雨 の 森

「森の客間」59.4×84.1(cm) 2007年

雨後のしっとりとした肌にまとう空気のなか

ああ、わたしは毎日こうやって夕べに

川辺を歩きたいと思うのです

川を渡る風を頬にあてていると、

なぜこんなに懐かしいんだろう?

せせらぎの音を聴いていて飽きることはありません

水に近い目線でながめていると

その水がひたひたと入ってきて心を

みずみずしく冷やすようです

水面を眺めていればたくさんの記憶がよみがえり

心の奥底に沈む何かが揺さぶられます

物思いにふけると

わたしの心身も水で充たされていることを知ります

わたしの中の水面がさざなみ

満ちているのを知ることができます


「雨の森」 40×180(cm) 2007年


「遠い記憶」 37×160(cm) 2009年


雨が好きで

雨音を聴くと

たまらなく

なつかしい親しいような気持ちになる

「雨の森」 2007年