流 転

「神様の手のひら」 180×312(cm) 2008年

雲が海の上を無言でゆっくりと

荘厳に連れ去っていく

雨を従え

ゆっくりと西へ

光の脚を従え

雲が私の頭をこえてどんどん西へ流れていく

雨がふったりやんだり

流動したり

海の上をたくさんのみえない手が

まるで指先のつめで水面を掻くように

どんどん風が走っていく

それをみていると風のスピードがわかる

神の手のひらが海をなでるのを見る


(右)「屋根なきあらか」 180×65(cm) 2007年

(左)「天のとばり」 180×65(cm) 2007年



「万境に従って転ず」 7200×150(cm) 2007年