宇久島訪問編
調査目的
宇久島は国が定める特定有人国境離島に指定されており、人口減少問題が内海より深刻です。島内が抱える課題の1つは移動手段です。
島内でのモビリティを見直し、移動手段の提供が与える影響を調査しました。行った取り組みを、「数値化」「見える化」して島民に提供したいと考えました。
調査概要
2024年7月21日の1度目の訪問では、宇久島を知り、今後の宇久島の在り方を考えるために一部の島民と意見交換を行い、島が抱える問題を議論しました。2024年11月5日の2度目の訪問では、10月7日から 10月31日までの宇久島内で実施した島民対象のアンケート調査の結果を報告しました。島民の基本属性、生活習慣、移動手段、モビリティ導入の意向を確認しました。それをもとに今後の宇久島内での交通事業の在り方を提案し、議論を行いました。
また、中学生の島民との交流を通して、大学で何を学んでいるのか、大学とはどういうものなのかを伝える取り組みを行いました。私たちは島の未来を担っていく子供たちにモビリティの活用に対して思うことや、子供ならではのアイデアを聞き出しました。
宇久島訪問の様子です。
島の中学生とお話している様子です。
感想
今回の宇久島プロジェクトに参加させていただき、大学生として新たな視点からの発見や、経験を得ることができました。7月に初めて宇久島に訪問した際は、宇久島をまず知り、宇久島の魅力を体感することができました。美しい自然に透き通った海などたくさんの魅力があり、島民の生活地としての活用だけでなく、観光地としても使用できるほど魅力を持つ島であると感じました。その中で、宇久島が抱える1つの課題は移動手段であり、徒歩のみでは宇久島の全体を回ることは難しく、現段階の観光客が少ない要因であると考えられます。その問題を解決するべく小型モビリティの設置が今後の宇久島の問題を解決する鍵になるとも思いました。
個人的な感想としては、島民の中学生とお話した際に、中学生ながら高校は島の外に出るのか、島に残るのか、それぞれがしっかりと考えていて、自分の中学生のころとは比べ物にならないくらいしっかりとしている子達であると思いました。また、ゼミ生の先輩や企業の方の動きを間近で見ることができ、社会人になるイメージや、ゼミ活動の目標が見つかりました。
今回のプロジェクトで学んだことをもとに3年次のゼミ活動に励んでいきたいです。
姫島訪問編
調査目的
宇久島ではエコアイランド化が進行中で、姫島は地域活性化を目指した超小型電気自動車(EV)を導入している島であり、姫島のお話を聞くことで宇久島の参考にさせていただきたいと考えました。
調査概要
2024年8月31日に離島交通の在り方の参考事例を探るべく、大分県姫島村を訪問し、現地視察を実施し、一般社団法人姫島エコツーリズムにヒアリング調査を行いました。調査では、「青空コンセント」という太陽光発電での電気自動車の導入経緯・実績についてヒアリングを行いました。
姫島の青空コンセントは、太陽光発電で超小型電気自動車(EV)を充電する設備のことです。エコツーリズムの推進や非常用電源として活用されています。青空コンセントは、非常用電源としての活用が可能で、小規模離島でも導入しやすかったり、災害時に電源が途絶えた場合でも、太陽光発電で発電した電気を使用できたりするというメリットがあります。青空コンセントで充電したEVで島内を観光することで排気ガスの削減につながり、姫島の活性化にもつながっていきます。
また、全国的に先進的な事例として、環境的に持続可能な交通を意味するESTの交通環境大賞を受賞しました。開散期には、EVを他の離島に貸して、導入事例を増やすことで地域の活性化や産業の発展に寄与しています。リース期間が終わったEVは島民にリーズナブルな値段で販売する予定で、それによって島民の移動手段になり、環境に配慮して、いつまでも住み続けられる島を目指す取り組みとしてとても効率的です。
姫島訪問の様子です。
超小型電気自動車(EV)
感想
姫島での取り組みは、持続可能なエネルギーと交通手段を結びつける革新的な事例であり、非常に感銘を受けました。特に「青空コンセント」による太陽光発電を利用した超小型電気自動車(EV)の導入は、エコツーリズムの推進と非常用電源としての機能を兼ね備えた素晴らしいアイデアだと思いました。離島という限られた資源の中で、太陽光発電を活用することで、災害時にも電力供給が可能となる点は、非常に重要です。さらに、青空コンセントで充電したEVを使って観光を行うことで、排気ガスの削減や環境負荷の軽減が期待できることも、観光地としての魅力を高める要素となります。姫島のような小規模な島でも、環境負荷を減らしながら観光資源を活用し、地域の経済を循環させる方法として理想的なアプローチだと感じました。また、閑散期にEVを他の離島に貸し出すことで、地域の活性化や産業発展に寄与し、EVの導入事例を広げるという発想が画期的だと思いました。
また、私が特に魅力に感じたポイントは、EVで島内を観光する際に遠隔でガイドを行ってくれるという点です。まだ実証はされていませんが、島民の方のガイドや道案内によって観光がより一層楽しくなる工夫であると感じました。エコツーリズムが推進していくことで、姫島の魅力が伝わっていっているということを体感できました。
多角的な視点から物事を考えるということを活かして、3年企画も頑張っていきたいです。