物語の手引き
一、探索者たちは、謎のJK(つくし)の儀式に偶然にも巻き込まれ、妖怪だらけの異次元に迷い込む。
二、訪れた狭魔亭から脱出し、元の次元に無事帰るべく、探索者たちは【客ルート】か【従業員ルート】に参加し、情報を集める。
三、探索中つくしと合流し、祭りの参加に必要な【人魂】を入手する。
四、本番の祭りに参加し、邪神【フサッグァ】に遭遇する。
五、儀式で完成した【神酒】を飲み、力を得た状態で脱出する。
※導入で次元を通る儀式をするので、あらかじめつくしちゃんのMPを1点減らしておいてください。
狭魔亭の炎上祭り 冒頭
始まりはバスの中から…
現在時刻は日が傾き始めている午後。
おだやかな陽の光を浴びながら、探索者はとある山間部を目指して、バスに乗車している最中です。
降りる場所は「狭間(はざま)」という名前の停留所です。バスの中には男性やおばさま、女子高生たちがちらほら座っています。
最初のチュートリアル技能は強制です!
〈聞き耳〉
おばさまたちの噂話が聞こえてきます。
「聞きました? また行方不明者が出たんですって。」
「ええっ、またですか!? 確かこの前も近くの小学校で『行方不明の子が出た』って言ってましたよね?」
「ええ。何でもその居なくなった子を探しに行った近所の方までも、行方が分からなくなってしまったそうですよ。」
「みんな『これは神隠しだ』なんて言ってますが、令和のこの時代に神隠しだなんて…。」
「きっと何か不穏な事件が起きてるのよ。」
「不穏と言えば…最近不審死もこの辺で立て続けに起こっているそうですよ。」
「あ、聞きました聞きました!」
「実は…私の主人の友人もつい先日…」
「あら、そうだったんですか?! 本当に不審死でしたの?」
「はい…。お医者さんに診てもらっても特に原因が分からなかったそうです。ついこの間主人と楽しく飲みに行かれてたのに、ですよ。」
「一体何なのでしょう…不気味ですね…。」
といった具合の不穏な噂話が聞こえてくるのでした。
1PL用:NPC ススキ君の描写 (聞き耳の成否は関係なし)
後方から、何か小声でぶつぶつ呟く不気味な男の声が聞こえてきます。
「ひひっ…やっぱりこの辺だったんだね…
ああ、僕の見立ては間違いじゃなかった…きひひひっ!」
それは見るからに怪しい雰囲気をまとう顔色の悪い男でした。 あなたと目が合うと、不気味に笑いながらもスッと顔を背けます。
バスに揺られて静かな田舎道を走っていく。
すると突然、前方に座っていた女子高生が大声を上げました。
「え~~~! 今年はお祭りやんないの!?
何で何でー!! 聞いてないんですけどー!」
「や〜ごめん! ちょっと今ウチんとこバタバタしちゃっててさ~!
急遽出来なくなっちゃったというか何というか…」
「だからってギリッギリに伝えてんじゃねーよ!
あたし昨日新しい彼氏と一緒に行くって約束したばっかだったんだけど!」
「や、マジでごめん! 来年は多分やると思うからさ!」
「来年じゃ遅いっつーの!」
「まーまー、落ち着きなって。
てかこの前まで出店の準備とかしてたじゃん。何でまた急に?」
「ん〜何て説明したらいいかな…。
ま、ハプニングだよ!ハプニング!
対処しなきゃいけない問題が出来ちゃったからしょうがないんだよね…。」
「ふ〜ん。よく分かんないけど、大変そうだね。」
JKたちは周りの乗客のことなどお構いなしに大声でやいのやいの言い合っています。
次第にばらばらと乗客は降りて行き、残ったのはあなたと先ほどたむろっていた女子高生のうちの一人。
(一人プレイだった場合:そして後ろにいる不気味な男の3人です。)
するとアナウンスが聞こえてきました。
「次は狭間駅~ 狭間駅~」
ピンポーン
あなたが呼び鈴を押そうとした瞬間、先に車内にベルの音が鳴り響きます。
前方を見やると、残ったJKがまだ停留所に着いていないのにも関わらず、さっと席を立ち上がりました。
そこであなたは奇妙な光景を目にします。
出口の前に立ったJKが何か小声でぶつぶつと呟きながら奇妙な踊りをし始めたのです。
ゆっくりと手や足を動かし、揺れるバスの中バランスを崩すこともなく怪しく踊っています。
そして駅に着くやいなや、JKは足早にバスを降りて行ってしまいました。
(一人プレイだった場合:続け様に、不気味な男も慌て気味で同じ駅に降りて行きます。)
あなたは降りる寸前、何か縦長の紙切れが落ちていることに気がつき足を止めます。
その紙は所々茶色く煤(すす)けてボロボロで、真ん中には存在感のある達者な文字がびっしりと書かれていました。
何と書かれているのかは分かりません。
※この札を所持するか否かで今後のルートが分岐します。
PLがどう処理するか覚えておいてください。