アナザーストーリー

アナザーストーリー⑦ ストーリを作るにあたって

私にはストーリーがないと感じていた。老舗のお店のように歴史がないし、若い時から同じ仕事を続けているわけでもない。特別に麺が好きでもない。嫌いでもないけれど。でも、逆に考えると、老舗のお店が取り上げてもらえるまでどれくらいの時間を要したのだろうか。若い時から1つのことに取り組んでいたら、プロフェッショナルかもしれないけれど、なんか自分はつまらないなと感じているかもしれない。ドラクエでいえば、戦士や魔法使いのような専門家ではなく、万能タイプの勇者が好きだった。自分はこの多様な生き方でよかったのだ、老舗に比べて1年で取材がこれだけ来たのは幸運なのだと言い聞かせることにして、他人をうらやましがるのをやめにした。


1人で今の社会と戦うために、3種の神器を使っている。1つは、製麺機、これは製造を担当している。1つは自動販売機、これは販売を担当している。1つはパソコン、インターネットである。これは、広告や事業策定に役立っている。雇用しなくても、1人でできることはたくさんある。ただ、1人ではどうしても、できないことがある。ブランディングである。


なぜなら、ブランディングは他者が決めることだからである。ブランディングを見つけるためには、人と話すしかない。人と話すことで、自分が見たくない自分、相手が求めている自分を知ることしかない。


子供の時に、大器晩成といわれたことがある。晩成とは何歳のことをいうのであろうか。大器晩成だからと今を怠けていたら、晩成になったときに大器にならない。すこしずつ大器にしていくしかない。若い時に成功する人もいる。本人は成功しているなんて思ってないかもしれない。さらなる挑戦を続けているかもしれない。停滞してしまったら、終わりなのだと思う。だから動き続ける。若い時にしかできないこともある。その時その時を大切にしていきたい。お金があれば時間があれば、できたこともあるかもしれないが、あの時これやっていたらなというのは少ない。やらなかったこともやれなかったことも、その時に決めたことだから。後悔している時間ももったいない。