本活動の構想は、発表者①が先学期担当した中上級クラスのある学生が、学期末に「考えるべきだったことを考え始めた」と述べたことに着目し、インタビューしたことに端を発する。その学生は、幼少時から中高生にかけ生きにくさを感じた経験があり、その後、自分らしく自由に生きられる国として日本を留学先に選んだ。しかし来日して以来、その動機と日本語学習をつなげて考えることがなく、それが「考えるべきだったこと」と語った。つまり、クラスでの活動が自身の留学の目的と日本語学習を捉え直す機会となったのである。これを受け発表者①は、上記の学生の例をモデル作文とし、学生が個人的経験に基づく日本語を学ぶ理由を、クラスメイトと共に考えながら書く作文活動を立案した。