OS (Operating System, オペレーティングシステム) とは
パソコンを利用する際に、システム全体を管理する基本ソフトのこと。
パソコンのハードウェアは、メーカーやモデルによって同じ分類のパーツ(CPU、マザーボード、グラフィックボード等)でも微妙に動作の違うものが搭載されていますが、利用者が扱う際には同じような操作感でパソコンを扱えるようにOSが管理、調整を行っています。
マウスやキーボードでの操作や、タッチパネルをタップした際にどのような挙動をするかはOSによって違いますが、同じシリーズのOSでもバージョンによって出来ること、出来ないことがあり、操作方法も違ってくる場合があります。近年はスマートフォンやタブレットの普及により、直感的に操作できる、分かり易いインターフェースへと変化してきました。
よく知られているOSではWindows、MacOS、Linuxがあります。また、スマートフォンやタブレットにもOSが搭載されており、Android、iOS等がそれに当たります。
Windows
MacOS
Linux / UNIX
Android、iOS
OSはハードウェアの進歩によっても大きく変化してきました。CPUの性能向上や、HDD(ハード・ディスク)の大容量化、USBによる多様な機能拡張、SSDによる速度向上、WifiやBluetoothなどによる無線通信の進歩などハードウェアは年々進化を続けていますが、それに対応するためにもOSのバージョンアップは欠かせません。
Windows
Microsoft社のOSで、複数のバージョンが存在し2つの系統があります。 MS-DOSの流れを汲むWindows9x系と、主にビジネス向けとして登場したWindowsNT系です。Windows 9x系の開発サポートは終了しており、現在はWindows NT系のみとなっています。
Windows 9x系は個人向けOSとして開発されており、Windows95、98、98SecondEdition、Meがあります。古いMS-DOSとの互換性を維持するためにOSの基本構造に多少の問題があり、動作が安定していません。特に、最終バージョンのWindowsMeはハードウェアの進歩、パソコン用途の多様化に合わせ多機能になったことが裏目に出てしまい、Windows9x系では最も不安定で評判の悪いOSとなりました。
WindowsNT系はWindows9x系とはOSの基本構造が異なっており、高い安定性を持っています。また、動作が重くマルチメディア関連の機能をあまり持たないビジネス向け、サーバー向けOSとして登場しました。Windows 9x系の不安定さを嫌い、NT系を利用している個人ユーザーもいました。
2001年にWindows9x系のマルチメディア関連、Windows NT系の安定性を併せ持つOSとしてWindowsXPが登場します。それまでのWindows 9x系、Windows NT系のOSは問題や不満が残るOSでしたが、WindowsXPでは解決し、長期間利用されるOSとなりました。
WindowsはパソコンOSとして約90%のシェア(2018年1月現在)を誇るまでになり、Windowsで使えることが前提でソフトや周辺機器が開発、リリースされることが多く、ユーザーとしては大変扱いやすいOSとなりました。その反面、ハッキング、クラッキング、ウイルスの対象とされてきており、いたちごっこの攻防を続けています。
Windows や Android は技術情報が公開されて多くのH/Wメーカーが準拠したパソコンやスマホを作っているため、H/Wの価格競争が起こり価格性能比が良くなるメリットがある一方で、外部デバイスやアダプターのH/W互換性には気を遣う必要があります。一方で MacOS や iOS はアップル社が H/W、S/Wを一貫して開発しているためH/W互換の問題は発生しない一方で、多様なソフトや外部デバイスが作られにくい、アップル社製のパソコンやスマホしか選べず価格競争が起きにくい、などのデメリットがあります。
Windows8がスマートフォンやタブレットの影響を受け、タッチパネルでの操作を重視されていたものに対し、Windows10ではマウス&キーボード操作と、タッチ操作のどちらでも使いやすいようにユーザインターフェースが変更されました。また、「Windows 10はWindowsの最後のバージョン」と呼ばれており、従来のメジャーアップデートはなくなり、機能改善や新機能はWindowsUpdataを通じて行われるようになります。
MacOS
MacOSはApple社のOSで、特徴としては早い段階から多色高解像度や色調管理への対応を行っていたため、デザイン、印刷などの業界で好まれ、DTPの分野でも業務用ソフトが充実しています。
世界全体でのOSのシェアはWindowsが高いものの、デザイン、印刷関連などの特定分野ではMacOSが高いシェアを誇っています。また、WinodwsやUNIX等とは違い、MacOSはApple社の製品にしかインストールされていないので、「MacOS搭載のパソコン=Apple社のパソコン」となります。
Linux / UNIX
Linuxは、1991年にヘルシンキ大学の学生リーナス・トーパルズ氏がUNIXをベースに独自に開発したOSです。GPLに基づいて無料で使用でき、ソースコードが公開されていて改変可能となっているため容易にカスタマイズと再配布ができる特徴があります。そのため、広く普及し、世界中のプログラマーがLinuxの開発にかかわっていることになります。
LinuxのもととなったUNIXは、1969年にAT&T社のベル研究所で開発されたOSです。当時のUNIXは、メディア代程度の実費で配布されていたため、大学や研究所、政府機関などで広く普及し、さまざまな派生OSが生まれました。 AT&Tの開発した初期のUNIXはSystemVと呼ばれています。一方カリフォルニア大学バークレイ校が学術目的でUNIXをベースにBSDを開発したため、現在のUNIXはSystemV系列とBSD系列に分かれています。
LinuxやUNIXは、Windows系OSに比べ、ネットワーク機能や安定性に優れており、セキュリティ強度も高いことから、企業の基幹業務用のサーバーや大型計算機、ネットワークサーバーとして利用されています。個人でご利用されているパソコンでUNIX系OSを目にすることは多くはありませんが、一般的に販売されているNASやルーター、HDDレコーダーの一部製品には、UNIX系のOSが使用されています。
また、MacOSXは、BSDをベースに開発されており、Andoroid系のスマートフォンのOSにはLinuxが採用されています。LinuxやUNIXをご存じない方でも、知らず知らずのうちにこれらのOSの恩恵を受けていると言えます。
Android、iOS
AndroidはGoogle社、iOSはApple社製のOSで、どちらも携帯端末用に開発されたOSです。
iOSは初代iPhoneに初めて搭載され、その後、iPad、iPodtouch等にも搭載されています。
リリース当初の名称はiPhoneOSでしたが、バージョン4.0からiOSへ名称が変更されました。
Android、iOSはタッチパネルでの操作が前提となっており、直感的に操作しやすいようにデザインされています。また、両OSともにアプリをダウンロードできるオンライン上のショップが存在し、有料または無料でアプリをダウンロードすることで、色々な用途に利用することができます。
ダウンロードできるアプリの中には加速度センサーを利用したアプリも存在し、携帯端末を振ったり動かしたりして、操作をしたりゲームを楽しむこともできます。
世界での携帯端末におけるスマートフォンのOSのシェアはAndroidがもっとも高く、iOSは二番手となっています。タブレットはiPadの人気が高いことから、iOSのシェアが高いと言われています。日本国内ではiPhoneの人気が高く、相対的にiOSのシェアが高くなっています。
Android は Android社が Linux をベースに開発しましたが、買収した Google社はこれを無償で誰にでも提供されるオープンソースソフトウェアとしたため、多数のH/Wメーカーが Android 搭載のスマホを開発した。近年 Android はゲーム機や家電にも基本ソフトとして搭載されている。