Little Women

Little Women

Little Womenは、何回も映画化されている。私は、ウィノナ・ライダーの若草物語が印象的だが、人によっては、キャサリン・ヘプバーン、ジューン・アリソンなんて人も。2018年、2019年にも若草物語が映画化された。


若草物語は、トムソーヤーと並ぶ、2大悪童文学。いまでは何ともない、口笛を吹いたり、自転車に乗ることは、女性にあるまじき姿だった。当時の女性のおきて破りだった女性の言動が面白く描かれている。そんなやんちゃぶりが描かれているのだが、南北戦争の時代、キリスト教の世界観、コンコードの超絶主義、家族との日常生活を描いた作品で、いろんな視点から見ると面白さが隠されている作品である。


それと、若草物語は、牢屋で書かれた天路歴程という作品をモチーフにしているといわれる。若草物語のベースは、天路歴程にあったというと、天路歴程は何をモチーフにしたのかと、気になった方は調べてみるといい。大冒険するでもなく、殺人事件があるでもなく、日常の生活を舞台にして、あれだけの作品を書くのは、とても興味深い。それと、教育をテーマにしている部分は、父のブロンソン・オルコット、エマーソン、ソローと接していた時間が多分に影響を受けている。


オルコットの生活の拠点は、マサチューセッツ州のコンコードと、ボストンである。コンコードにはウォールデンがあり、「森の生活」を著したソローの小屋のレプリカがある。夏は、池沿いに日光浴する光景を見かける。歩くと、少し距離があるけれど、小さな町なので、歩けないこともない。


彼女は、若草物語で大成功する前に、「愛の果ての物語」と訳される本を書いていることも面白い。また、成功した後で庭の掃除をしていると、取材に来た記者が「オルコット氏はどこか」と聞かれて名乗らなかったとか。ユーモアにあふれていた作家らしいエピソードである。


若草物語の翻訳は、かなりある。集めてみたものの、集めきれないほど翻訳されている。時代によって、ニアンスが異なり、1つの英単語でも、翻訳者の考えがあるものだから、人気の強さが計り知れる。できるならぱ、英語版を買って、3冊の翻訳と突き合わせてみるといい。


「クリストファー・コロンブス」と書かれて、「なんてこった」という翻訳を見つけたときは、どうだろう。今で言ったら、「うーぶす」とか、「エモい」とか、訳されるかもしれない。だから、翻訳を読むときは、原題と付き合わせる必要もある。翻訳の努力も並々ならないと思うけれど、本来の表現を知ることも大切だという1つの例である。