昨年度から、一般社団法人ふるさと未来構想の方々と連携させていただきながら、長崎県の宇久島にて、顕在化する離島公共交通の課題解決に向けた研究を行っています。昨年度は、交通の在り方を再検討する為、島民の方にアンケート調査を実施し、現在の島民には自家用車は必要不可欠な移動手段であること、新規モビリティ導入の際には移動目的の創出が大切になることを明らかにしました。
宇久島の綺麗な自然を満喫しました。
これを踏まえ、今年度は、実際に新規モビリティを導入する際のより有効な導入形態について研究を進めています。5月ごろ、宇久島を訪問させていただき、海や山といった美しい観光資源があるものの、大きな島に対して人の少ない区間にもバスが運行している現状を知りました。高齢化が進み、バス路線に赤字が生じてしまうことも多い離島では、グリスロや超小型EV車などの新規モビリティがその打開策として注目されています。これらの新規モビリティは、長崎県の黒島や大分県の姫島では、観光目的での利用も含め、実際に導入されています。そのような島に調査に赴き、どのような人々がどのように利用しているのか、どのようなサービスであればより効果的な形で宇久島に導入できるのかを、今年度以降で調査したいと考えています。
9月には、大分県の姫島に調査に行ってきました。姫島では、島内観光の移動手段として、グリスロや電動キックボードを導入しており、私たちも実際に体験することができました。観光客だけでなく、島内の高齢者の買い物や、通院などの場面でも、乗り合わせという形で新規モビリティが利用さています。実際に新規モビリティを体験・視察し、その利便性や機能などを確かめることができました。今後の活動では、長崎県の黒島にも視察に伺い、新規モビリティについてさらに理解を深め、その現状を把握したいと考えています。
実際にグリスロで島を周りました。