SciFi杯1809

結果発表

現在、SciFi杯1901を開催中です。SciFi杯1901のページからご確認ください。

●総評

なんとか2回めの成立となった。カクヨムの自主企画の機能を利用し、「SciFi杯1809カクヨム会場」を設けたのも成立となった理由だろうと思う。それだけではなく小説家になろうからもおよそ同数の応募があったことはありがたいことである。作品を応募していただいた参加者の皆様にはお礼を述べたい。いずれも力作揃いであることは言うまでもなく、そのような作品を応募していただいたことに、重ねてお礼を述べたい。

作品を応募していただいた皆様だけでなく、審査員となっていただいた皆様にも、同様のお礼を述べたい。いただいた審査結果から、審査員の皆様が各作品に真摯に向き会っていただいたことも伺える。この点についても、重ねてお礼を述べたい。

このSciFi杯の特徴と言えるかもしれないのは、ほかの自主企画などと異なり —— 各審査員の審査結果の違いについてはともかく ——、明示的には書かれていないことがら、言い換えるなら字面を越えたなにかについてまでの 読み が各審査員の審査結果に現われている点だろう。これはおそらくSciFi杯として誇っていいことだろう。それは審査結果および短評からも読み取れるだろう。この点についてはあらためて審査員となっていただけた方々にお礼を述べたい。

審査については、各審査項目の評価において “3” をニュートラルとするという以外は、各審査員の判断に任せた。ニュートラルをどのような程度とするかも、また各審査員の判断に任せた。そのためもあるだろうが、審査員が出した審査結果が大きく異なる作品もある。これは、そのように読まれる要素があるということであると理解していただきたい。絶対的に高評価になる作品ももちろんあるだろうが、評価が分かれる作品もあるということだ。また、ある作品については似た評価をしている複数の審査員が、別の作品では大きく異なる評価をしてる場合もある。単純に言えば好みの違いであったりするのだろうが、それぞれの審査員がどのような好みを持っているのかを見てみるのも面白いだろう。

なお、宮沢弘による審査結果は特定の場合を除いて採用していない。この条件については、申し分けないが伏せさせていただきたいと思う。ただし、評価の値を操作するためではないことだけは明言させていただく。もっとも、これは信じていただくしかないのだが。また、登録していただいた審査員の一名が ——詳細は述べられないが—— 体調不良のため辞退となったことも報告させていただく。

SciFi杯の今後だが、部門賞の成立を目指したい。同時に、論考部門への応募を得るとことも目指したい。

部門賞が成立するということは、単純には応募作品数が増えることが前提となる。もちろん、応募部門が偏ったことによって、成立してしまう部門賞が発生してしまうということはありえる。だが、まずは単純に応募作品数が増えることを目指したい。そのためには、現在の運営形態では単純な問題がある。つまり、応募にせよ審査にせよ、興味を持ってくれる人を確保しておくことが必要になる。かと言ってクラスタ内での催しであるとか、クラスタによる審査にはしたくない。

宮沢個人が地道に小説家になろうやカクヨム、ツイッターで繋りを作り、応募についても審査員登録についても興味を持ってもらえるようにするしかないのだろうと思う。この点については、宮沢弘個人の活動として、これから活発にしていこうと思う。

さて、次回のSciFi杯だが、 SciFi杯1901 として、2019年 1月に本告知を行なう予定だ。これはいつもどおりの開催となる。SciFi杯から、4ヶ月ごとに1回の開催というペースは変わっていない。つまり、SciFi杯xx01、SciFi杯xx05、SciFi杯xx09である。SciFi杯1809に作品を応募していただいた方、また審査員となっていただいた方のいずれも、どの立場であるかはともかく、また参加していただければと思う。また、SciFi杯1809のページや参加作品を読んでいただいた方は、そのような開催予定になっていることを承知していただき、可能なタイミングでかまわないので参加することを検討していただければと思う。

次の3作品はリンク集としてのテーマ・アンソロジー、 “SciFi/jp vol. 2, no. 2 —— CIVILIZATION ——” に掲載されている。

  • 「バースト! 月島 綾香のおまじない」 (by リューガ), ライトSF, 短編.
  • 「インフラしょうあく」 (by 里崎), ライトSF, 短編.
  • 「万年のコドク」 (by 神井千曲), SciFi, 中編.

SciFi杯応募作品のテーマ・アンソロジーとしては4つめとなる。これまでのテーマ・アンソロジーは、 SciFi/jp のホーム・ページから閲覧できる。ただし、中身はリンクのみである。

では、審査結果の発表に移ることにしよう。

●大賞

◎金賞

パートナー」by すばる, ライトSF, 長編

SciFi杯1809_パートナー


短評

審査員: 1

文句なし!

映画を観ているようでした。


審査員: 5

この作品にはいくつかの視座があるだろう。その中で私は「軌道計算屋のお祭り」という視座を選んで読んだ。この視座で読むなら、まさにジュブナイルとして成立していると思う。ただし、ライトSFやSciFiの要素は存在するものの、そこからの発展が弱いようにも思う。

また、いくつかの視座があるという点は評価が若干下がっている理由でもある。言い換えるなら、物語が充分に収束していない、あるいは充分に絡み合っていないとも言えるからだ。

付け加えるなら——細かいことかもしれないが——、修飾華美、形容華美あるいは描写華美であるように思える。それを華美ではなく、きちんと描かれていると読む人もいるだろうが、私にとっては華美あるいは過剰であるように感じられた。


審査員: 6

話の本題に入るまでが冗長であると感じた。が、10話目からは非常に楽しめる。宇宙と地上、さらに地上に少年側、バーチャル側、機構側、異国の船上と地球全体、6つの視点に多くのキャラが出てくるが、非常にうまく織り合わさっている。

泣けるネット小説に出会ったのは久しぶりだった。不必要に難読な用語を多用するシーンや、説明ばかりで描写のないシーンがいくつかあるのが、非常に惜しい。


◎銀賞

万年のコドク」 by 神井千曲, SciFi, 中編

SciFi杯1809_万年のコドク


短評

審査員: 1

SFな匂いはあまりしないけど、かっこよくて好きです。


審査員: 3

ロボットものOVAを観た感じで、燃える。

この一言に尽きる。


審査員: 4

構成がよく練られており、その面白さは大きかった。しかし全体的に文章の緩急が弱く、没入感が薄かった。また、宇宙空間における戦闘描写は面白かったがもう少し舞台を活かした戦いを見たかった。良作だが物足りなかった。


◎銅賞

世界滅亡」 by 現夢いつき, ライトSF, 短編

SciFi杯1809_世界滅亡


短評

審査員: 1

記憶が無くなることが滅亡のトリガーってところが面白いです。


審査員: 3

新薬という設定が興味深かった。主人公が感情を取り戻していくさまは挿絵とかあったらもっと映えそうですね。


審査員: 4

終末を目前にした家族の確執の物語。アイディアが持つ魅力がしっかり活かされていた。とても面白かった。構成、文章面については文句のつけようがない。終末の原因や終末ものという着想はありがちだが、その中における人間ドラマを力強く描いた力作だった。


審査員: 6

二つの場面が交互に進み、収斂し、最後に読者にだけ明かされる事実、という全体構成が良い。

最後ばかりが怒涛の展開になっているので、徐々に情報を開示していくと、前半も面白く読めるのではと感じた。

また、個人的には、どのキャラクターにも感情移入しにくかったのが残念だった。

薬の件が事実だとするなら、前に伏線がもう少し欲しい。逆に、あくまで彼らの憶測とするなら、科学者二人がそんな根拠のない憶測だけで(調査も検証もすることなく)あっさり自殺するだろうか、という疑問が残った。

●全作品の審査結果

各作品の審査結果を以下に挙げる。上にて挙げた作品についても、あらためて掲載している。

◎ライトSF

◯掌編

彼女の帰還」 by 青瓢箪, ライトSF, 掌編, お題以外の参加作品

SciFi杯1809_彼女の帰還


短評

審査員: 1

SFよりファンタジー寄りかなあ。力をつけて戻ってくるところが好き。行く前と戻ってきた後とで起こる、具体的な対比エピソードとか読みたいです。


審査員: 2

掌編ということもあり派手なギミックやSF的な技術描写はなく、SFテイストのジュブナイル小説という印象を受けます。

ただこれは悪い意味ではなく、このストーリーはこの尺でこういった表現をしたからこそ最大限魅力が引き出せていると思いました。これが中編以上の長尺になるとダレてきてしまうでしょう。

情緒のある文体も魅力的で、映像として無理なく脳内再生できました。


審査員: 4

セカイ系SFのような空気感の掌編。作品自体の魅力を活かすような形で(おそらく意図的に)文章が組まれている点は評価したい。「あのとき置いていかれた」「だからいま手を取る」ようなモチーフそれ自体が持つエモーショナルな質感をより活かす方向で文章が組めていれば文句なしだったと思う。自分の武器を活かしてほしい。


審査員: 6

プロローグだけ描かれたような印象。話が膨らむ前に、魅力的な展開を見せる前に終わってしまった。ぜひ加筆してほしい。

◯短編

世界滅亡」 by 現夢いつき, ライトSF, 短編, お題以外の参加作品

SciFi杯1809_世界滅亡


短評

審査員: 1

記憶が無くなることが滅亡のトリガーってところが面白いです。


審査員: 3

新薬という設定が興味深かった。主人公が感情を取り戻していくさまは挿絵とかあったらもっと映えそうですね。


審査員: 4

終末を目前にした家族の確執の物語。アイディアが持つ魅力がしっかり活かされていた。とても面白かった。構成、文章面については文句のつけようがない。終末の原因や終末ものという着想はありがちだが、その中における人間ドラマを力強く描いた力作だった。


審査員: 6

二つの場面が交互に進み、収斂し、最後に読者にだけ明かされる事実、という全体構成が良い。

最後ばかりが怒涛の展開になっているので、徐々に情報を開示していくと、前半も面白く読めるのではと感じた。

また、個人的には、どのキャラクターにも感情移入しにくかったのが残念だった。

薬の件が事実だとするなら、前に伏線がもう少し欲しい。逆に、あくまで彼らの憶測とするなら、科学者二人がそんな根拠のない憶測だけで(調査も検証もすることなく)あっさり自殺するだろうか、という疑問が残った。

バースト! 月島 綾香のおまじない」, by リューガ, ライトSF, 短編, お題参加作品 (アンソロジーにも参加する)

SciFi杯1809_バースト!月島綾香


短評

審査員: 1

アリスを彷彿とさせます。SFなのかはちょっとわからない。


審査員: 4

率直に言って読みづらかった。女子高生らしい口調を意識したのかもしれないが情報ブロック内での流れが前後していることが原因だと思われる。これを整えて可読性を高めるだけで面白さは増すだろう。次にストーリーだが、アイドルとそのストーカーの話として面白さはあったが問題解決に至る描写が薄く、加えてSF的要素が絡む必然性がないことが残念だった。青春ものの空気感は楽しめたが色々な点が惜しい小説だった。


審査員: 5

要素はあるとしても、ライトSF (およびSciFiも含めての Science Fiction) と呼べるかは疑問である。

世界設定と、主要なできごとの間に、これという関係があるように思えない。

審査時には10,000字ほどであったが、短編枠の応募としても25,000字を使い切ればまた違った評価になったかもしれない。

インフラしょうあく」, by 里崎, ライトSF, 短編, お題参加作品 (アンソロジーにも参加する)

SciFi杯1809_インフラしょうあく


短評

審査員: 1

もう少し緊迫感がでる方が個人的好みです。


審査員: 3

二谷ひとえの動機は理解できるので、史団くんのチート級の能力を活かせるラスボスにもできそう。あと、続編があるならあまりメインに絡まなかった虻名あぶくさんの活躍が読みたいです。


審査員: 4

近未来におけるハッカーものの短編。濃いキャラ、バトルシーン、派手な空間操作などをしっかり描き破綻しない形で収束させた点は評価したい。が、ストーリーの射程に対して登場人物が多すぎたり、事件そのものの深みが物足りなかった。文字数はかかるが一つ一つの描写を丁寧にし、シナリオを絞ることで一層面白いものに仕上がったと思う。好みではないが楽しめた。

◯中編

応募なし

◯長編

パートナー」, by すばる, ライトSF, 長編, お題以外の参加作品

SciFi杯1809_パートナー


短評

審査員: 1

文句なし!

映画を観ているようでした。


審査員: 5

この作品にはいくつかの視座があるだろう。その中で私は「軌道計算屋のお祭り」という視座を選んで読んだ。この視座で読むなら、まさにジュブナイルとして成立していると思う。ただし、ライトSFやSciFiの要素は存在するものの、そこからの発展が弱いようにも思う。

また、いくつかの視座があるという点は評価が若干下がっている理由でもある。言い換えるなら、物語が充分に収束していない、あるいは充分に絡み合っていないとも言えるからだ。

付け加えるなら——細かいことかもしれないが——、修飾華美、形容華美あるいは描写華美であるように思える。それを華美ではなく、きちんと描かれていると読む人もいるだろうが、私にとっては華美あるいは過剰であるように感じられた。


審査員: 6

話の本題に入るまでが冗長であると感じた。が、10話目からは非常に楽しめる。宇宙と地上、さらに地上に少年側、バーチャル側、機構側、異国の船上と地球全体、6つの視点に多くのキャラが出てくるが、非常にうまく織り合わさっている。

泣けるネット小説に出会ったのは久しぶりだった。不必要に難読な用語を多用するシーンや、説明ばかりで描写のないシーンがいくつかあるのが、非常に惜しい。

◎SciFi

◯掌編

憲法第三十九条」, by 執行明, SciF, 掌編, お題以外の参加作品

SciFi杯1809_憲法第三十九条


短評

審査員: 1

スパッと斬られてて、かなり好きです。


審査員: 2

SF的なガジェットが使用されているものの、ストーリーの核となっているのが日本国憲法であるため、SFとしての魅力は少し物足りないかなと思いました。

個人的には日本国憲法が過去の時代には及ばないことを起点として過去で殺人を犯し、それによって生まれた未来への影響を描いた方がSF的かなと考えてしまいます。

ただ最後まで読ませる文章の作り方の上手さを感じました。


審査員: 3

憲法第39条を利用するアイデアは面白い。同33条「逮捕状による逮捕の原則」、同99条「憲法尊重擁護の義務」も絡めて広げてみたものを読んでみたい。


審査員: 4

率直に言って面白かった。が、時間SFものに憲法を絡めたミステリー小説という印象。筋書きは面白かったが、Scifiらしいかと問われると少々物足りなかった。長さの問題はあっただろうが、より既存の技術や観念などを掘り下げる形で踏み込んでほしかった。

◯短編

地獄変-Utopia Screen-」, by Kishiba, SciFi, 短編, お題以外の参加作品

SciFi杯1809_地獄変


短評

審査員: 1

ううむ、、難しすぎるです(>_<)


審査員: 4

芥川の地獄変を意識したうえで、着想元にあった情念のおぞましさを踏襲できていた良作。一方で構成的に平坦で工夫がない。芥川はエピソードを小出しにしたり語りの形式を工夫することで読める文章を作っていた。今作は地獄変同様の独白形式を取っているため、同じとまでは言わずとも何かしらの工夫が欲しかった。


審査員: 5

SciFiのネタは詰め込まれているように思うが、どれも目新しいものではなく、また発展もしていないように思える。

また「七年」にしては出来事が詰め込まれすぎているようにも思える。これは、エピローグの後の世界が気になるとともに、「天才」と書かれている男がどうであったのか、そして主人公 (?) の行動を含めてより詳細に書いてみるか、あるいはどこかをすっぱりと切り捨てなどの方法によって、SciFiあるいはライトSFをより意識した作品とすれば化ける可能性を感じる要因でもある。

以下は細かい点になる。

「人工知能」と「人工知性」は使い分けられているようだが、基準がはっきりしない点が気になる。また、冒頭において「デイジー・ベル」に言及されているが、その機能としてはむしろ ELIZA (あるいは Doctor) を参照する方が適切であるようにも思える。

◯中編

Lucifer(ルシファー)断章」, by 平 一, SciFi, 中編, お題参加作品 (アンソロジーには参加しない)

SciFi杯1809_Lucifer


短評

審査員: 1

アイマスを見つける知ってるとニヤリとできるんだと思うです。


審査員: 5

固有名詞により、「SciFiらしさ」においてかなり損をしている。というのも、その固有名詞でなければならない理由がないように思えるからだ。

「文明要因」という設定がなされているが、これもまた作品内において充分に活かされているようには思えない。ただし、「断章」であり、その点を活かすところまでは描く必要はないのかもしれない。

また、状況説明に終始しているように思える。その語り口と合わせて、読みやすいとは言いにくいものとなっている。これはまた、「文明要因」が充分に活かされていないように感じる要因の一つでもある。

万年のコドク」, by 神井千曲, SciFi, 中編, お題参加作品 (アンソロジーにも参加する)

SciFi杯1809_万年のコドク


短評

審査員: 1

SFな匂いはあまりしないけど、かっこよくて好きです。


審査員: 3

ロボットものOVAを観た感じで、燃える。

この一言に尽きる。


審査員: 4

構成がよく練られており、その面白さは大きかった。しかし全体的に文章の緩急が弱く、没入感が薄かった。また、宇宙空間における戦闘描写は面白かったがもう少し舞台を活かした戦いを見たかった。良作だが物足りなかった。

◯長編

応募なし

◎論考

応募なし

●宮沢弘による審査結果についての考察

内容は先にtwitterに書いたものです。このスレッドです。


SciFi杯1809応募作品の審査結果についてちょっと考えてみた。

まず、「パートナー」と「万年のコドク」をA群とする。

また、「世界滅亡」、「地獄変-Utopia Screen-」、「憲法第三十九条」、「インフラしょうあく」、「彼女の帰還」をB群とする。

そして、「Lucifer断章」と「バースト! 月島 綾香のおまじない」をC群とする。

A群、B群、C群の間に有意差があるかはわからないが、総合点で見ると、それらの間にそれなりに隔たりがある。

レーダーチャートの中の面積は、まぁあたりまえのことなので無視する。

A群はやはりそれなりにバランスが取れている。

B群においては、バランスの面では悪くないものもあるが、「世界滅亡」と「地獄変」は、少しばかり歪なものになっているように思える。また、A群とB群では、「アイディアの着想」の得点にそれなりに違いが見られるように思う。対してB群の「世界滅亡」と「地獄変」では、「アイディアの使いこなし」に関してはA群と大きな違いはないように思う。 また、B群の「憲法第三十九条」は、「ストーリー・文章」においては、A群より低めとなっているが、「アイディアの着想」と「アイディアの使いこなし」が芳しくなかったようだ。

さて、B群においては5つの評価項目が悪くても3点(ニュートラル)近辺と言えばそう言える評価以上だった。 それに対し、C群では3点(ニュートラル)を強烈に割り込んでいる評価項目がある。

個々の審査員の評価や短評にまで踏み込んだ総論を書いてもいいのかもしれないが、そこには入らないでおく。 ただ、「SciFiらしさ、ライトSFらしさ」の定義はほぼ不可能だが、審査員ごとにやはり基準はあるようだ。そのため、「SciFiらしさ、ライトSFらしさ」についての助言なのかなんなのかはわからないが、それはできない。

もちろん、評価項目すべてが高得点なのが望ましいのだろうとは思う。 だが、A群とB群で「アイディアの着想」と「アイディアの使いこなし」に違いがあるかもしれないと見えたことから、この2つで高得点を得るようにするという手はあるかもしれない。「アイディアの着想」と「アイディアの使いこなし」について個人的に思うのは、参照している情報や作品の影響が現れているのかもしれない。そして、A群とB群でそこに違いがあるとするなら、どういう情報や作品に触れるか、そしてどれだけの情報や作品に触れるかによっての違いかもしれない。

「楽しめたかどうか」もまた人によるだろうから、なにかを言える感じではない。 しかし、「ストーリー・文章」は訓練とか慣れとかで確実に高得点を期待できると思う。 だとすると、やはり「アイディアの着想」と「アイディアの使いこなし」が鍵なのかもしれない。

(終)

(@ Dec 23, 2018)