ことばの定義 :
バックアップが必要な理由 :
データは自然災害や機器の破損・紛失により消失してしまう可能性がある。特にデジタル・データは日進月歩で高密度化が進んでいるため、ほんの小さなメディアに何万ページもの文書、何千枚もの写真データが保存できるため、消失した場合の影響も極めて大きい。例えば個人の半生にわたる写真や動画、会社の創立時からの経理データといった極めて大切なものが一瞬で失われることもあり得る。それを防ぐためにデータのバックアップを作成し、安全に保管する必要がある。
さらに自然災害に備えるにはバックアップを複数作成し、同時に被災することのないように記録メディアの一組を遠隔地に保管しておくことも検討したほうが良い。
なおデータのバックアップについては (1)記記録メディア と (2)再生機器 をセットで考える必要がある。なぜなら従来の紙 (書物や写真) と違い、双方が揃わなければデータの再現ができないためである。
出典 : 「第4章 デジタルデータの長期保存・利用について」 (www.soumu.go.jp/main_content/000225130.pdf、総務省) より一部引用。
障害例#1 : 結婚式のビデオがベータ方式のVTRテープに残っているが、自宅には再生装置が無い。子供の記録が8mmテープに残っているが、家の8mmビデオは故障していて動かない。店にも古い装置は売っていない。
対処 : 古い装置が無くなる前に、新しい記録方式へと乗り換えていく。(8mm --> VHS --> デジタル化してDVD --> SDカード)
障害例#2 : 記録方式(フォーマット)や作成時のアプリケーションが古くて、最新のアプリケーションでは使用できない。一太郎 V6で作成した文書(*.jbw)をワード2003で再利用したいが開けない。
状況 : ワード2000で開くことのできる一太郎文書は、V4(*.jsw)、V5(*.jaw, *.jtw)、V6(*.jbw, *.juw)、V7(*.jfw, *.jvw)、V8 及びV9(*.jtd, *.jtt)。一方、ワード2003で開くことのできる一太郎文書は、V7(*.jfw, *.jvw) 及び V8 からV12(*.jtd, *.jtt)
対処 : Word2000を使用して(*.jbw)を開き、直ぐに「名前を付けて保存」で「Word 文書 (*.doc)」で保存をする。
考察 : 時代と共に対応フォーマット、主流ソフトウェアも変わっていくため、データ量は増えてしまうが変換をこまめに行うことが必要。特に、OS(基本ソフト==Windows)もしくはアプリケーション・ソフト(Word, Excel等)をバージョンアップする時は、変換する良いタイミングと考えるべき。古いソフトウェアは古いOS(基本ソフト)でしか稼動しないという制限(特にWindows98を境)もあるため、変換できない古いデーターのために古いPCもOS、ソフトウェアと共に保存しておかなくてはならないこともある。
変換テクニック参照 : 「多数のドキュメントを自動的に Word 形式に変換するには」
長期保存のために考慮すべきポイント :
採用するフォーマットは、こうした要素と、ストレージやマイグレーションにかかる費 用等を勘案して決めることになります。 デジタルアーカイブの実績がある各種機関が長期保存を意識して採用しているフォーマ ットを採用するのもよい方法でしょう。
出典 : 「第4章 デジタルデータの長期保存・利用について」 (www.soumu.go.jp/main_content/000225130.pdf、総務省)
長期保存のための対策 :
出典 : 「第4章 デジタルデータの長期保存・利用について」 (www.soumu.go.jp/main_content/000225130.pdf、総務省)
各記録メディアの寿命 :
メディアにはデーター保存の寿命がある。紙は燃えたり消えたり劣化しない限り文字を保存できるが、デジタル・データーのメディアは主に磁気でデーターを保存しているため紙に比べると有効期間が短い。(磁気が弱まるため) また、新技術に応じで古いメディアが新しいメディアに置き換えられていく。(例、CD --> DVD --> メモリー・カード) よって定期的にデーターの移行を行っていく必要がある。ここでは各メディアの有効期限を調べてみる。
出典 : プチモンテ (https://www.petitmonte.com/windows/digitalmedia_compare_reliabil.html)
バックアップ・レベル :
データーの重要性に応じて、メディアや保管場所・運用等にかける費用、復元ポイント(どこまで戻すのか)、復旧時間(いつまでに戻すのか)を適切に設定する必要がある。そこで参考になるのがバックアップのレベルである。数字が大きい方が重要度・緊急度の高いデーターのバックアップである。
バックアップとリカバリーの必要性は重々判っていても個人事業主、小規模法人のみなさんにとって費用対効果の関係で出来ることと、出来ないことがあります。あえて、大・中企業が行っているような Disaster Recovery (災害時対応)まで費用をかけて行う必要はないと思いますが、まだ何も行っていないのであれば、定期的なバックアップから始めてみてはいかがでしょうか。それだけでもリカバリーに費やす時間と労力(場合によっては損害)を大幅に低減させることができます。
デジタル化の具体例 :
なお、これらは有料サービスとして既に大手メーカーにより提供されています。(フジカラー「リメイクサービス」 http://www.fujifilm.co.jp/remake/index.html など。) 変換するメディアの量が多くない場合は、自前で機器を揃えるよりも、それらサービスを利用した方割安です。