「能力・可能性を表す中国語助動詞“能”、“会”、“可以”の教授法について」

要旨

“能”、“会”、“可以”は能力・可能性を表す助動詞である。中国語を始めたばかりの学習者にとってその文法的意味及び三者の使い分けは容易ではないものの、日常生活によく使われる表現であるため、初級レベルの早い段階で学習するのが一般的である。しかし、初級レベルの早い段階では既習語彙や他の文法項目が少ないため、三者の使い分けを説明するのに十分な例を挙げることができない。一方、学習が進むと“了”や“把”構文、各種補語など難易度が高い文法項目が次から次へと現れるため、“能”、“会”、“可以”は指導側にも学習側にも難易度が低い既習項目だと思われ、復習しながら認識を深めることを忘れがちである。そのため、初級の学習を終えた準中級学習者の中には“能”、“会”、“可以”が正しく使えない人が少なくない。学習者の“能”、“会”、“可以”に対する理解度及び定着度を高めるため、準中級学習者の作文に見られた誤用例を分析し、その誤用の起因及び予防策を考え、効果的な教授法を考えたい。