ふっと覗いた 憂い顔透き通るように 触れられぬ 肌二人きりで 過ごす時間が愛おしくて
この時だけ 続いていくとそう信じていた夕焼けの朱色 畦道振り絞る勇気は 虚しく空を切った
祭り囃子が 急かすように ずっと僕の心を焦らせる曖昧な影 ぼやける輪郭黒い髪が踊る
幻のような 溶けてしまうような淡く滲む 後ろ姿夏の終わりの 蝉時雨の中君と見た夢の随(まにま)
汗ばむ肌 揺らぐ足 照りつける回転する車輪 軋む 声二人きりで 摘んだ花びら今は昔
まぶたの裏 思い出すべてただ狂おしい水面に映る花のように深く求め続けていたことにこんな気持ちを 知れる季節だと恋心が告げる
空に輝く星の散り際が美しい瞳を照らし夏の終わりの花火降り注ぐ君を 追い続けている
あの日から変わった君と出会えてよかったどこまでも走り抜くよ胸に秘めていた
祭囃子が急かすようにずっと僕の体を走らせる曖昧な影ぼやける輪郭白い帯が揺れる
幻のような 溶けてしまうような淡く滲む君の姿夏の終わりの蝉時雨の中ずっとずっと 忘れはしないから