鳥取県江府町
認定番号 6
2009年(平成21年)認定
鳥取県西部にそびえる中国地方最高峰「大山(だいせん)」(標高1,711m)の南麓に位置する、人口2,500人、面積 124.52k㎡の小さな町です。
鳥取県三大河川のひとつ、日野川と大山山麓に源を発する3本の支流が流れており、町名「江(水の)府(集まる所)」の由来となっています。
持続可能な
「3000人の楽しいまち」
「3000人の楽しいまち」
江府町(こうふちょう)は、日本遺産にも認定された中国地方最高峰「大山(だいせん)」南麓の中山間地域に位置する人口2,500人の小さな町です。西日本有数の豪雪地帯で冬の寒さは厳しく、積雪は2メートルを越えますが、春の訪れとともに雪解け水は奥大山に広がるブナ林に蓄えられ、やがて幾本もの清流となり「河川(江)が合流して中心(府)となす」という町名の由来どおり、良質で豊かな水に恵まれています。
基幹産業である農業では、この「水」と大山特有の「黒ぼく土」、高原地帯の冷涼な気候を活かして稲作に力を入れているほか、白ねぎ、トマト、蕎麦などを栽培しています。また、サントリー天然水奥大山のほか、ミネラルウォーター製造業3社、製氷業1社が操業しており、水を守り活かすまちづくりに取り組んでいます。
鳥取県江府町 町長
白石祐治
地域資源 特産品
西日本最大級のブナの原生林が広がる大山南壁周辺を私達は「奥大山」と呼んでいます。春の新緑、秋の紅葉と訪れる人の目を楽しませるほか、豊かで良質な水の源でもあり、サントリー天然水国内3カ所目の採水地としても有名です。
農産物では、平成25年からブランド米作りに着手。厳しい栽培基準と品質基準を設け「奥大山江府米」の名称でコシヒカリ、きぬむすめ、星空舞の3品種を生産するほか、白ねぎ、トマト、ピーマンなどが特産野菜として栽培されています。
果物では、新規作物として取り組んでいる、鳥取県オリジナル品種の赤梨「新甘泉(しんかんせん)」が瑞々しい甘さで大好評のほか、約10haの規模を誇る観光農園「奥大山ブルーベリーファーム」は夏の観光スポットとして賑わいをみせます。
加工品は、伝統料理「大山おこわ」、地酒「奥大山の雫」、「椎茸しょうゆ」、「奥大山ソバ」の他にクロモジやエゴマ、カモミールなどを素材にした新商品が続々と誕生。道の駅奥大山やふるさと納税の返礼品として人気です。
この他にも、廃校になった小学校跡を活用したジビエ工房「奥大山地美恵」が令和2年にオープン。有害鳥獣として捕獲したイノシシや鹿の肉を特産品として売り出し好評をいただいています。
奥大山江府米
(おくだいせんこうふまい)
(おくだいせんこうふまい)
奥大山の水が育んだ江府町を代表するブランド米で、「コシヒカリ」「きぬむすめ」「星空舞」の3品種があります。慣行栽培と比較して化学肥料窒素成分9割削減、農薬5割削減という栽培基準を守り、厳しい品質基準を満たしたお米だけにつけられるブランド名です。
大山おこわ
古来より大山信仰の道中食として親しまれた江府町を代表する郷土料理です。各家庭で受け継がれた味があり、町内の各旅館でも味わうことができます。
天然水奥大山
(水工場ヨーデル)
(水工場ヨーデル)
国立公園大山の中腹(標高1200m)に広がるブナの原生林に浸透した地下水をボトリング。硬度21の軟水で炊飯のほか、赤ちゃんのミルクにも最適です。
ブルーベリー加工品
(奥大山ブルーベリーファーム)
(奥大山ブルーベリーファーム)
栽培面積10haの日本最大級の観光農園、奥大山ブルーベリーファームでは、40種類のブルーベリーが栽培されています。加工品もジュース、ジャム、ドレッシング、ワインなど充実の品揃えです。
奥大山ジビエ
(奥大山地美恵)
(奥大山地美恵)
迅速で的確な前処理により、獣臭さがありません。夏場はヘルシーで肉本来の味わい、冬場は脂がのり甘みが増し芳醇な味わいです。ジビエの苦手な方にも自信をもってオススメできる一品です。
環境保全の取り組み
奥大山自然塾
休止中の奥大山スキー場を活用し、富良野自然塾(北海道)の分校として令和5年5月にオープン。「46億年地球の道」、「緑の教室」、「1mの地球」の3つの環境教育プログラムを体感的に学ぶことができます。
森林環境保全
サントリーと地域住民が一体となって下草刈、枝打ちなどの水源涵養・森林環境保全活動を行う「天然水の森奥大山」(174ha)では、小学生を対象とした体験型水育学習「森と水の学校」を開催。この他にもブナの実を拾い集め苗木として育てた後に再び山に返す「ブナの実プロジェクト」や間伐材等を搬出し有効利用するなどの多様な取り組みを行っています。
自然環境保全
環境省、サントリー、江府町の三者協定により鏡ヶ成地区の自然環境保全活動を行っています。
活動の成果
環境と人に優しい安全・安心な農産物、農産加工品を「奥大山ブランド」商品として推進し、新規作物や新商品開発の取組が活性化しました。
ブランド米「奥大山江府米」は、美味しさが評価され全国レベルのコンクールで上位入賞できるようになり、産地の活性化に繋がっています。
都市部からの若者の移住・定住が増え、新規就農や地域おこし活動が活性化しました。
今後の展望
ブランド米「奥大山江府米」の栽培規模の拡大と一層の高品質化を目指すとともに、お米に続く特産品の開発にも力を入れ、基幹産業である農業の活性化に努めます。
豊かな自然環境を活かし交流人口の増加を目指し、地域の活性化を図ります。