(最終更新:2026年9月29日)
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安達貴教
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初秋に出で座し青星々と紙風船@京都市上京区
分権的な市場経済において、企業側で生じる経営環境の良い変化・悪い変化は、どれだけ消費者側に還元/転嫁されるのであろうか? そして、そういった還元や転嫁はどのような要因によって規定されていると考えられるのであろうか?
という「学術的な問い」が研究関心の基層にあります。この論点は、生産・消費活動の効率性や分配(誰がどれだけを生産・消費するのか)、各種政策に伴うそれらへの影響、あるいはマクロ経済における物価推移といった「現実的な諸問題」を根源的に理解しようとする際には重要になると認識しています。こうした問いを中心に据える分野が「パススルーの経済学」です。
また、効率性と持続可能性を兼ね備えた市場のガヴァナンスを志向する「マーケット・マネジメント」という視点から、競争政策のあり方を考えています。
2026年9月29日:【京都大学経済学部生向け情報提供】本日、来年度も参加予定のゼミ生と相談しまして、来年度は
前期:カブラル『企業の経済学 産業組織論入門』の輪読(最終的な教科書は、参加者と相談の上、決定)
後期:データ・AI経済に関する教科書の輪読や、Journal of Economic LiteratureやJournal of Economic Perspectives掲載の解説論文、及び関連論文の輪読
といった内容構成を考えています。なお、10月9、16、23、30日(いずれも金)は、オープンゼミとしておりますので、ご関心ある方はお立ち寄りいただければと思います。ご参考までに、本日の勉強会では、石川経夫『所得と富』(1991年、岩波書店)から第2章「分配の公正概念-平等化を支える思想」と、J・S・ミル『功利主義』(関口正司訳、2021年、岩波文庫)の輪読を行い、経済分析と関わりの深い、功利主義の哲学についての理解を深めました。本年度後期は、参加者の希望を踏まえて、斎藤毅『集合と位相 第2版』を輪読します。このように本ゼミでは、産業組織論、競争政策論、データ経済を中心に、経済思想や数学などもカヴァーしていますが、ひとえにそれは、学部生の皆さんには、出来るだけ、幅広く勉強してほしい、その切っ掛けを与えるためです。単位無しのオブザーヴァ―としての参加も歓迎しますが、レジュメ分担などは、全員共通となります。
2026年9月19日:昨日、京都先端科学大学・京都太秦キャンパスで、京都で開催する応用ミクロ経済学・ワークインプログレス研究集会を開催いたしました。前回の3月開催時は、時間の有効活用のため、呼びかけ人である小職自身の報告は断念しましたが、「生涯一院生」をモットーとしている小職と致しましては(世間一般では、こういう仕草は老害の極みと言われるのですが爆)、今度こそは、とスライドを作り込んで臨んだものの(ただし、生成AIに頼りまくって汗)、若い方々(ここで「若い」とはあくまで相対的な意味ですよ、という注釈自体もまた老害なのですが爆)のために時間を惜しみなく使ったため、再度、自身の報告は断念せざるを得ませんでした泣 次回こそはと思いつつ、二度あることは三度あるとは良く言いますね笑 空回り人生とも言える、小職の人生を象徴している気も致します泣 今回の開催に当たり、ご準備をいただきました難波敏彦先生に深く感謝申し上げます。
2026年9月9日:マーク・トレンブリィー氏との共同執筆の研究論文「追加手数料(サーチャージ)の禁止規定は、実質小売価格を引き上げるのか?」(Do No-Surcharge Rules Increase Effective Retail Prices?)が、学術雑誌Review of Network Economicsに掲載受理されました。本論文は、消費者がクレジットカードを利用する際、小売店舗が支払い方法別の価格設定を行うことを禁じる「追加料金禁止ルール」の存在が、ポイント還元等を差し引いた実質的な小売価格にどのような影響を与えるかを分析しています。分析の主要な結果と致しましては、このルールによって、カード加盟店手数料のコストが商品価格全体に転嫁(パススルー)され、カード利用者だけでなく現金利用者も含めた、全ての消費者にとっての実質小売価格が押し上げられることが示されています(すなわち、標題への答えはYES)。そして、ポイントを目当てとするカード利用者が増えるほど、この転嫁効果によって、カード利用者自身もメリットを得られなくなる、すなわち、支払い方法に応じた価格設定を制限するルールが、かえって市場に「二重のマークアップ」を生み、消費者価格を押し上げている可能性があることを論じています。総じて、本論文は、小売店舗が支払い手段ごとに価格を設定することを支持する内容となっております。弊職が近年、焦点を当てている「パススルーの経済学」への一貢献であると同時に、「脱現金化」のデジタル経済を考える上で、示唆的な内容になっているかと思います。担当編集者のルカシュ・グジボフスキー先生、並びに匿名の査読者の方に深く感謝申し上げます。
2026年8月28日:ドイツ・マンハイム大学で開催されました、ヨーロッパ産業経済学研究学会の2026年年次大会におきまして、現在進行中の研究「不完全競争下における内生的品質を伴うパススルー」(土居直史氏・新海哲哉氏との共同;“Pass-Through with Endogenous Quality under Imperfect Competition”)について報告をさせていただきました。いただきましたコメントは、今後の改訂に活かさせていただければと思います。実にヨーロッパは、コロナ直前の2020年3月以来となりますが、デジタル時代、AI時代だからと言っても、やはり、対面の良さを改めて実感した次第でございます笑 マルティン・パイツ先生、二コラ・シュッツ先生を始めとして、開催のご尽力をいただきました全ての方々に感謝申し上げます。
2026年8月5日:【京都大学大学院経済学研究科大学院生向け情報提供】本年度秋・冬学期の「産業組織論B」は、アルフレッド・ガリション教授の新著Discrete Choice Models: Mathematical Methods, Econometrics, and Data Scienceにも依拠しながら進める予定です。出版社のウェブはこちら、著者によるギットハブはこちらです。