、町の中心部を東西に一級河川高津川が貫流しており、水と緑に囲まれた農山村地域です。
暮らしの知恵と自給的暮らしを実践する
有機農業と水源のまち
中国山地のど真ん中で、町の92%を占める豊かな森林は、水質日本一になった「高津川」の水を育みながら、温泉施設「ゆらら」と「はとの湯」で木質バイオマスの燃料にも利用されています。「有機農業と水源のまち」の名のとおり清流高津川の水源地「大蛇が池」では雨乞い神事が行われるなど「高津川」は暮らしに密着しています。
清流の恵みを生かした「有機農業」は、「命」を育む営みとして1980年頃から始まり、代々伝えられてきた「暮らしの知恵」の継承と「自給的暮らし」の実現を目指しながら町全体に広がりを見せています。
島根県吉賀町 町長
岩本一巳
高津川は本流にダムが一つもない全国でも珍しい一級河川で、2006年から毎年のように国土交通省の水質調査で日本一に輝き、ゴギやヤマメなど貴重な淡水魚類の宝庫となっています。その水源の大蛇ヶ池は平成の名水百選に選ばれており、毎年、雨乞い神事が行われています。
町内には泉質の異なる2箇所の温泉施設があり、棚田百選に選出された大井谷棚田、コウヤマキ自生林等が住民の手で守られています。カタクリやシャクナゲなど地域資源を生かしたイベントや石見神楽などの伝統芸能も盛んです。
また、地元の米、大豆、野菜等の農産物を味噌、漬物、お餅、こんにゃく、その他様々な加工品に活用し、道の駅やアンテナショップ、町内外のスーパー等で販売しています。生産者=製造者であることも珍しくなく、誰もが安心して口にできるものを消費者に提供したいという思いから塩などの調味料にもこだわりを持ち、できるだけ添加物の入っていないものを選んで使用しています。
米(コシヒカリ・きぬむすめ・つや姫など)
清流日本一に何度も輝き、日本で唯一ダムのない一級河川の高津川が還流する、緑豊かな田園峡で育まれたお米をご賞味ください。
わさび
吉賀町の深山で育ったわさびはお刺身、ステーキにあわせて食べると絶品です。
有機野菜
柿木地区で1980年頃から始まった有機農業。そんな有機農業のパイオニアが育ててた安全・安心な野菜をご賞味ください。
ミニトマト
吉賀町の豊かな地域資源によって育まれた真っ赤なミニトマトは甘みと酸味のバランスが良く、フルーツ感覚で美味しく食べれます。
環境保全の取り組み
【有機農業の推進】
有機農業は、環境破壊や生命破壊を伴わない生産方式として提唱され、当町では1980年頃から取り組みが始まっています。技術研修会や有機農業塾等を通し、新規参入者に対する助言・指導も行っています。
【普及啓発、交流活動】
交流情報誌の発行、啓発パンフレットの配布、啓発講演会の開催、田んぼの生き物調査の実施など
【その他】
地域住民による河川浄化活動など
活動の成果
人と人との信頼関係に基づく提携・共生の中で、山、里山、川、農地といった環境資源を有効活用した循環システムの構築を図っており、今後も継続的な取り組みを行っていきます。
今後の展開
有機農業を日常のくらしに浸透発展させ、自然循環を守りながら町ぐるみの健康づくりに繋がるような積極的な取り組みが必要です。
豊かな水を育む山林を守るため、木材の活用等について積極的な見直しと利用拡大を図る必要があります。