(最終更新:2021年7月15日)
「入門演習2」(1回生、前期・水1)
中間部:各教員の研究分野紹介(25分ずつ):安達スライド(2021年5月19日)
後半部
「自由は置き物のようにそこにあるのでなく、・・・日々自由になろうとすることによって、はじめて自由でありうる」。凡そ60年前、このように説いたのは日本政治思想史研究者の丸山眞男(1914-1996)である(『日本の思想』1961年、岩波新書、p.172)。このことは例えば、「平和」についても当てはまるであろう。平和を目指し「国際協力を構築する」という重大な課題に対して社会科学はどのように挑むのか? 丸山に倣えば、常に現在進行中と捉えるべきこの問題を、担当教員と共に学んでゆく。なお、期末レポートとしては、教科書で学んだ考え方・手法を、各自が選んだテーマに当てはめた分析を提示してもらう。
① 国際協力に関わる諸問題を理解するためのゲーム理論的アプローチ(第1章)
② 協調行動の源泉(第2章)
③ 国家間の対立と協調(1)(第3章)
④ 国際社会における相互依存性(第4章)
⑤ 不確実性と情報(第5章)
⑥ 紛争はなぜ生じるのか?(第6章)
⑦ どのようにして平和を持続させるのか?(第7章)
⑧ 地球環境の維持(第8章)
⑨ 国家間の対立と協調(2)(第9章)
⑩ 自由貿易問題を考える(第10章)
⑪ 国際協力のための制度形成(第11章)
⑫ 人間を信じる:たとえ明日、世界が終わりを迎えようとも、今日わたくしは、林檎の苗木を植えるであろう(第12章)
担当:
6月9日:安達、第1,2章
6月16日:Aグループ、第3,4章
6月23日:Bグループ、第5,6章
6月30日:Cグループ、第7,8章(登校可能グループ:A, C, E)
7月7日:Dグループ、第9,10章(登校可能グループ:B, C, D)
7月14日:Eグループ、第11,12章(登校可能グループ:A, B, E)
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教科書:
岡田章『国際関係から学ぶゲーム理論 国際協力を実現するために』(2020年、有斐閣)
参考図書(購入の必要はないが、興味があれば、手に取ってみられたし):
現代国際政治学の潮流を知るために:多胡淳『戦争とは何か 国際政治学の挑戦』(2020年、中公新書)
新書形式で著されたゲーム理論の教科書(初級):栗野盛光『ゲーム理論とマッチング』(2019年、日経文庫)
投票についての入門的解説書:坂井豊貴『多数決を疑う 社会的選択理論とは何か』(2015年、岩波新書)
経済学への応用例が豊富に取り上げられている、ゲーム理論の古典的教科書(中級):ロバート・ギボンズ『経済学のためのゲーム理論入門』(2020年、岩波書店。原著出版は1992年)
政治現象の分析へのゲーム理論の応用例の概論:浅古泰史『ゲーム理論で考える政治学 フォーマルモデル入門』(2018年、有斐閣)
ゲーム理論の上級教科書:岡田章『ゲーム理論 第3版』(2021年、有斐閣)
データ分析の入門書:伊藤公一朗『データ分析の力 因果関係に迫る思考法』(2017年、光文社新書)
実際の外交についての一般向けドキュメント:宮城大蔵『現代日本外交史 冷戦後の模索、首相たちの決断』(2016年、中公新書)
「データ分析+モデル分析=鬼に金棒」の実践例:安達貴教『データとモデルの実践ミクロ経済学 ジェンダー・プラットフォーム・自民党(仮題)』(2021年9月、慶應義塾大学出版会から出版予定)