アナザーストーリー⑧

アナザーストーリー⑧ 銀行融資に関する所見

2019年 私は2つの銀行から融資を受けることができた。それは、貯金があり、事業計画があったからなのか。いろんな要因として考えられるが、私の場合は、私個人には全く信用がなかったので、私が自分で勝ち取ったという思いより、親族のおかげだろうと思う。


親族が口利きをしてくれたからではない、親族が自分の麺を買ってくれ、事業を開始する前から、販路の半分を作ってくれたからだった。精いっぱい頑張っている理由の1つがココにある。自分だけの力で始められたわけではないのだから。


また融資に伺った。新型コロナウイルス・緊急事態宣言と先行きがなんとなく不透明になったからだ。売り上げが落ち込む前に対策しておこうと考えた。1つの銀行は、じっくり精査し、減額されたが、何とか審査が通り融資をいただいた。


もう一つの銀行は、1年たって売り上げを達成しているが、当初の計画通りに実行し利益を出していないことに、難色を示された。計画では、店舗販売する予定になっていたから、店舗販売もせずに、自動販売機を購入し販売することは、初回融資時に聞いていないし、計画にないことにお金を使ったといわれた。自動販売機の購入資金は、銀行の融資と全く関係のない支払いだが、気に障ったらしい。1年後、実績を作ってから、来てくださいと言われた。実績が出てしまったら、融資の相談は必要なくなると思うのだが。


自動販売機の設置は、2019年6月に起業した後で思いついた。店内で忙しく応対しているスタッフに、販売してもらうときの教育は、ランチの忙しい時にいちいち応対していられるはずもなかった。また、専属の販売スタッフを配置する人件費も負担が大きかった。起業前の事業計画時にそこまで思いつかなかった自分が悪かった。スタッフではなく、自分で販売するとして、お店の営業しているランチの4時間とディナーの4時間を販売し、残りの時間で製麺を両立させることは、続かないと考えた。継続して販売するには、自分がやるより、新スタッフを雇用するより、既存スタッフを機養育するより、コストをかけず、すぐに実行できる方法だった。


自分で売るなら人件費は0円タダと考えるかもしれない。アルバイトの時給800円で24時間制にすると、3人の雇用が必要。1人だけだとすると、1日8時間しか販売できず、残り16時間は販売ロスになる。3人雇用して、30日にすると、57万6000円かかる。コンビの2人体制としたら、すでに114万円の人件費、毎月マイナス114万円からスタートするわけである。毎月ずーっと114万円の人件費がかかる。それに比べて、自動販売機は、60アイテムで120万円(税抜)、分割払いなら、5年間で毎月25000円、5年後は電気代のみの3000円前後。一括払いなら、コンビニの人件費2か月で回収できてしまう。どちらがリスクを軽減しているだろうか。