流 転
雲が海の上を無言でゆっくりと
荘厳に連れ去っていく
雨を従え
ゆっくりと西へ
光の脚を従え
雲が私の頭をこえてどんどん西へ流れていく
雨がふったりやんだり
流動したり
海の上をたくさんのみえない手が
まるで指先のつめで水面を掻くように
どんどん風が走っていく
それをみていると風のスピードがわかる
神の手のひらが海をなでるのを見る