(最終更新:2021年11月19日)
当演習は、「不完全競争の経済学: The Economics of Imperfect Competition」をグランドテーマとして設定しており、所属する学生はその線に沿った研究を行うことが求められている(しかしながら、指導教員の指導に唯々諾々と従うだけなのもお断り)。ちなみに、他大学とのインゼミへの参加は(現時点では)予定されていないので安心されたい。学部生は、そういった華やかな対外的「社交活動」に割く時間と熱意があるくらいならば、各自が必要と考える数学、統計学、プログラミング、あるいは語学といった「体力養成」に地道に注力した方が、どのような進路を目指すにせよ、将来的には遥かに望ましい、とわたくしは考えるからである(と言うより、より正確には、わたくしは、そういった志向性―「時代」「風潮」あるいは「メインストリーム」とは逆行しているような気もするが、それはそれとして―を持った人たちとの親和性がより高いのではないかと考えているということなのかも知れないが)。その意味では、ゼミ生有志同士の自主的な勉強会も推奨される(社交活動の一種として)ところではあるが、これは担当教員が関知するべき性質のものではない。なお、単位取得を目的としない聴講も可能である。
ところで、担当教員の運動不足解消も兼ね(と言いつつ、最低週2回のジム通いを怠ってはいないのだが)、演習参加者からの希望を反映しながら、時折(年1,2回?)、バドミントン、山登り(と言っても、たかだか吉田山・船岡山以上東山連峰以下)、キャッチ・ボール、野球(バッティング含む)、ヴァリィ・ボール、サッカー、卓球、バスケ、サイクリング(例えば、奈良まで電車で行って、そこから飛鳥までレンタサイクルするなど。あるいは、そもそも奈良までサイクリングにチャレンジも可能であろうか)etc(順不同)といった屋内・陸上を念頭に置いたリクリエイション・イヴェントを開催する可能性がある。これは、滋賀県などの近隣諸府県を念頭に置いた、秋期(恐らく9月中)における一泊二日程度のいわゆるゼミ合宿(下の注記参照)と兼ねるかも知れない(担当教員は往路には同乗するが、復路は一足先に帰京する)。また、鴨川べりでの花見、デルタでの花火といったような、KYOTOでしかできない季節に応じたソーシャル・イヴェントも希望があれば念頭に置いている。
当初の2か月ほどは、上武・遠山・若森・渡辺「実証ビジネス・エコノミクス」『経済セミナー』連載記事(2021年~)を輪読することで「基礎文法」「基礎体力」を確保した上で、その後は、最近の研究論文や解説論文の輪読という最前線の実地に赴く予定(最初は、担当者が示したリストから各自が選択)。
適宜、必要に応じて、プログラミングの実習を行う。その際、参加者はノートPCの持参が前提とされる。
時間割的には、5限(16:30~18:00)に配当されているが、定刻で終了するとは限らず、それはむしろ例外的と言え、場合によっては(「多くの場合は」とも読める)、大幅な時間延長をすることが想定されるので、ゼミ日の夜にはアルバイトなどの予定は入れないこと。
卒業論文のテーマとしては、広く産業組織論や競争政策論に関わるものの他、例えば、不完全競争の視点から、国際経済学、公共経済学、都市経済学、マクロ経済学といった応用経済学全般を視野に入れることも可能であるし(と言うか、むしろ大歓迎)、あるいは「京都の観光産業(ホテル、鉄道、航空、土産物、旅行代理業etc)や飲食産業を置いた価格戦略のビジネス実装」といったマーケティング寄りの話題を選ぶことも可能である(こちらも大歓迎)。なお、事後的に、当演習のテーマ以外のテーマの方に関心が移行したような場合であっても、責任を持って、自己の研究を完遂すること(いや、むしろ逆転の発想で、他ならぬ自分自身のテーマが掛け替えのないものであることを、他のメンバーに説得するように試みよ)。
場合によっては、2~3か月間ほどを「不完全競争の経済学」の古典である、Robinson (1933), The Economics of Imperfect Competitionや青山秀夫(1937)『独占の経済理論』の部分的検討に充てる可能性もあるが、これも含めて、演習の運営は、適宜、参加者と担当教員間の相談を密にして行っていきたい。
ちなみに、在学中は、担当教員に対しての時候の挨拶、称賛・賛辞・媚びへつらいの言葉(例:「著書のご出版、おめでとうございます!」)及びチョコレートなどの菓子・手土産・花束等の持参・郵送は一切禁止。将来、結婚式に招待されても出席することはないが、その代わり、土日・祝日の昼あるいは夕方の時間帯に市内某地区の拙宅を訪問していただくことにはやぶさかではない(但し、同時に3人までという人数制限あり。なお、幼児・児童は0.5人とカウントするが、幼児・児童の定義については、各自の常識に基づく判断に委ねたい)。
注記(11月19日):秋の合宿では、不完全競争について触れられている、恐らくは人類最古の書物である、アリストテレス『政治学』を(部分的に)輪読する予定である。といっても、不完全競争についてはごく一部だけであり、他は主に政治についての話(それも現代民主政治的ではない)であるし、単に、担当教員が、政治(思想)にも関心があるので選んでいるのであるが、むしろ、経済は、政治のような経済以外とも関わっていることを意識する機会としたい。単位習得(卒業という資格のための)や論文執筆といったような、履歴書に関わるような「業績」には全く関係ないことではあるのだが(そもそも、そういう「効率的」に人生を過ごしたい方々は、最初から当ゼミには関心を持たれないかとも思われるが笑)。