ジムカーナはサーキット走行より手軽ですが、それでも事前の準備をしておくと安全に楽しめます。
初めて参加する前提で「車両」「持ち物」「自分の準備」に分けてポイントをまとめます。
基本的には少し低めからスタートし、グリップが立ち上がる頃にドア表示付近になるように合わせます。
ロードインデックスや車重と相談しつつ、使用タイヤの「おいしいところ」を見つけましょう。
ハイグリップタイヤはサイド剛性が高いため、1.6気圧程度からスタートすることもあります。ドリフトでは1.0気圧以下から始める例もあるそうです。
一方で、65扁平のエコタイヤなどサイドが柔らかいタイヤで空気を抜きすぎると、腰砕けのような不安定なフィーリングになり、トレッド面のブロック飛びやバーストの危険が高まります。適正値を守ることは非常に重要です。
雨の日は、原則として高めの空気圧で面圧を稼いだ方が走りやすいです。
走行後は必要以上に高まった空気圧を、次の出走までに調整しましょう。
使用タイヤを履いたまま帰宅する場合、冷えて空気圧が下がると必要値を下回り、バーストの危険が高まります。忘れずに補充してから帰宅してください。
ブレーキパッドの残量、偏摩耗がないか確認しましょう。(ピストン固着で斜めに減ることがあります)
ブレーキフル-ドの状態も確認してください。古いオイルはフェードしやすく危険です。
走行距離が5,000km以上で未交換の場合、また前回交換時にエレメントを替えていない場合は、走行前に交換することを推奨します。
クーラントは漏れがないか、リザーバーの液量が十分か確認してください。
車内に物があると危険です。原則として、飛んでいきそうな物は全て降ろしてください。ヘルメットやグローブなどのレーシングギアの汚損や取り出しの大変さも走行の支障になります。荷物の置く方法をシュミレートしてみましょう(今回は荷物を置く建屋がありません。プレハブはマーシャル業務と集金業務に使用します)。
フロアマットは走行中に動いてペダルの下に入り込み、クラッチやブレーキ操作の妨げになる可能性があります。少なくとも運転席のフロアマットは外しましょう。
ペットボトルや空き缶など転がりやすい物は、ペダルの下に挟まり操作不能になる危険があるため必ず降ろしてください。
サーキットや大会によっては牽引フックの装着義務や、位置を示す矢印ステッカーの貼付が必要となる場合があります。ボイカーナでは牽引フックの装備義務はありません。
車載のものがある場合は、今後のためにも取り付け方法などを確認しておきましょう
運転に適した靴を履いているか?底が薄く、余計な凸凹が無い靴が理想です。サンダルやスリッパ、厚底などは、操作に遅れが出て危険なので禁止です。
事前に汚れを落としたり、雨の日はペダルや靴底の水分をふき取るタオルを用意しておきましょう。濡れた足元は意図せぬ操作ミスにつながり危険です。
シートポジションを合わせる
まず背もたれを寝かせすぎない。背もたれに腰と背中をしっかりつける。次にハンドルを水平よりやや上側で握る。この時肘の角度が90度くらいが良い。ハンドルを持ち替えずに左右に切って、肩が背もたれから離れない位置にシートを合わせる。
余裕を持ってブレーキ→クラッチ(3ペダルMT車)→アクセルも底まで踏めるか確認(つま先を伸ばすと踏めるはNGです)。場合によってはペダルの底上げも検討してください。
ペダル位置を合わせた時、腕が伸びるようなら、ハンドルの調整や交換を検討してください(ボススペーサーで延長したり、ディープコーンのハンドルに交換するなど)。ホーンボタンの配線を延長しないといけないケースや、近年の純正ハンドルのステリングスイッチ類の処理、エアバッグのキャンセラーなど、交換に伴う作業が発生します(特にハンドルを交換する場合は、根本のナットが非常に固いです、無理にやろうとせず、分かる人に聞いたり、一緒に作業したほうがいいでしょう)。
※特にエアバッグは暴発の危険や、保険料にも影響するので注意しましょう。
慣熟歩行(コース下見)は、走りの成否を大きく左右します。 ただ歩くだけでなく「走るイメージ」を頭に刻むことが大切です。
ジムカーナで最も重要なのは「コースを覚えること」です。
大会では、当日の朝に発表されるまでコースがわからない場合もあります。基本的に毎回異なるため、覚えて走り切ることが求められます。
スタートからゴールまでの流れを頭に入れ、コース図と実際の配置を照らし合わせましょう。
基本は「アウト・イン・アウト」と「スローイン・ファストアウト」です。
コーナー進入時に減速(スローイン)し、クリッピングポイントを経て加速しながら脱出(ファストアウト)します。
例外はあれど、コース幅を最大限に使い、理想のラインを組み立てることがタイム短縮につながります。
各セクションでどちら側を通過するかを確認しましょう。
スラロームは入口と出口を明確に覚えてください。
曲がり方がわかりづらい場所は何度も歩いて確認しましょう。
歩きながらステアリング操作をイメージすると効果的です。
最後は目を閉じてスタートからゴールまで頭で走ってみましょう。
途中で迷ったら、それが覚えきれていない場所です。コース図や周囲の景色を再確認してください。
慌てずに、歩くときからリズムを意識すると走行のリズムに近づきます。
上級者が立ち止まる場所は要チェックです。
慣熟歩行は「どこで削り、どこで稼ぐか」を決める時間です。
自分の走行時間以外は、車両メンテナンスや休憩、他車の観察に充てましょう。
同じ車種や駆動方式で速い車は攻略情報の宝庫です。ラインやブレーキポイントを観察しましょう。
まずは「完走」を目指しましょう。コースを間違えずに走れること自体がスキルです。
初めは操作をスムーズに行うだけで十分です。ライン取りや操作が安定すれば自然とタイムも縮まります。
ボイカーナは、完走を目指す方も、タイムアタックを楽しむ方も、それぞれのペースで挑戦できる場です。安全に配慮しながら、ジムカーナを存分に楽しみましょう。
当日は「FTOのおじさん」が、初心者向けに基本的なコース攻略を慣熟歩行で行う予定です。気になる方は参考にしてください。