群馬県 川場村
認定番号 2
2008年（平成20年）認定
川場村は群馬県北部に位置し、総面積85.25ｋ㎡、林野率86.5％、標高400ｍ～600ｍに集落及び農地が点在する中山間地域です。
日本百名山の一つ霊峰武尊山（2,158ｍ）から南面に開けた大地へ、一級河川の清流が流れています。稲作、果樹、こんにゃく、施設野菜、酪農などの農業、道の駅川場田園プラザ、川場スキー場、観光酒蔵、温泉などの観光業などが盛んです。
武尊山の南麓に広がる、
自然豊かな農山村
川場村（かわばむら）は群馬県の北東部、武尊山の南麓に広がる、自然豊かな農山村です。総面積85.25平方kmのうち約83％を山林で占め、薄根川、桜川、溝又川、田沢川の4つの1級河川が流れます。村名も川の多いところに由来するといわれています。山すそに広がる田園の風景は、「日本のふるさと」そのもの。四季折々に風光明媚な森と川と田んぼの広がる緑豊かな田園理想郷です。年平均気温11度で夏は涼しく、さまざまな高原野菜や果物が採れ、農業が盛んです。武尊山から湧き出る天然水で育てたブランド米「雪ほたか」は、おいしい米として知られています。冬は山岳地帯では最大2～3mの雪が積もり、ウインタースポーツが盛んです。村の人口は約3,300人ですが、人気の道の駅「川場田園プラザ」や川場スキー場、のどかな田園風景などがあり、年間約200万人の観光客を集めています。
群馬県川場村 村長
外山京太郎
道の駅川場田園プラザは「観光長官表彰」に輝き、国土交通省から全国モデル「道の駅」に選定され、連日賑わっています。また、都市と農村の交流の先駆けとして注目され、昭和56年に締結された東京都世田谷区との縁組協定は４０周年を迎え、その間多くの事業を展開してきました。
特産品の代表格はお米です。かつては、市場に出回らない「幻の米」でしたが、ブランド化を進め、川場村こしひかり「雪ほたか」と命名、生産組合から株式会社へ、さらには村によるライスセンターの整備、品質向上に向けた栽培講習会などを実施してきました。昭和３年の記録に川場村のお米が宮中行事である新嘗祭に献穀され、以来幾度も献穀されております。令和元年の大嘗祭にも献穀されました。
林野率 86.5％のこの村の森林を活かし、産官学連携の「グリーンバリュープログラム」を通じ、適切な森林整備、木材加工、小規模バイオマス発電をすすめ、農業、観光、森林、林業で元気なふるさとづくりに取り組みます。
雪ほたか
日本百名山の武尊山より湧き出るミネラルたっぷりの天然水と、生産者の丁寧な管理で育ったブランド米コシヒカリ。新嘗祭・大嘗祭にも献上され、また米食味鑑定コンクールで金賞を数々受賞している。
りんご
あかぎ、陽光、新世界、秋映、ぐんま名月、ふじなど、多品種を栽培。栽培に適した気候と標高にあって、りんごの里として知られる。縁組協定先の世田谷区のイベントでは必ず売り切れるほどの人気がある。
ブルーベリー
群馬県品種のおおつぶぼし、あまつぶぼしが代表的。粒の大きさが特徴で、甘みと酸味のバランスが絶妙。生産量は国内屈指。
ぶどう
藤稔、ピオーネ、ゴルビー、シャインマスカットなど多種あり。粒の大きい品種が多いのが特徴。絶妙な甘みが特徴。
環境保全の取り組み
地域住民、子ども達の協力を得ながら村内で水田環境調査を行っています。また、地区が各組織を形成し、住民が中心となって、田畑の機能維持、環境保全のための活動をしております。武尊山の雪解け水に代表される名水の里のひとつ「天神地区」では、ホタル川が整備され、ホタルが飛び交う幻想的な夜は、まさに神秘的です。（6月下旬～7月上旬頃）
世田谷区との交流から生まれた「里山塾」「森林ボランティア」との協働作業により、川場村の里山は、人々が憩う処として整備されています。
活動の成果
川場の自然（田園景観・里山）を後世へ繋げるために、「みんなでつくる美しいむら条例」を制定し環境整備に努めています。全国育樹祭が本村で開催され、平成２２年度ふれあいの森づくり賞を全国緑化推進機構より表彰いただきました。農業においては、農作物のブランド化を図り、生産者から消費者へ安心と美味しいを届けていきたいと思います。
今後の展望
環境王国の名に相応しい地域づくりを展開します。世田谷区との交流を発展させること、米に続く農作物のブラント化戦略をすすめること、川場村民が自然と共生する中で新たな産業を起こすことが求められています。市町村合併せずに自主自立の村づくりを選択した川場村にとっては、これまでの「農業＋観光」のスローガンに「森林」を加え、豊富な森林資源である木材の有効活用を通じ、治山、再生エネルギーなど多方面への波及効果が期待されています。
