アナザーストーリー⑨

アナザーストーリー⑨ 自動販売機とは何か

自動販売機とは何かと聞かれて、最近は、人の代わりに働くものの1つだとしみじみ感じる。


駅の改札が自動になった年の後に生まれた世代は、改札口に駅員がいて、切符をはさみで切って、散らかし放題だったなんて、知る由もない。自動車もマニュアル車が減ってきている。人がしていた仕事をAIが変わっていき、仕事がなくなるといわれて、今まで販売していた人たちも、自動販売機に変わっていくのだろう。今まで配達していた人も自動配達になっていくのだろう。少しずつ進化し変化し、変化したことに気づかないぐらい、長い時間の中で大きな変化が起きていることと思う。


戦争を知らない世代だが、駅員の改札を知らない世代にシフトしていく。次の世代は何を知らない世代になるのだろうか。


自動販売機がかわいそうだなと思うのは、スーパーやコンビニで買えるようなジュースばかりを売らされている。ジュースを自動販売機を変えるのはとても便利だけど、どうしても自動販売機でないとというわけではない。あれば便利という具合だと思う。


ある小説で、こんな感じのセリフがあった。「今我々は敵に三方向から攻められ危機的状況にあり、撤退するしかないというが、敵はまだ集結していない。集結前にたたけば、わが隊は敵を破る、各個撃破の好機だと」


自動販売機もあれば便利という守りのビジネスではなく、売れる商品を低コストで24時間陳列できる攻めのビジネスである。自動販売機が販売実績を作るかどうかは、設置者の責任であって、自動販売機の責任ではない。自動販売機に限らないけれど、自動販売機を見る人間の視点がとても大切になる。自動販売機はまだ子どもみたいなもので、どのようにするか手伝ってあげると、何年か後には大きな成長していること間違いない。