東アジアを出身地とする介護福祉士候補者の日本における生活形態に関する研究

要旨

本発表は現在継続中の研究の中間報告である。近年、日本では急速な少子高齢化の進行と日本人の介護労働従事希望者の減少により外国人介護人材導入への期待が高まっている。そのような中、日本政府は外国人介護人材の受け入れを推進するという方針を立てており、将来的に介護の現場では外国人介護人材が増加していくと考えられている。今後、日本が多くの外国人介護人材を受け入れていくのであれば、彼等を取り巻く生活環境を整えることは人権保障上、また外交面においても肝要である。外国人介護労働従事者が抱える困難に関する先行研究では日本語でのコミュニケーションや異文化適応の難しさ、日本と自国の介護についての概念の違いに対する戸惑い等が挙げられているが、未だ顕在化していない問題点、また、今後生じる可能性がある問題の「芽」も多くあるのではないかと考えられる。それらを発見するには彼等の日常生活を継続的に観察することが有効であると考え、今回、福祉系短期大学で学ぶ4名の外国人介護福祉士候補者を対象にどのような生活形態が形成されているかを調べた。研究方法は約4週間、生活時間シートの記入とライフコーダーの装着を依頼し、加えて2回の半構造化インタビューを行い、その結果を質的に分析・考察していくというものである。